安部球場が東伏見に甦った
2015年12月06日
11月21日午前10時から東伏見キャンパスで野球部の生みの親である安部磯雄先生の生誕150周年記念式典が行われました。式典は安部先生が初代野球部長と庭球部長を務められたことから「主催:野球部、稲門倶楽部(野球部OB会)、庭球部、稲門テニス倶楽部・協力:慶應野球部、三田倶楽部(野球部OB会)」の形をとったので両部の現役部員とOBをはじめ大学関係者、校友、三田倶楽部からの出席がありキャンパス内の大教室はほぼ満席になりました。
テニスの宮城淳氏が席の近くでしたので『大学日本一男女アベック10連覇おめでとうございます。』と申し上げました所『有難うございます。でも結構危なかったのでよ。』と大変喜ばれていました。宮城氏には依田会長の会社の先輩であるご縁でテニス教室と大学125周年記念講演会の講師をお願いしたことがあります。その後、テニス早慶戦や大学王座決定試合などで時々お目に掛かりますがこの日も変わらずにお元気そうにお見受けしました。
基調講演としてご令孫の安部幾雄氏(前稲門テニス倶楽部会長)が『祖父 安部磯雄の思い出』で「知識は学問はから、人格はスポーツから」が建部精神でその考えを貫いて早稲田スポーツの発展に力を注いだと話されました。引き続いて矢口徹也教育・総合科学学術院教授が『人格の尊重―安部磯雄の教育観―』と題して安部先生の人物像とその教えの今日的意義について講演されました。
両講演共大変感銘しましたが特に学生諸君には良い教訓になったと思います。
我々が学生時代に馴れ親しんできた大学キャンパスの間近にあった懐かしの安部球場は、大学創立百周年事業として総合学術情報センターと中央図書館用地になった為、昭和62年に野球部創部以来の87年の歴史に幕を閉じました。
それ以降野球部グラウンドは東伏見に移転して28年経過しましたが、今般先生の生誕150周年を期して大学当局から許可が下りて、球場で命名式が行われて川口浩野球部長が宣言して『安部球場』が復活しました。
球場は右翼102m、左翼110m、中堅122mで神宮球場と同仕様の人工芝ですし。敷地内には室内練習場と投球練習用ブルペンが完備しています。又バックネット裏には安部先生と初代監督・飛田穂洲氏の胸像が設置されていて野球部員は勿論のことOBの人達も入退場時には拝礼することになっていると聞きました。この事からも野球部の伝統が脈々と受け継がれているのだと思いました。
午後からこの式典を記念して3年生以下の新チームメンバーに両校3人ずつの若手OB社会人野球選手が加わって全早慶戦が挙行されました。野球部は今年春秋連覇と大学日本一の偉業を達成しましたが野手レギュラー8人の内6人が卒業するので来年が気になります。それだけに勝敗そのものより打撃陣で期待できる新戦力がいるのかを注目しました。試合は前半2点リードされのを中盤から追い上げて4得点して4対3で逆転勝ちしましたが、その立役者が早実出身DHの熊田選手(2年)でした。高校時代は2年前の選抜大会に主将四番で出場した左打ちのパワーヒッターで大いに期待していましたが進学後リーグ戦ではベンチ入りしていなかったので心配でした。それが記念すべきこの試合で復活安部球場第一号となる右越え本塁打とライト線を破る痛烈な二塁打で2打点と見事に結果を出したので高橋監督に大きなアッピールになったと思います。来シーズンからの大活躍が楽しみです。