2011.09(第125回) 市道山・臼杵山
2011年9月17日
戸倉三山は、臼杵山、市道山、刈寄山を合わせて呼ばれている。三山を歩くコースが一般的であるが、7時間を超え高低差もある山道なので、今日は刈寄山を省き二山のコースとなった。このコースは今年の6月に計画されたが天候不良で中止、再チャレンジだ。
武蔵五日市駅から溢れる人たちは、殆ど9時発の数馬行きのバス停に並んでくる。乗車できるか不安であったが、臨時が2台増便され、僕らは係の誘導で3台のバスに分乗し、全員座る事ができ同時に出発した。
25分程の笹平のバス停は、思っていた以上に大勢のハイカーで溢れていたが、パーティの数は僕らを入れて3パーティであった。
徒歩開始、林道を緩やかに登って行く。暫く林道を登って行くと、先行のパーティが道端に大勢集まっていた。ここが登山口であったのを見過ごしてしましい、かなり進んだ所から引返すことになった。結局、登山口に着いたのは、2、30分の所、1時間も過ぎてしまった。身仕度を整えていよいよ登山開始、澄みわたった渓流を渡り、よめとり坂と呼ばれる急坂を登る。暗い森の下にはヤマホトトギスの花が至る所に咲く路だ。風はなく湿度が高い。登りは更に続き汗が滴る。 ≪杉暗きヤマホトトギス仄なり≫
今日のコースのメンバーは、川俣あけみさん・依田敬一さん・橋本孜さん・上杉雅好さん・金子宏二さん・長張紘一の6名。依田さんの参加は久しぶりである。12時少し前にようやく市道山山頂に辿り着いた。
上空には黒い雲の塊がゆっくり北に向かっている。山頂から下界の景色を見せるため、一部遮る樹木が刈られ狭山ドームが見えていた。新宿副都心やスカイタワーは見えなかった。
台風12号は超スローペースで列島を跨ぎ、各地に多量の雨による甚大な災害をもたらした。その後にくるジョギング並みの速さで列島に近づく14・15号の影響が気になる。今朝未明にも強い雨が振り出し、今日は中止にすべきか迷ったが、天気予報では日本列島で東京のみ雨マークはない。とはいえ、雨が降り出す恐れがあり、早々と12時半過ぎに市道山を下り、隣の臼杵山を目指した。最初の急坂を下ると緩やかにはなるが、アップダウンの連続が始まる。戸倉三山は北高尾山稜と共に、都内にある本格的登山のトレーニングコースの一つであり、きつい山である。
杉と檜の植林地帯には、先日の台風の影響でちぎれ飛んだ小枝が至る所に落ちていた。
植林された杉や檜の中に赤松の大木が混じっている。大木は巨大で枯れているものが多かった。皮が剥がれ四方に散っている。いずれ朽ちて倒れる運命にあるが、何故、杉や檜の森に残されてきたのか解らない。山道は静かで登山口から出会った人は2人だけであった。
ツルリンドウがあらわれ川俣さんがいち早く見つけた。どれにも蕾が沢山ついているが、花の時期には少し早そうである。その中に数株僅かに咲いているツルリンドウを見つけ感動する。 ≪山路ゆく友が指差すツルリンドウ≫
ツリフネソウやキバナアキギリは至る所に見ることができた。2時半ごろ最後の急坂を登り、842mの臼杵山山頂にたどり着いた。市道山より50m程高い。ここも一部山林が切開かれ下界の景色が見られる。ハイカーへのサービスだろう。眼下には五日市の街並み、その背後にある鉄塔の多い丘は横沢入りの緑地である。
これでもかと言わんばかりに急坂が続く、膝が笑いだし踏ん張りが効かない。橋本さんは、数日前左足を捻挫してかばいながら下山している。山道に覆い被さる野草で足元が見えない。にわか雨にでも遭ったか少し濡れており、滑りながら下って行く。川筋にそって真っ直ぐに下ると、4時20分、突然車道に出た。出た所には元郷のバス停があり、バスはまもなく2台連ねて入って来た。後ろのバスに乗り、全員座って武蔵五日市駅に行くことができた。台風が近づき雨降りを心配したが、降られることもなく山道を楽しむことができた。 長張 記
※句二首 金子