第58回俳句同好会
2018年10月21日
多摩稲門会・俳句同好会の10月例会は19日午後、多摩市の関戸公民館学習室で開かれた。あらかじめ8人がメールで投句、当日は6人が出席して選句、合評を行なった。その結果、少なからずの句が原句よりも佳句になった。
例えば〈どんぐりや間巧みに一輪車〉は〈どんぐりやくるりくるりと一輪車〉、情景が説明ではなく詩的に描写された句となった。また〈稲刈るも脱穀も一人藁は地に〉の原句は〈稲刈りと脱穀一人〉であり、説明調が改まった。
当日の巻頭となった〈葛の花艶めきて立つ迢空忌〉は〈葛の花〉と〈迢空忌〉が季語だが、むろん主題は〈葛の花〉。釈迢空の〈葛の花踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり〉を踏まえた句である。
〈重陽の九重の出で湯溢れけり〉の出で湯は大分県の九重山の麓にある法華院温泉。〈秋の夕波音だけの鵜の岬〉は季語が動くと評されたが、稲門会のサークル旅行で茨城県の国民宿舎「鵜の岬」に宿泊した旅の記念句だ。
このサークル活動も例会を重ねて作句力、鑑賞力が高まってきたと言えよう。
当日の選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選は◎で表記)