第59回俳句同好会
2018年11月18日
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の11月例会が16日午後、多摩市の永山公民館和室で開かれた。8人が3句ずつ投句し、5句ずつ選句した。暦のうえでは冬、実際の季節感は晩秋、投句も晩秋と初冬の句が入り混じった。
11月は例月に比べて季語が句を活かしているという評が多かった。とりわけ〈稲屑火(いなしび)〉という季語がそうだ。「稲刈りの後の稲の屑を燃やす火」だが、この季語を斡旋したのは作者の手柄だとされた。あまり知られていない季語であろう。その他の句も〈秋袷〉、〈身に沁むや〉、〈暮の秋〉、〈秋高し〉、〈雪ボタル〉などが詩情を醸しているという評だった。
読み手によって鑑賞が全く異なった最たる句は〈銀杏を踏みて異性の谷間ゆく〉だ。異性を「いしょう」と読めば仏教用語の凡夫であり、煩悩の谷間に迷う意味になるが、「いせい」であれば別の世界になる。作者の自解では「いせい」であった。
このサークルは活動を開始して5年が過ぎようとしている。メンバーの句力が高まったこともあり、次回から投句は3句以上、5句以内とし選択は各人の自由とすることを申し合わせた。選句は従来通り5句とする。
当日の選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名、特選は◎で表記した。