冊子「奈良路いくたび」を発行
2019年12月22日
多摩稲門会のサークル「歴史に遊ぶ会」は12月20日付けで冊子「奈良路いくたび」を発行した。
A5大、180P、50部の限定発行で非売品。この11月に発行した「歴史に遊ぶ会」の10周年記念文集である「旅と史談のサークル記」の姉妹編である。
「歴史に遊ぶ会」は2009年11月に発足した。以来、筆者は世話人を務めて来た。また10年前のその月のことだが、筆者は奈良県認定のガイドを含めた早大時代のサークル仲間とほぼ50年ぶりに再会、奈良の明日香村を歩いた。そして2015年秋には同じガイドに頼み、「歴史に遊ぶ会」のメンバーが明日香と薬師寺や唐招提寺がある西の京を案内してもらった。その経緯は冊子のプロローグに書いた。
2009年から2015年の間、筆者は「歴史に遊ぶ会」の企画として奈良路の史跡巡りをしたいと思いつつ一人で大和路を歩いた。企画の下見を兼ねた旅を楽しみ、その回数は10数回に及んだ。2009年は纏向(まきむく)遺跡、明日香、西の京、平城京だった。纏向遺跡の発見は女王卑弥呼の居館跡の可能性があり、邪馬台国の所在地は九州ではなく近畿という説を後押しするものだ。
2010年2月は「佐保路と万葉の道」と題した章で坂上郎女の和歌と生涯について述べている。そのように旅の年月ごとに訪れた寺社、史跡と所縁のある人物などについて14回のレポート、また私見を披露している。
2010年2月の後は「大阪から奈良へ」、「二上山麓から竹内街道へ」、「法隆寺・興福寺・長谷寺」、「明日香から多武峰へ」、「室生寺から東大寺二月堂へ」、「高松塚の被葬者」、「秋篠寺」、「薬師寺から新薬師寺へ」、「京都府南端から奈良へ」、「山の辺の道」、「再び山の辺の道」、「ならまち散策」となっている。例えば秋篠寺では伎芸天が見る位置によって若い女性に見えたり老女のように感じられたり印象が違うと書いた。
写真は、早大のサークル仲間4人が明日香の甘樫の丘に上った時の写真を「一、初めての奈良路」の箇所に載せた。それから6年後、多摩稲門会の8人が甘樫の丘の同じ場所で撮った写真をエピローグに載せた。早大時代のサークル活動が半世紀後、多摩稲門会のサークル活動につながったという事実に個人的には感慨深いものがある。