第85回俳句同好会
2021年01月17日
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の初句会が1月15日午後、多摩市の関戸公民館・和室で開かれた。第85回でありサークル活動として8年目に入った。1週間前に9人がメールで3句ないし5句を投句、当日は8人が出席して選句と合評を行なった。その結果、41投句のうち半数近い19句が選に入った。
各人が1句だけ選ぶ特選句は6句だが、そのうち4句は人生のパートナーに先立たれたばかりの哀しみを詠んだ句というのが当月の特徴である。〈冬深む椅子の凹みの慕はしく〉は「椅子の凹み」にもそこに座っていた在りし日の故人を想う句だ。最高得点句の〈帰り来よ玄関前の落葉掃く〉には、再び会いたいという気持ちがこもっている。〈移り香の着物掛けおく冬座敷〉の着物は、和服が故人を偲ぶよすがになっている気持ちを詠んだもの。〈人去りて残れる眼鏡初あかり〉は、〈夫去りて〉という気持ちを抑えて〈人去りて〉と一般化して詠んだ。
そんな作者の哀しみを友人として想い詠んだのが〈行く年や嘆きを友に置きしまま〉、〈年忘れ然れど喪の友忘れざる〉の2句である。
選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名、特選は◎で表記。