「絵の中の旅」にでかけます。「神宮外苑に」早明野球戦 藪野健先生記
6月の定例総会の講演を依頼するため、 先日、府中市美術館の館長の藪野先生を訪れました。談話の中で偶々先日の早明戦の話になり、新作の絵を見せていただきました。早稲スポ・オッカケ隊長の湯浅さんの記事の中に、絵を挿入することに快諾を得ました。絵の写真だけと思っていましたが、記事もありオッカケ隊とは別にして紹介いたします。会員の皆様には、6月29日(土)の総会・講演会・懇親会にもご参加頂き、藪野先生の講演をお聴き下さい。長張紘一
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以下、藪野先生の記事と一部制作中の絵です。
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神宮球場が近づくと大太鼓の音が聞こえてくる。それから半円アーチの回廊が目に入る。ふとローマのコロッセウムを思い浮かべる。このひとときが実に楽しい。異空間だからだ。階段を登ると青の大空が広がる。国立競技場、聖徳記念絵画館の丸屋根。そして銀杏並木の緑、野球を観にに行くたびに増える高層ビル。
1963年早稲田が低迷した頃の六大学から実によくでかけた。隣の上級生が「早慶6連戦があって喉がかれてもう歌えなくなったし徹夜で6日間通ったのが忘れられない。だから試合中眠っていて、経過が夢と一緒なっているんだ。わからないうちに6日間が経っていた」と話しかけてくれた。吹奏部の隣に座るとリズムが下宿に帰っても耳から離れなかった。戦前から歌い継がれている「天に2つの日あるなし」「仰げよ荘厳」「大地を踏みて」「紺碧の空」、戦後の「ひかる青雲」「精悍若き」「早稲田の栄光」「永遠なる緑」「コンバットマーチ」「吼えろ早稲田の獅子」「ビバワセダ」「早稲田健児」から最近の歌までほとんど2番3番まで覚えたほどだ。スポーツと芸術がもっと大切に考えられても良い。文化だと思う。
中国で建築学科教員訪中団に加わったときお互いの学校の歌のやり取りがあった。早稲田からは次々応援歌が出て相手の大学が驚き、それがきっかけで心和んだことを思い出す。
6大学だけではなく友人の通っていた他の大学にもこれまた良い歌が多かったた。神宮第2球場、西京極球場、熱田球場や各地の大学の球場もそれぞれ趣がありエール交換、応援のの方法も異なっていて楽しめた。
ふと、宮本、八木沢、江尻、向田、安田、斎藤、小宮山の投げるフォームや野手の鍛治舎、谷沢、岡田と挙げていくとそれだけで人生の一場面と重なる。他のスポーツでもそうだ。ラグビー、サッカー、レガッタ、駅伝、様々な競技まあよく観に行った。スポーツの場は時の流れを忘れさせる装置だ。