<六大学野球リーグ各校優勝回数と有名選手>
7季振りの優勝を機に来年100年になるリーグ戦の歴史を振り返り、
各校毎の優勝回数・有名選手と早稲田歴代監督の優勝回数を調べました。
2024年7月3日 湯浅芳衛 記
<六大学野球リーグ各校優勝回数と有名選手>
(33~34年は年1季制、40年は優勝預り)
(直近優勝 24年春 23年秋 23年春 19年秋 15年春)
年次毎についてのコメント(早稲田を中心に監督、選手を記述しました)
(1)1925~42年(創設から戦争による中断まで)
昭和初期は早慶の好勝負が天下の耳目を集めた。特に早稲田名左腕・小川と慶応豪打・宮武の対決は満天下を沸かせて語り草となっている。
その他にも早稲田・三原、伊達、呉、慶応・水原、山下、別当、法政・若林、明治・田部、立教・景浦、東京帝大・東が後世に名を残す名選手が存在した。
優勝回数はて早慶各8、明9が鼎立していて明治の37~38年4連覇には吉田、杉浦等の中京商業OB組の活躍が貢献した。
43年10月戸塚球場の学徒出陣壮行早慶戦は記憶に残すべきと思います。
(2)1946~60年(戦後復興~早慶拮抗、名選手輩出で六大学全盛時代)
早稲田12回を筆頭に慶応7、明治3,法政2、立6回となっている。
早稲田は12回の内、森監督が47~57年に歴代最多の9回優勝(50春~51春の3連覇を含む)の名監督です。その間に末吉・石井(連)・木村の好投手、野手では石井(藤)、蔭山、両荒川、宮原、岩本、広岡、小森、森等を育てた。
私はこのころが早稲田の黄金時代と思っています。
後任の石井連蔵氏は立教5連覇を阻止した59春の優勝と今も屈指の名勝負と語り継がれる60秋の『伝説の6連戦』の勝利は大先輩・飛田穂州氏愛弟子の面目躍如たるものがあります。特に安藤の好投を軸に6連戦を勝ち切った采配は石井氏の一世一代のハイライトです。
相田氏は46年秋に優勝した。エース岡本が全11試合に登板して10勝1敗は不滅の大記録です。この秋に優勝賜杯が下賜されて岡本主将が最初に拝受した。
立教は砂押監督に鍛えられた長嶋・杉浦・本屋敷等の活躍による57~58年の4連覇を中心に6回優勝したのが特筆される。
この時期は上記選手の他にも早稲田・近藤、徳武、村瀬、野村、慶応・山村、平古場、藤田、衆樹、中田、明治・秋山、土井、近藤、法政・関根、立教・古田、東大・岡村等 枚挙に暇がない。古田(55卒)は当時プロを含めても最高の二塁手と言われ、熊谷組に入り40歳まで監督兼選手で活躍した。
(3)1961~80年(法政が2度の4連覇を含む16回優勝の常勝軍団)投の山中、江川、打の田淵、山本(浩)を中心に厚い選手層で他校を圧倒した。早稲田は石井藤吉郎氏が64~73年に5回、石山氏2,宮崎氏1の計8回に留まった。他に慶応7(71秋~72秋に3連覇)明治8,立教1だった。
上記法政勢の他にも早・八木沢、谷沢、山倉、岡田、慶・渡辺、山下、萩野、明・星野、高田、立・土井、東大・井出(慶明に完封勝利)が挙げられる。
(4)81~2000年(法政は3度めの4連覇を含む16回の優勝)
法政は際立った大物選手はいなかったが指導者の好指導と粒よりの選手達が堅実な勝つ野球に徹して優勝を重ねた。
早稲田の優勝は81~98年では82春・90春・93春の3回しかなく野村氏が99年に就任して部の改革を実施して99春に優勝したがこの20年間は僅か4回優勝と不振で残念だった。石井連蔵氏は異例で88~94に再登板した。
この時期に名を残したのは早・小宮山、仁志、慶・高橋、明・広沢、立・長嶋、東・市川が印象に残っている。。
(5)2001~2020年(早稲田が巻き返して通算46回優勝で法政と共に最多)
早稲田は2002春~2003秋に初の4連覇を達成した。野村監督が和田、鳥谷、青木等後年プロ野球のビッグネームになった名選手や他にもベストナインに選出された投手清水、一塁武内、二塁田中、三塁比嘉、外野由田等好選手が揃った隙のないチームに育てた功績は特筆すべきだ。次の応武氏は在任6年間で06秋~07秋の3連覇を含む優勝6回は素晴らしい。その中で斎藤が07春秋、08秋、10秋と優勝に貢献し、人気も絶大だった。その後の岡村氏1回、高橋氏2回、小宮山氏1回と頑張り、通算46回の法政に並んだ。
(6)2021~2024年春(24春7季ぶりの優勝で通算47回の単独トップ)
「一球入魂」を貫いて現状に満足せず、“最強の常勝チーム”を目指して欲しい。
(7)連覇記録
3連覇以上は百年の歴史の中で僅かに10回しか記録されていない。
1 4連覇・・・6回
早稲田:2002春~2003秋(野村監督)
明治:1937春~1938秋(野球部公式サイトがブロックされて いて不明)
法政:1969秋~1971春(69秋~70秋松永、71春五明監督))、
1976春~1977秋(五明監督) 、1987秋~1989春(竹内監督)
立教:1957春~1958秋(辻監督)
2 3連覇・・・4回
早稲田:1950春~1951春(森監督)、 2006秋~2007秋(応武監督)
慶応 :1971秋~1972秋(71秋榊原、72春~72秋大戸監督)
明治 :2022春~2023春(田中監督)
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<早稲田歴代監督と優勝回数>
1 飛田忠順1925年秋 1回 2 市岡忠男26~30 2 回 3 大下常吉 31~33 0回 4 久保田禎 34 0回 5 田中勝男 37~39 1回 6 伊丹安廣 40~42 2回 7 相田暢一 46~47春 1回 8 森茂雄 47秋~57 9回 石井連蔵 58~63 2回 10 石井藤吉郎64~73 5回 11 石山健一 74~78 2回 12 宮崎康之 79~84 2回 13 飯田修 85~87 0回 14 石井連蔵 88~94 2 回 15 佐藤清 95~98 0回 16 野村徹 99~04 5回 17 応武篤良05~10 6回 18 岡村猛11~14 1回 19 高橋広15~18 2 回 20 小宮山悟19~24 2回 無監督 36~37 2回
(完)