2009.12(第109回) 陣馬山・景信山
光陰矢の如し、今年最後の例会、恒例のシモバシラの華を見る会だ。ハイキング後は悠々歩く会など他のメンバーと京王クラブでの忘年会に臨み懇親を深めることになっている。
JR高尾駅北口からバスで陣馬高原下まで行き、9時20分徒歩開始となった。バス終点場所の登山客が立ち去った後は、閑散とした町の佇まいが残った。甲州に抜ける陣場街道を暫らく行く。今日の参加者は、中川さん・櫻井さん・橋本さん・白井さん・金子さん・長張の6名だが、宇田川さんが景信山から合流することになっている。
今週から寒気が入り真冬の気候となった。今朝は、今冬最低気温であり多くのシモバシラの華が期待できそうである。
街道から沢沿いの登山道の陣馬新道に入る。植林された檜林が続き、整備され歩きやすい山道である。檜の森から次第に落葉の自然林に変わると明るくなって来る。木々の間から陽は射し込むが気温は低かった。白井さんはスキー用のブレーカーを着込み少し暑くなったと言っているが、私は登り道であるにも拘わらず、一向に体は温かくなってこなかった。大気は冷たく顔に痛いほどであり、手袋は必携であった。
陣馬山まで登りだけが続く。辺りは下草もない見通しのよい登山道となる。この新道が設けられた頃から歩いている金子さんだが、中川会長が何度か来ていると、自ら先導役を担ってくれて、今日の唯一の女性である櫻井さんを大変気遣いながら、登高を続ける。
高度が上がるにしたがって、今日のお目当てであるシモバシラの華がチラホラと見えてきた。色々な形があるが、どれも力強く、硬いガラス細工のようであった。毎年行われるこの会で、久振りに出会う立派な氷の華である。私は巻貝のようにレース状のものが良いと思うが、多くは串に刺したツクネのようなものである。
シモバシラの華の場所は、旧青年の家跡に多数見ることができた。その他の場所では稀にしか見ることができない。今朝の寒さで一気に出来た新鮮なもので、なかなか溶けそうでないように見えた。風などの条件で形が変わるのかも知れない。近くで見ると氷の襞の筋が曲線をなしており芸術的でもあるが、遠くから見ると飛ばされたティシュのゴミと間違えそうである。シモバシラの華を見てしまえば、今日の山歩きの目的は果たしたようなものである。陣馬の山頂近くに着くと、すっかり葉が落ち裸になった樹木の背景に、真っ青な空の何時もの風景に出会うことができた。
山頂からの360度のパノラマは今日も見事であり、特に富士の雄姿は格別である。全方位のパノラマが見られる地点は限られている。ここが多摩地区から一番近いスポットだと思う。広い山頂は大勢のハイカーで賑わっている。昼食にはまだ早い時間なので、それぞれ展望を楽しみ、また写真を撮っている。奥多摩のシンボルである大岳山は、特徴ある山容を披露していた。
集合写真のシャッターを若者に頼んだが、肝心な富士は会長の背後で隠れてしまった。
山頂を11時に出発し、明王峠の南斜面でめいめい富士を眺めながら食事をとる。山中湖畔に住まいを移した宇田川さんは、景信山で我々を待つという予定。しかし、シモバシラの華の観察などに時間を費やしたこともあり、小仏からのバスの時間が気になり始めた。景信山へかかる急坂を前にして、計画を変更し、金子さんが山頂に行き、我々捲道を通り小仏峠に急いだ。こういうときに携帯電話が有効だ。金子さんは景信山山頂で宇田川さんと無事に出会った。二人とも健脚だ、直に我々に追いついた。峠で小休憩後バス停まで下山する。中川会長は慣れた道なのか先頭を遠く離れて進んでいる。
バスの時間もあるので宝珠寺に立ち寄り、そこにある都指定天然記念物のカゴノキの大樹を見学した。
2時40分発のバスに乗り京王クラブに向った。京王クラブでは、川妻さんらの悠々歩く会から6名、城所さんが幹事をしている囲碁の会から6名のメンバー、宴会場直行のCコースのメンバー4名の方々、総勢23名の忘年会が始まった。
囲碁の会の方々とはあまり馴染みがなかったが、色々囲碁の世界の話も聞くことができた。また、湯浅さんから、来春行われる30周年記念行事に関するイベントについての熱い思いの話があり、一同、成功裡に進むよう誓い合い散会した。 長張 記
山歩きの会の記念文集は目下鋭意編纂中です。1月の30周年記念の集会までに完成を期して鋭意編纂中です。ご期待ください。 (金子)