2008.11(第 97回) 三頭山
11月に入れば奥多摩の山では冬の気配が感じられる。三頭山は、大岳山・御前山と奥多摩三山と呼ばれている最高峰であり、これも裾野を大きく広げた存在感のある山の一つである。今日は6時間を越える歩行で、また、陽も大分短くなり、朝の出発は何時もより2時間ほど早い出発となった。今日の参加者は川面さん・山岸さん・川俣さん・金子さん・長張の5名である。奥多摩駅、7時50分発のバスに乗ったが、峰谷橋で下車するべき所、終点の峰谷まで行ってしまい、そのバスで折り返し目的の峰谷橋まで戻ることになった。信号に隠れた山がイヨ山で、目指す最初の頂である。9時半ここから徒歩開始となる。
赤い橋の向こうのトンネルを抜けると奥多摩湖に浮かぶドラム缶の浮橋を見下ろすことができる(下写真)。ドラム缶の浮橋を一列に渡るが結構揺れる。
浮橋には釣り客が数人腰を下ろし楽しんでいた。誰のビクにも公魚の釣果が入っていた。浮橋から対岸に上がり道路に出るが登山口(下写真)まで辿り着くのに手間取ってしまい、バスの下車場所ミスと合わせて1時間近くもロスしてしまった。
登山口までは手間取ってしまったが、ここからは気持ちの良い山道が続いていた。
峰谷橋からほぼ真南に進む北斜面で、気温は10度前後で日影ではかなり寒さを感じるが、上り進むうちに体は汗ばんでくる。最初の急坂のイヨ山まで1時間10分。背景の眼下には奥多摩湖が木陰の間に見渡せる。隣の大寺山の仏舎利の白い塔が、右側に高度が上がるにしたがって、全容がハッキリしてきた。2番目のピークは糠指(ヌカザス)山でさらに50分。深く積もった乾燥した落ち葉を踏みしめ進んで行く。鳥の鳴き声も無く、皆のお喋りも少なくなった静かな山道の中で、枯れ葉を踏みしめる皆の足音、それに、川面さんの熊よけの鈴の規則的な音を聞きながら、ひたすら上る事のみを考える。
イヨ山を過ぎ、常緑の樹木から落葉樹に変わり、所々に現われるカエデの紅葉は、息の上がった状態からホットした気分にさせてくれる。
第3のピーク入小沢の峰の頂きの手前の難所、おつねの泣き坂(下写真)は長く、落葉樹の根っ子を掴りながら、上へ上へと高度を上げていく急峻であった。久しぶりに経験した一番の難所であり、某氏曰く、夏の甲斐駒より厳しいと。樹木の葉は、高度が増すにしたがって無くなり、冬の景色となる。
急峻を上りきった緩やかな平な場所が、入小沢ノ峰である。既に12時を回っていたのでランチタイムとする。今の季節の食事は、ほてった体が直ぐに冷え込み始め、食事を早々に済ませ、誰とはなしに出発の支度を始める。
三頭山山頂に近づくと他のハイカーに出会う機会が増えてきた。中央峰と呼ばれる山頂は比較的広く緩やかで、小さな子供もいる家族連れで賑わっていた。都民の森からは高尾山気分で気楽に登れるコースがある。西峰と呼ばれる山頂が隣に座し3mほど標高は高い。ここにも家族連れや、中高年のハイカーの団体で賑わっていた。下山は、笹尾根を西原峠まで下るコースを計画していたが、朝の時間のロスや天候が悪くなってきた理由で、最短時間で下ることができる鞘口峠から都民の森に下る事にした。
都民の森の駐車場には2時半ごろ着いたが、バスの出発まで小1時間待つことになった。曇り空は更に厚い雲に覆われ、霧が時々流れ出してし、3時前でも薄暗くなってきた。
1時間ほどバスに揺られ武蔵五日市駅まで、何時もの立川駅の居酒屋「味工房」で、今日一日の労を美酒でねぎらい、次回での健闘を誓いあった。 長張記