2008.10(第 96回) 滝子山
定例の「山歩きの会」は久しぶりの開催である。先月の筑波山行きは台風の影響で中止となった。6月も山歩きが天候不良で中止され、変わりに高幡不動尊見学となった時の話題の中で、候補の一つとして今日の滝子山が選ばれた。滝子山からの富士の眺めは大月市の秀麗富嶽十二景の一つで、扇山・百蔵山・岩殿山と中央線の北側に沿った山並みにある。
秋の天気は変わりやすい。一日中雨模様の日が2日ほど続けば今度は、これ以上の日本晴れはないという正に絶好の登山日和となる。今日も三日ほど続いた快晴・乾燥・無風と三拍子揃った登山日和となるはずである。今日の参加者は川面さん・山岸さん・川俣さん・金子さん・長張の5名である。滝子山登山口は笹子駅に近いが道証地蔵までの1時間強を稼ぐため、大月駅からタクシーを利用することになった。
朝の清々しい冷えた空気を吸いながら、9時少し前に大月駅から1台のタクシーに5人全員乗り込んだまでは良かったが、運転手は道を知らず降ろされた場所は、道証地蔵の先の林道の終点であった。30分かけて車で登った道を徒歩で下り、道証地蔵に着いたときは10時少し前になっていた。暗い林道に沿ったズミ沢は所々滝が出現する。
薄暗い道を更に沢に沿って進むが、俄かに道は険しく難路となりやがて前進不能となった。急な斜面を登ってみるも山道らしきものは見あたらず。ついに再度、難所を引き返し、沢沿いのルートを避ける捲き路を辿る。路は再びズミ沢に出る。ナメ滝が連続する沢は見事である。
山路で迷ったと思ったら、直ちに元の路を戻ることの鉄側を、体験する事ができた。
しばらくカヤトの間の快適なハイキングとなる。トリカブトの真っ青な花が所々に咲いており、花の時期が終わったフジバカマの大群落が、道の両側一面に種を飛ばす直前の姿となっている。大谷ヶ丸への分岐からまた急な道となる。
為朝伝説の鎮西ヶ池を経て山頂の到着は12時半を過ぎていた。
山頂は広くはないが大勢の登山客が食事をしていた。富士は霞んでいたが近くの山肌は紅葉の縞模様で美しく、今の季節でしか見られない景色となっている。狭い山頂は次々に登山客の食事の場となっていたが、我々は1時少し過ぎに下山開始する。最初の急坂は直ぐに緩やかになり、女坂を下り檜平に出た。そこから間近な三つ峠の横に、大月市秀麗富嶽十二景である富士の姿が、薄く霞んで見ることができた。川俣さんは以前、伊藤さんとお二人でこのコースを笹子駅から歩かれたそうである。
道中一人も出会うことがなく、暗い山道は大変心細かったと話してくれた。しかし、この日はかなりの人が入っており尾根に沿った緩い下りは、笹尾根に似た趣があり快適だ。しばらくして尾根から外れ急斜面を下り沢沿いの路に出る。辺りは薄暗くなる。加えて雨が降り出したというから、女性2人では確かに心細く感じたのはわかるような気がする。
下ること2時間半、中央自動車道をくぐり笹子川を渡り国道20号線に着いた。20号線から遠く高く滝子山の全景を見ることができた。一同、立川駅の居酒屋「味工房」で、今日一日の成果を喜び語り合うことができた。 長張記