2012.07 Bコース 小山田緑地
今年になって「山歩きの会」は天候の不良のため中止が多く、Aコースの開催は2月の南高尾、5月の箱根神山とまだ2回しか開催できていない。今日のBコースは、多摩市近辺の大賀蓮の開花を満喫しようと、花の時期とみられる日にちを選び、少し早めの第2水曜日に開催した。梅雨前線が再び近づき午後からは雨模様の天気予報あったが、朝から快晴となり温度も上がり全く雨の心配はないようにみえる。10時集合の小田急唐木田駅広場に、僕は多摩センターから歩いてゴルフ場の縁にある「唐木田の道」を久しぶりに歩いてみた。
唐木田駅前広場の行き交う女学生の姿もすっかり夏の季節に変わっていた。小山田地区の散策は、地元の白井昭男さんのガイドが定番となっている。これまでに数回行われている。
小山田緑地にあるアサザ池の水草は東京都版RDB(レッドデータブック)種の一種で大変希少なものであるといわれるが、説明がなければただ通り過ぎる道ばたの花と同じである。池の中にはちらほらと黄色い花が咲いていた。時期に恵まれれば下の葉が見えないほど咲き乱れる。池の周辺のベンチには高齢の人たちが既に食事をとっている。僕らは、傍らを通り過ぎ梅木窪分園の吊り橋をわたり、小山田緑地公園に入り、見晴らし広場の樹の下のベンチで食事をとった。丹沢山塊が目の前にあり三つ峠まで見渡せる絶景ポイントである。富士は雲の中にあったが、関東富士100景の一つであると掲載されていた。今日の天気は予報では曇りから雨模様と出ていたが全くその気配がない。公園の西から出ていよいよ蓮田に近づいてきた。一面の田は、蓮の葉の緑で覆われているが花の色は中々認められない。
それでも田を回り込み中に入って行くと、握り拳ほどの蕾に中にちらほらと開花している蓮が見られた。ここは観覧用の池ではなく養殖のための約5000㎡の田んぼ池である。
このハスは全て大賀ハスといわれている。大賀蓮は千葉の検見川遺跡で大賀一郎博士が発見し、その後繁殖させて全国に株分けしたものであることは有名である。ここでは、茎から繊維を抜きだし織物も作っているそうである。
蓮田には強く風が吹き抜け、葉がめくりあがり風のおさまるのを待って葉影の開花の写真を収めてみた。今日の目的であった大賀ハスの鑑賞は少し時期が早かったようである。8月の上旬辺りが見頃となりそうである。場所も解りまた気軽に訪れて鑑賞することもできる。
今日のメンバーは、櫻井和子さん・金子宏二さんと暎子夫人・川面忠雄さん・ガイドをお願いした白井昭男さん・浅井隆夫さん・長張紘一の7名である。
再び小山田緑地公園に戻り運動広場で休憩した。園内の起伏のある周囲を高校生が炎天下の中で駆けってゆく。半世紀も前の自分の姿を想像してみた。何回も廻っていた生徒もやがて休憩し僕らの側に来たのを機会に帰路につくことになった。時間も十分あるので取り敢えず一本杉公園まで歩くことにした。小山田の雑木林の中は強い日射しを遮り、風もあり涼しく快適であった。
小山田緑地公園を出て、以前歩いた奈良べい谷戸から、小野路城址により小野小町が利用したと云われる井戸を見下ろし、一本杉公園に向かった。尾根幹線道路の北側の住宅地と、南側の里山の景色は対照的である。一本杉公園の駐車場は満車の状態であった。高校野球が行われており、地元の多摩大聖ヶ丘高校が4対2で勝っているとの応援の生徒から聞いた。尾根幹線からバスで多摩センターに向かい、カリヨン館の居酒屋で喉を潤す。
炎天下でのハイキングの後、生ビールは格別であり、これがあるから歩けるようにも思える。酒のつまみに蓮根の肉詰め料理を頼み、蓮根の穴の数を皆で確認した。大賀ハスのレンコンが食べられるかわからないが、菓子や酒に食用として利用されていると掲載されていた。皆と別れた帰路の多摩センター駅前広場はまだ明るく、空の雲が奇妙な形で漂っていた。長張 記