盛り上った東京三多摩支部大会
東京都下26の早稲田大学校友会が11月18日午後1時半から多摩市の京王プラザホテル多摩で東京三多摩支部大会を開催した。多摩稲門会からも40名を超える会員が参加した。大会は第一部が式典、第二部が男性合唱の東京稲門グリーンクラブの演奏会、続いて藤嶋昭東京理科大学学長による「研究も教育も感動からー光触媒を例として」という演題の講演、第三部が懇親会で、午後5時半過ぎに閉会となった。
第一部では、三多摩支部長の河合一郎 稲城稲門会会長が主催者として「東京三多摩連合会の伝統を引き継ぎ、三多摩支部として活動し、今年は10周年を迎える」などと挨拶、来賓として鎌田薫 早稲田大学総長・校友会会長、福田秋秀 校友会代表幹事が祝辞を述べた。
早稲田大学は11月、「早稲田ヴィジョン150」を発表、創立150周年にあたる2032年の早稲田は「(1)高い志をもった学生が世界中から集い(2)世界の平和と人類の幸福の実現に貢献する研究が行われ(3)卒業生が世界の至る所でグローバルリーダーとして社会を支えるとともに大学と緊密に連携し(4)アジアのモデルとなるような大学運営体制が確立している」としている。
これを踏まえて鎌田総長は挨拶の中で、次のように述べた。「グローバル化の枠組みはできているので、次の段階として教育内容を充実してゆく。学部の授業は一方通行ではなく、少人数による対話型、問題発見の場にしてゆく。授業に出ることで自分の考えが高まってゆくようなものにする。
大学改革には資金が必要だが、授業料引き上げで収入を増やすのは難しい。社会人が3万人ほど学びにきているが、これを5万人ぐらいに増やすことで収入増を図ることも考えている。また寄付金も増やさなければならない。現在は年間20億円だが、これを20年後には5倍にしないと改革資金が間に合わない。校友だけに頼るだけではなく、内外の企業にも支援を頼みたい。そのためには早稲田が社会に役立つ大学であることを伝え、理解してもらう」。
第二部の東京稲門グリークラブの演奏会は、「ジェリコの戦い 」 といった黒人霊歌、セレナーデ などに続いて、最後に「早稲田の栄光 」 を歌った。
藤嶋昭 東京理科大学学長は、講演に先立ち佐藤達雄 多摩稲門会名誉会長から「光触媒の発見者であり、ノーベル化学賞候補の1人である」と紹介された。水の中に酸化チタンを入れて光を当てると、電気分解と同じように水から酸素と水素が取れる。これを応用すると、「汚れが落ちる」「曇らなくなる」「殺菌できる」といった成果をわかりやすく楽しく説明、しばしば笑いを誘った。「研究にはお互いを高め合う雰囲気が何よりも大事であり、それには本を読むことだ」「何事も基礎が大切」で、「子供たちに科学教育を勧めている」などとも述べた。
第三部の懇親会は、午後4時半過ぎから多摩稲門会の井上一良 副会長、同じく堤香苗 幹事の司会により、ホテル内の別会場で始まり、東京三多摩副支部長の依田敬一 多摩稲門会会長が来賓、大会参加者を歓迎する開会挨拶を行った。
乾杯後、歓談の輪には鎌田総長、藤嶋学長らも加わった。
井上副会長、堤幹事の司会はプロのもので、「藤嶋学長は理系の頭で考えたことを文系の言葉で話された」などメリハリのついた司会進行振りを見せた。途中、大会を傍聴した中国からの留学生たちが壇上に上がり、1人ずつ自己紹介し、留学目的などを語った。
また、応援団とチアガールが登場、応援歌 を披露した後、大会参加者 も一緒になり 校歌 を斉唱、大いに盛り上って閉会した。
多摩稲門会出席者(五十音順、敬称略):青木康成 浅井隆夫 新井正子 稲垣友三 井上一良 上杉雅好 宇田川登 遠藤千尋 尾ノ井光昭 加来健一郎 金子宏二 上條善義 川面忠男 子幡嘉之 小林勲 櫻井和子 佐藤達雄 白井昭男 鈴木忠男 髙田保之 田辺繁友 辻野多都子 堤 香苗 寺澤 史 中川邦雄 長張紘一 中神尚男 中里保司 西村幸一 半田正久 平松和己 広田 進 藤井國男 古屋祥一 本保和雄 前田光治 又木淳一 湯浅芳衞 吉川啓次郎 吉田 浩 依田敬一 /多摩三田会出席者(敬称略):野口信一 加藤敏雄 /多摩地区一般参加者:10名