2009.03(第101回) 筑波山
筑波山は、万葉の時代から「西の富士・東の筑波」と崇められてきた東国の信仰の山である。標高は877mと富士山と対比させるのはおこがましいが、その姿形は決して富士に劣るとは云えないことかららしい。深田久弥の100選に選ばれているが、その中でも高度の一番低い山でも有名である。
つくばエクスプレスが4年前に開業し、秋葉原から45分で筑波駅に着くことができ、筑波山へのアクセスが大分良くなった。この日我々も11時15分前に筑波駅に到着した。シャトルバスで筑波神社前まで小一時間、筑波神社前に到る。神社までの参道を登る。拝殿で登山の無事を祈願し、ケーブルの宮脇駅へ行く。
筑波山頂駅に8分で着いた。山頂駅は下界を見渡す御幸平にある。昼食の時間は既に過ぎているが、男体山頂まで足を延ばす事にした。10分少々で達した山頂の風は少し冷たかった。
山頂には男体山御本殿や気象施設のコンクリートの建物が、狭いスペースの中に構えていた。また、女体山方面には無粋な幾つかの電波塔が林立しているのは少し気になった。
狭いスペースを利用して昼食をとる。山頂からのパノラマは、流石100名山に価する。関東平野に対峙する西の端から都心を通して、空気の澄んだ日に、遠く望む事ができた時は感激するのが常である。
今日は、昨年の秋に企画されたが天候不良で中止されたコースである。気軽にハイキング気分で楽しめることで、AB合同企画となり、そのためメンバーは多彩となった。櫻井さん・柴田さん・湯浅さん・星野さん・川面さん・青木さん・依田さん・橋本さん・白井さん・浅井さん・金子さん・長張の12名となる。
今日の天気は比較的暖かく晴れてはいるが、大気は霞んでいて良好とはいえない。地平線の上は白い霞だけである。多摩方面の山波は、霞のなかに入り視界に入ってこない。
食事を済ませ、自然研究路に入り、時計周りに中腹を一周するコースをとった。スミレが咲いていた。又、カタクリの株があちこちに群生していて蕾も見られるが咲いている花はまだない。季節がもう少し遅ければ、色々な野草が楽しめる散策路のようである。周回路は平坦ではなくかなりアップダウンがあり、所々に展望台が設けられ絶景が見渡せる。
男体山を周回するコースを離れ、女体山へ向う両山の鞍部には多数の売店が並んでおり、大勢の観光客で賑わっていた。
女体山の頂は更に狭小で、その上、御本殿の「天皇成婚記念、天の浮橋」設営工事中であるため、山頂に入るには順番待ちで長い列が続いていた。女体山御本殿が建つ岩山も、霞ヶ浦を遠く望める絶景スポットである。大勢多数の人が順番を待つのもうなずけることができる。乳飲み子を抱えながら、岩山を登る若い母親の姿が多く見られるのは驚きであった。
狭い頂の岩山からの眺めは、多摩地区の山からの眺めとは違い、下界は低い平野が一面に広がっている。877mの低い山とは思えないボリューム感に圧倒される。
ロープウェイの駅に着くと、周りの景色を楽しむ間もなく直ぐに出発し、5.6分でつつじヶ丘駅に着いた。広い駐車場には地元ナンバーの車で満車状態であった。地域の人の気軽な人気スポットのようである。
新宿駅を下車し、恒例のお疲れさん会。山歩きの会は100回目を迎え、この山の会の第一回から参加の櫻井さんの参加で記念すべき山行ができたことを祝し、大ジョッキで乾杯! 霊山筑波山のガマの気を受けた12名は実に実に意気軒昂、次回を期して散会。 長張記