第54回文化フォーラム「楽しい福祉・多摩市のサロン」要旨
2014年10月05日
9月27日(土)聖蹟桜ヶ丘京王クラブにて開催され、会員・一般の方々が多数参加された。
文化フォーラム担当新委員の選定による1回目は、多摩稲門会会員川面忠男氏に講師をお願いし、「楽しい福祉・多摩市のサロン」という演題で高齢者福祉活動の実体験話を中心にご講演いただいた。
「文化フォーラム」
開催宣言は長張幹事長、司会進行は副会長尾ノ井、主催者側を代表し依田会長より挨拶があった。
尾ノ井から川面講師のプロフィール説明があり日本経済新聞社でのご経歴が紹介された。
川面氏は、退職後地域社会と積極的に関わり合いをされ、中でも高齢者福祉活動には積極的に取り組まれ、多様な知見をお持ちである。本日の講演内容は、川面氏が体験され、いろいろな課題に直面改善努力された実績をレジュメに基づき分かりやすく講演された。
はじめに「楽しい福祉」をモットーにされたきっかけは、民族歌舞団員と知的障害者との交流シーンに感動した事です、と述懐された。その後本題のサロン活動について解説された。
・「市民協働」
行政のハコモノ・サービスが行き詰まり、今後は市が民間の知恵とエネルギーを活用しなければ対応できない事態になっている。市民の力・地域の力により、楽しい地域づくりを進める街にする。
そのために多摩市(行政側)と地域住民が力を合わせ、市民のニーズに応えていこうというのが「市民協働」である。
・「認知症問題」と対策
多摩市の高齢者(65歳以上)人口は、平成22年度29000人から平成26年度36000人に増え、今後も団塊世代が加わり一層多くなる。多摩市の福祉費用も増え、行政の財政負担は限界に近い。
とりわけ認知症患者は(推定)平成22年度3600人、平成26年度4900人と1300人も増加、市の福祉費負担は更に重くなり、これからは市民協働して取り組むことが求められている。
・「地域デビュー」
ボランティア活動は、早い機会に地域デビューした方がよい。多摩市は自分に合ったボランティア活動を見つけようと、手引書を発行して市民の後押しをしている。
多摩市のNPO法人は東京都26市中一番多い52団体ある。
福祉医療系・スポーツ系・文科系・街づくり「この指とまれ」=サロン
NPO法人の具体的活動例を紹介され、関心を引く事例が多くあった。
・「サロン」の悩み
認知症とその見守りの壁、スタッフの高齢化、受け入れ施設の限界、運営資金の確保、価値観の違い等を挙げられ、一つ一つ地道に改善していく事、後継者育成の必要を主張された。
・「市民協働の問題点」
問題点――行政側は施設を減らす方針
解決策――場所の確保
以上、川面氏は現在も精力的に福祉活動を実践され地域社会に多大な貢献をされている。
こうした氏の真摯な活動は多摩稲門会の誇りでもある。川面さんに続こう!
・「質疑応答」
引き続き質疑応答に入り、サロンにおける男女温度差の解決策、認知症アンケート等すなわち行政の無駄を追及する質問者にも懇切にその対応策を説明され、発言者も納得されていた。
「懇親会」
尾ノ井の開演挨拶、中川名誉会長の乾杯音頭の後、平松副会長の司会進行で宴が進行した。川面氏を囲み、参加各位(高齢者)自身の身体的悩み・健康談議等歓談の輪が広まった。
司会の平松氏が参加者を指名し、各位のスピーチ・近況報告がされた。ご夫妻のお孫さん養育の苦心談、多摩市外に在住し多摩稲門会に加入されている先輩の遠慮話、名誉会長の俳句談義、都議員所属政党の趨勢報告、 NPO法人世話人の実情報告等参加各位のユーモアセンス溢れた発言と世事放談で会場は大いに盛り上がった。
暫し歓談後、恒例の平松副会長のリードで校歌斉唱、尾ノ井の締めでお開きとなった。
参加者(敬称略)
青木康成・石川良一・尾ノ井光昭・加来健一郎・金谷勇作・川面忠男・川俣あけみ・菊澤光枝・小林勲・櫻井和子・佐藤喜昭・白鳥金丸・白井昭男・白石徹郎・竹内二郎・竹本春樹・田辺繁友・辻野多都子・中川邦雄・中西摩可比・長張紘一・浪久圭司・橋本 孜・浜松国雄・平松和己・福田 宏・福田かほる・星野英仁・又木淳一・水谷 求・湯浅芳衞・由井濱洋一・依田敬一(会員33名)
校友(2名)一般(8名)