第11回俳句同好会
2014年11月30日
俳句同好会11月例会は22日、多摩市・ベルブ永山4階の和室で行われ、7人が出席、2人が欠席投句した。例月通り各人の投句は当季雑詠句を3句、選句は5句。季節は冬に入っているが、晩秋の句も可とされた。
当日、最も得点が多かったのは、銀杏落つ百姓一揆見し大樹、という句。銀杏は「ぎんなん」で、百姓一揆は秩父困民党の乱とわかる。
こういう歴史の感じ方もあるかと共感されたものだが、大樹は徳川将軍の代名詞であり、それと百姓一揆の取り合わせが難という感想も。
次に得点が高かったのは、新走りまた口をつく加賀自慢、という句。新酒を飲むうれしさが伝わると共感する人がいた。
また、凩や茶房の窓の弥次郎兵衛、という句も4点を得たが、いかにも古い茶房がイメージされ、早稲田界隈の遠い昔の茶房を思い出させたようだ。
干柿や食えない男と言われおり、は二章一句と言う。干柿が表す一章、食えない男の一章がぶつかり合い、一つの俳句の世界を創る。
俳句同好会はベテランもいれば、初心者もいる稲門会のサークル。初心者にとっては俳句の技法を教えてもらう場でもある。
午後1時から5時までの4時間、投句された27句について吟味したが、以下の通り参加者7人が一押しとした句を特選句として◎で表記する。カッコ内は選句者名。
特選句
蟷螂や威嚇の斧を我も欲し 中川邦雄 (萩尾◎)
残照やムンクの叫ぶロスの秋 辻野多都子 川俣◎)
銀杏落つ百姓一揆見し大樹 萩尾昇平 (川面◎、川俣、長張、平松、中川)
足踏みて大地の背伸び霜柱 平松和己 (長張◎、川面)
胞(えな)衣塚の少し明かりて銀杏散る 川俣あけみ(中川◎、金子)
新走りまた口をつく加賀自慢 又木淳一 (平松◎、長張、川面、中川)
黄落のセドナの町の赤き岩 辻野多都子(金子◎、川俣)