新年初の俳句同好会
2015年01月18日
第13回俳句同好会は1月16日午後1時から多摩市桜ケ丘の集会所で行われた。7人が出席し、欠席者2人の投句も含めた27投句を選句した。披講を始める前にビールで乾杯、その後も飲みつつ合評し、新春ほろ酔い句会となった。
この日の最高得点句は、初日記症状欄を加へけり、で特選句にもなった。初日記を季語として詠まれた句は数限りないが、選句者たちは「症状欄を加へけり」という措辞を目にしたのは初めてという。「借り物の句ではない」と評された。
次に得点が多かったのは、朝の酔ひ醒ます色濃き葉葱汁、これも特選句となった。しかし、これには選句しなかった者から葉葱、葱汁は俳句歳時記に載っている季語だが、葉葱汁はそうではないとして問題視された。歳時記に載った季語を用いて俳句を作るべきだという意見に集約された。
特選句にはならなかったが、柝が入りて「女暫く」初芝居、はいかにも正月らしく粋な句であると3人が選んだ。選句した一人は、「久保田万太郎の俳句のように真似ができない」と述べた。
初芝居鬼女の吐く息ヒューと消え、も歌舞伎を題材にした俳句。能の黒塚を長唄による新舞踊劇にしたもので、演じる市川猿之助が仰向けにひっくり返って消える場面が見どころと作者が解説した。
午後5時過ぎに句会が終わったが、京王線聖蹟桜ヶ丘駅近くの店に移動、7時まで歓談を続けた。
披講の内容は以下の通り。カッコ内は選句者名。各人が5句を選び、そのうち最も佳いとする句を特選句とし、◎を付けて表した
特選句
初日記症状欄を加へけり 又木淳一(川俣◎、川面、辻野、中川、萩尾)
朝の酔ひ醒ます色濃き葉葱汁 川面忠男(平松◎、川俣、辻野、長張)
寒昴胸の深みへ髪の冷え 川俣あけみ(辻野◎、中川)
墨絵如古刹をつゝむ雪頻り 金子宏二(萩尾◎、平松)
蝋梅のひらけば光透きとおり 辻野多都子(長張◎、中川)
百姓に仕事百あり年新た 萩尾昇平 (中川◎)
三才に生きゐる吾や去年今年 又木淳一 (川面◎)