「14回俳句同好会」燃ゆ
2015年02月22日
現在はメンバーが9人という俳句同好会だが、2月18日に行われた句会の参加者は5人、いささか寂しかったが、欠席者4人も含めて9人が各3句を投句した。互選の披講後、遠慮のない合評で充実、「句会燃ゆ」、となった。
選句の途中で耳慣れない言葉、意味がわからない言葉について説明したが、これも同好会ならではのことであろう。
むしやしない寒ラーメンの細さかな、のむしやしないは漢字では「虫養い」の京ことば。鮟鱇のフンドシは漁師用語で鮟鱇の卵のことだ。
ひもすがら神話繙く建国日、という投句を預かった際、神話は日本史あるいは古代史のほうがよくはないか迷ったと言われた。合評で伝えると、神話と建国日はつきすぎ、立ち読みの古事記の漫画建国日ぐらいにしたほうがよいという意見も出された。
冬ざれて無人の鞦韆揺るるまま、という欠席投句は冬ざれが冬の季語、鞦韆がブランコで春の季語。これは季またがりといって禁じ手だという意見が出たが、そういう名句はいくらもあるという反論も。ちなみに、菜の花や月は東に日は西に、は蕪村の有名な句だが、菜の花が春、月が秋の句だ。季またがりは名のある俳人には許されるが、作者がどう思って作ったか、欠席したため聞けなかった。
報告俳句はよくないとされる。当日の投句の中では、症状の日々和らぎて日脚延ぶ、も報告句だが、「和らぎて」と続けず「和らぎけり」と切れば、報告句から脱却できるという。
寒柝の響きや一町鎮まりぬ、は2人が選句したが、どちらもベテランで「これは句のすがたがいい」などとほめた。
一方、手厳しく指摘された選外の句もある。赤帽の児らは知らずや落ち椿、の赤帽は赤帽子の園児ではなく駅のポーターと受け止められる。また園児が落ち椿の感慨をわからないのは当たり前だ、といった調子だ。これに限らず選に入らなかった残りの句についても一通り合評、それぞれ指摘された句の作者にはいい勉強になっただろう。
互選句の披講内容は以下の通り。カッコ内は選句者名。出席者各人が5句を選句、その中から特選句を1句選び、◎で表記した。