第16回俳句同好会
2015年04月19日
毎月第3金曜日を月例会日にしているのが俳句同好会。4月は17日午後1時から多摩市・関戸公民館8階和室で行った。出席者は5人。投句は1人が3句、またメンバーで当日欠席した4人も投句。合計27投句について出席者5人が選句、被講、合評で約3時間を過ごした。選句は5句で、そのうち最も佳いと思った句を1句挙げて特選句とした。
4月は桜を季語にした句が27投句のうち12句と多かった。
桜餅言葉納めて嫁姑、は5人のうち特選とした者をはじめ4人が選んだ。俳句は俳諧であり、俳諧には滑稽という要素もある。この句には、おかしさがあり、それが高得点につながったようだ。
この句の季語の桜餅は桜そのものではない。飛花散花遠きいくさの負の記憶、も特選句となったが、この花も桜そのものではない。飛花散花は特攻隊を意味している。
桜そのものを詠んで特選句となったのが、花の雨鎧ふことなき傘のうち。作者が傘を差しながら雨に濡れる桜を眺めている。その景は誰もが経験しているであろうが、「鎧ふことなき」という措辞を置いて情感を深めた。
人は心に鎧をまとい、自分を守ろうとするが、そうしたことも桜の前では忘れてしまっている。桜の美だけを眺めている。
合評ではルビについても話題になった。俳句ではルビはなるべく避けたいと言われる。花見酒ふと立ち止まる郷土(くに)訛り、の郷土を「くに」と読ませる場合はやはりルビが必要であろう。日溜りや階に蝶の息遣ひ、の階に「きざはし」とルビをつけるかどうか。ここはルビがなくても「きざはし」と読むべきだろう、それが結論だった。
句会が終わった後、いつもの通り場所を変えて懇談した。そこは京王線聖蹟桜ヶ丘駅前の蕎麦店だったが、大きな声でしゃべっていて店の人に注意された。「楽しいことはわかりますが、他にお客さんもいますから」。「すいません」と恐縮したが、それだけ盛り上がっていた証拠であろう。
当日の選句は以下の通り。(カッコ内は選句者名。特選句は◎で表記)