歓喜!08年秋以来の完全優勝(早慶二回戦観戦記)
2015年06月07日
今季の早慶戦は早稲田が1勝すれば優勝、連敗するとプレーオフと双方に優勝のチャンスがある状況で迎えました。しかも「ハンカチ以来パットしないわね、早稲田さん」と「ビリギャルって言葉がお似合いよ、慶應さん」と早慶のチアリーダーが厳しい視線を送り合う「早慶戦ポスター」がネットで評判となって、いやが上でも対決ムードで盛り上がり一回戦は観衆3万4千人の超満員になりました。昨年の早慶戦で敗れて優勝を逃がした屈辱のリベンジに燃える早稲田が大竹の三塁を踏ませない好投とチャンスを確実に生かした打線の活躍で4対0と完勝して見事に6季振りの優勝を果たしました。これで通算44回目の法政と並ぶリーグ最高記録になりました。(他校は明治37回、慶應34回、立教12回、東大0回です)
優勝は決まったものの連勝して08年秋以来の勝ち点5の完全優勝と表彰式の晴れ姿をシッカリと目に収めるべくオッカケたいは満を持して5月31日(日)二回戦に出動しました。メンバーは浅井さん、林さん、藤井(国)さん、松本さん、吉川さん、湯浅でした。集合時間を1時間繰り上げて10時に集まりましたが吉川さんが持参してくれた稲門会の幟が目立ったせいか大阪から駆けつけた早稲田のユニフォームを着用した早稲田大好きと言う近畿大学出身の40代の男性が寄って来て交流する楽しいハプニングもありました。集合時間を繰り上げたお陰で一般内野席の見易い場所を隣り合わせで確保しました。
先ず応援合戦を学生時代との思い出を重ね合わせながら楽しみました。一番の違いは女性の進出です。チアリーダーは勿論ですがブラスバンドも女子が目立ちしかも女性指揮者が見事にタクトを振るのですから正に隔世の感があります。彼女らの健気な活躍には素直に拍手を送りたいです。更にグリークラブ30人が「都の西北」と「紺碧の空」で力強い男性合唱を披露してくれました。慶應はコーラス部の合唱がなかったので早稲田の意気込みが勝っていると感じました。優勝の希望がなくなったせいか慶應側の観客の出足は鈍りがちでしたがそれでも試合開始前にはスタンドは一部空席が残るもののおよそ3万の大観衆となり、両校のエールの交換で否が応でも伝統の一戦の雰囲気が盛り上がりました。
試合前の両軍の打撃と守備練習をじっくりと観ましたが早稲田の方がひいき目
ではありますが溌剌としていて流石に優勝チームだなと思いました。
先発メンバーの発表がありましたが1番から8番までは負傷が癒えた茂木がスタメンに復帰してベストメンバーが揃った第2戦立大戦から全く同じで高橋監督のぶれない指導哲学が窺えました。
試合の行方を左右する鍵となる先発投手にルーキーの小島(おじま)の名が場内に告げられると満場から一際大きい拍手が起こりました。
13時にプレーボールが宣告されされました。我々の学生時代には試合開始の
サイレンと共に伝書鳩が放たれて一塁側か三塁側のどちらに飛び去るかで勝利が決まるとのまことしやかな言い伝えがあり、鳩の飛ぶ方向に一喜一憂の歓声を上げたものですが時代と共に姿を消してしまい一抹の淋しさを感じました。
試合は皆様ご存知の通り常に先手を取って7対2の快勝でした。
勝因の第一は小島が7回を6安打、11三振、2失点と好投したことです。流石に甲子園の優勝投手だけに新人らしからぬ落ち着いた度胸で緩急の差を上手く使いながら打者に真っ向勝負をして最速143キロの直球と緩いカーブを織りまぜて慶應打線を翻弄しました。ストレートには伸びがあり球速表示以上の威力があるので高めのボール球を振らせて三振を奪い、4~6回にかけて連続5三振の快投でした。
打線も11安打を放ち効率良く得点しました。先ず2回表2死2、3塁の場面で小島が叩きつけたバッティングで高いバウンドのセカンドゴロを打って内野安打にして三塁走者を迎え入れて1対0と先行して慶應の出鼻を挫きました。
その裏に慶應が1点を取り同点とされた直後の3回表の2死3塁で四番丸子が左前適時打で2対1としたのは流れを引き寄せる貴重な一打でした。この場面は慶應が左打者丸子の強打を警戒して内野の守備位置を右寄りにシフトして三塁手がショートの位置にいたので「三塁線に打て」と怒鳴ったのが聞こえたのか通常なら三塁手の定位置へ鋭いゴロを打ってヒットにしました。いたずらに引っ張らずに臨機応変なバッティングをした彼の能力の高さに感心しました。
5回にも四球を絡めて重信、中沢の単打に茂木の三塁打と快打を連ねて試合を決定づける3点を入れて5対2となり、応援席の「紺碧の空」の大合唱に合わせて我々も大声で歌いました。これで勝利により近づいたものの小島も流石に疲れたのか7回に1点を許して緊張が走りました。高橋監督はすかさず8回から下手投げの吉野を投入すると期待に応えて8回を三者凡退に抑えました。結果論ではありますがこの投手交代は絶妙なタイミングで誠に当を得たもので高橋監督の用兵の巧みさを見る思いがしました。
完全優勝を目前にして追加点の欲しい最終回の攻撃には優勝チームの勢いと点を取り切るしたたかさを感じました。先頭打者の一番重信が3本目のヒットで出塁し、俊足を生かしてこの日2個目の盗塁を決めると三番茂木が二塁打して重信が還り6点目、更に丸子の二ゴロで三塁に進塁した茂木が慶應投手の暴投で労せずに生還して7対2になりました。このダメ押しの2点で勝利を確信しました。9回裏は吉野が1安打を許したものの最後は遊ゴロ併殺打に打ち取りゲームセットになり、完全な勝ちパターンの展開で見事な勝利でした。
試合を総括すると投攻守全てで慶應を上回りました。守備でも早稲田は無失策に対して慶應は2失策でした。しかしスコア程の実力の差はなく秋には慶應も立直してくることは必至なので早稲田も兜の緒を締めて更に精進をして連覇を達成してもらいたいです。
これで昨年慶應に敗れて優勝を逃がした口惜しさを払拭出来ました。しかも早慶戦に連勝しての完全優勝ですから試合終了後の校歌斉唱は気分最高でした。
閉会式の選手入場を先導する各校チアリーダーの中では贔屓目なしに文句なく早稲田が容姿、スタイル共にNO.1と6人の意見が一致しました。早稲田女子の素晴らしさは昔も今も変わらないと再確認することが出来て嬉しい限りです。
式では早稲田河原主将に天皇杯が授与され、更に首位打者賞は丸子、最優秀防御率投手賞を大竹が受賞し、正に晴れがましくも早稲田一色の感でした。
式後の胴上げと記念撮影を久々にしっかりと目に焼き付けました。もっと若ければ学生と一緒に「早稲田の栄光」を歌ったり、優勝パレードにも参加するのですが矢張りそれは無理と衆議一決してライオンに向かいました。
祝優勝の乾杯のビールの美味しかったこと!夏日ですっかり日焼けした笑顔で試合の場面を何回も振り返りながら大盛り上がりでした。
今回は6人の少数精鋭でしたが秋にはもっと大人数でこの喜びを味わいたいと思います。早慶戦は早慶両校にのみに託された文化遺産ですから!!。