第20回俳句同好会
2015年08月23日
俳句同好会は8月22日午後1時30分から多摩市の関戸公民館8階・和室で第20回例会を行った。7人が参加、それぞれが3句投句し、5句を選んだ。また一人が欠席したが、投句と選句にはメール連絡で参加した。投句は合わせて24句となったが、19句が選ばれ、選外となったのはわずか5句。それだけ甲乙がつけがたく選句に迷う句会であったと言える。
彼の世といふ謎永久(とこしえ)に月涼し、は6人が選句、最高得点句となった。彼の世に行って戻ってきた人は誰もいないわけで、永遠の謎であるが、そういうことを思う心境が、月涼しの季語に合っている。
向日葵の的射る海の底の声、は作者が海辺で向日葵を見たのが句作の動機という。前書きが「敗戦忌に」となっていることから「海の底の声」は海に沈んだ戦艦「大和」か特攻機の英霊が想起される。英霊の声が「向日葵の的射る」というのはどういうことか。向日葵は女性、的はハートと受け取れば、女性が戦争の犠牲になった恋人を偲ぶ景が見えてこよう。
蝉しぐれわだつみの声遠くなり、も先の大戦で逝った人たちを思う句。
「拓魂」の碑文は褪せず終戦日、は開拓農民となって大陸に渡り、戦争の犠牲になった人たちを慰霊する碑を見ての句。この碑は、農民を指導育成し、開拓の父と呼ばれた加藤完治の揮毫。多摩市連光寺に碑(写真)が建てられている。
句会後に懇親会を行うのが常だが、当日は思わぬ展開になった。女性2人が男性3人を接待した。1人は体調がよく久しぶりに出席したことから快復祝い。2人目は毎回の会場を予約、3人目は連絡役、その慰労という名目であった。3人はいったん遠慮したが、たまにはいいだろうと結局はありがたく接待にあずかった。楽しい一夕となり、いい思い出ができた。
当日の互選句は以下の通り。カッコ内は選者名。◎が特選句。