第29回俳句同好会
2016年05月22日
多摩稲門会には早大出身でなくても会員になっていただく準会員制度がある。サークル「俳句同好会」の月例会が5月20日、多摩市永山の公民館・和室で行われたが、準会員の宮地麗子さんが初参加した。当日は10人が3句ずつ投句、合計30句の中から5句を選んだ(1人が欠席選句)。
大空をまつさらな風桐の花、は2人が特選句とし最も多い5点を得た。季語の桐の花が鮮やかに見え、季語が生きているなどと選句理由が述べられた。
「まっさら」を「まつさら」と表記したことについて質問が出たが、俳句は韻文であり、旧仮名遣いの促音の表記であると説明された。
特選句として1点を得たものの、石女の嫁御が妻にカーネーション、が問題句として俎上にのぼった。石女(うまずめ)は「子を生めない女」(広辞苑)という意味だが、差別用語であると批判された。これに対して作者は、嫁御は「嫁の尊敬語」(広辞苑)であり、決して冷たく見ているのではないと反論した。嫁御は将来、母の日にカーネーションをもらえない身でありながら義母にカーネーションを贈った、という哀感を詠んだ句である。
薫風やコーヒー香る武相荘、の原句は、薫風のカフェのコーヒー香りけり、であったが、言葉の重複感が句を駄目にしていると指摘された。町田市鶴川にある白洲次郎の旧邸、武相荘の屋外の光景だと釈明したところ、別の俳句会で添削指導者になっている川俣さんが武相荘を下5にして直されたものである。
句会は午後1時半から5時近くまで続いた。その後、7人が最寄りのそば酒房で懇談し俳句談義が続いた。
当日の披講では30投句のうち22句が選句された。結果は以下の通り(カッコ内は選句者名、特選句は◎で表記)。