第34回「歴史に遊ぶ会」鎌倉の寿福寺、英勝寺と旧山本丈太郎邸に行く
2016年09月11日
第34回「歴史に遊ぶ会」は9月10日、鎌倉散策と国登録の有形文化財となった旧山本丈太郎邸のイベント「湘南庭園文化祭」を楽しんだ。イベントの司会は鎌倉稲門会の稲田明子さんだが、多摩稲門会の参加者6人の1人、菊沢光江さんは早稲田大学の女性校友会「稲門女性ネットワーク」で稲田さんと役員同士の間柄ということもあり参加したという。
午前9時、小田急永山駅前に集合、10時半過ぎに鎌倉駅に到着。扇ヶ谷にある鎌倉五山第3位の寿福寺に向かった。「歴史に遊ぶ会」はこの6月末に五山の円覚寺、浄智寺、建長寺を訪れており、これで未訪問は浄妙寺だけとなった。
寿福寺の裏の墓地には俳人の高浜虚子、鎌倉幕府第3代将軍・源実朝が眠っており、これらの墓にも詣でた。
英勝寺は鎌倉唯一の尼寺で大田道灌が生まれ育った屋敷の跡に建っている。道灌の子孫で徳川家康の側室だった英勝院の開基。英勝院は水戸徳川家の藩主の養母になったり3代将軍家光の将軍襲職にも協力したりしたことから家光から英勝寺の用地を賜り、住持となった。
寿福寺、英勝寺訪問が午前の部。鎌倉駅近くで旨い手打ちそばを食べた後、江ノ電で長谷へ。午後の部の旧山本丈太郎邸は長谷観音に近い。山本丈太郎は大正、昭和の政治家。旧邸は関東大震災にも耐えた。その後、所有者は九鬼家から神霊教に移り、現在は霊源閣と呼ばれ、築当時のまま保存されている。
邸内を見学した後、東海大学建築学科教授・小沢朝江さんらの解説を聞いた。小沢さんの解説は1時間近いものだったが、まとめれば以下のような内容だ。
「山本丈太郎と同じ空間を経験できるのは稀有なこと。設計者が表千家の技法を活かした数寄屋造りで仕上げがいい。伝統的でありながら近代ならではの材料を使いこなしている」。
この後、東京芸大出身の馬場信子さんの琴の演奏を聴いた。曲目に「春の海」があったが、庭の樹間から由比ガ浜の秋の海が見えた。