第53回俳句同好会
2018年05月20日
特徴のある句会となった。サークル「俳句同好会」の第53回目で、5月18日午後1時30分から多摩市・永山公民館和室で開かれた。最高得点句の<はんなりとてまりのなりのぼたんかな>は17音を平仮名にしてやわらかい感じを出し、京都の女性の姿を連想させて成功した。
また<山葵田をあふれきし水和紙の里>、<雨あとの夕日あまねし梨の花>、<会津嶺の虹は薄れずくぐり得ず>の3句は作者が福島を訪れて作ったもの。自然賛歌の背景に東北の復興を願う気持ちが込められている。
同様に<薩摩琵琶大夫の笛に落花舞ふ>、<極楽寺一絃琴に風光る>は鎌倉の極楽寺で催された「薩摩琵琶と一絃琴の演奏会」を聴いて作った句である。
今回も川俣さんの添削で整う句が少なくなかった。一例を挙げれば、<若葉風樵路の標新しき>で、原句は<樵路にも新標識や若葉風>だが、<標識>が「標」となり、<新>は<新しき>となり、韻文の効果によって詩情が高まった。
披講の結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選句は◎で表記)