第56回俳句同好会
2018年08月19日
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の8月例会が17日午後1時半から4時まで多摩市の永山公民館で開かれ、8人が投句、7人が選句した。今回が第56回目。合評の合間に朝日新聞俳壇(7月29日付け)の長谷川櫂選第二席になった句が話題になった。発足時からのメンバー、又木淳一さんの〈すだ椎の大ふところに涼みゐる>、椎に「じい」とルビを振った句。「サークル活動の成果」として御同慶の至りというわけだ。
この日の高得点句、〈夏の月けふの余白のしづけさに〉は〈けふの余白の〉という措辞に味わい深いものがあるという評。秋、冬、春の月ではなく〈夏の月〉が〈しづけさに〉と合い、作者の心情をよく伝えているというものだ。
次の〈亡き人の目覚まし鳴りて半夏生〉も〈目覚まし鳴りて〉がいいという評。死者が合図したような場面。半夏生には「物忌みをする風習があった」(広辞苑)。その日、作者は故人のために行う何かをしたであろうと想像させる。あの世とこの世の交流を伝える句だ。
〈炎帝に人見御供の如きなり〉は〈人身御供の〉という発想がいいという評。
〈夏帽や走り根踏む人超ゆる人〉は〈走り根踏む人〉が8音だが、全体のリズムがいいという評だ。
選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名。特選句は◎で表記。