吟行の「からきだの道」
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の7人が6月9日午後、「からきだの道」を歩いた。「からきだの道」は多摩市唐木田の丘陵地が散策路として開発されたもの。俳句同好会としては活動を開始して以来、初の吟行ともなった。
同日午後2時前に唐木田駅前に集合し、循環バスに乗って土橋公園で下車、「からきだの道」の西端入り口へ。「からきだ百本シダレ」という枝垂れ桜の名所から階段を上り尾根径に出た。標高が160㍍で最高地点という標識を見てから砦山という四阿のある場所に立った。
同行の又木さんが参加者に事前に配った「からきだの散策ガイド」という資料によると、砦山は「唯一富士山が見える地点」だ。南側の展望も開け、市街地の向こうに「多摩よこやまの道」、さらには奥州古道、武相観音巡礼古道もイメージできる。
その先は上り下りを繰り返す階段の道になる。足が重いが、季節の花のアジサイに目を癒しながら進む。少し休むと藪蚊が襲う。再び歩き出しても蚊がまとわりつく。
山道を歩いている気分になるが、左の石の塀の向こうはゴルフ場の府中カントリークラブだ。ゴルフの球を打つ音が聞こえてくる。右側には道路が見え、その向こうに住宅地が広がっている。
「おしゃもじの森」という案内板のある箇所に立った。読んでみると要するに昔は祠があり、しゃもじを供えて祈ると病気が治ったことから「おしゃもじ様」と呼ばれることになったとある。その先の「寺ノ入の湧水」という小さな池では自然の湧水の音がしたが、一部は乾いている。やがて「からきだの道入り口広場」に出た。反対側の入り口からアクセスしたので入り口広場が出口になる。
最寄りのバス停から唐木田駅へ戻り、6人が小田急多摩線で多摩センターへ。午後4時頃だが、開いている店を探し、生ビールで乾杯、懇親した。
吟行は出発した時点からの景を詠む。嘱目句とも言う。いくつも句ができた人もいれば、そうでない人も。どんな句が選ばれるか。それはほぼ1週間後の17日に開かれる俳句同好会でわかる。
(文責・川面)