第133回俳句同好会
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の句会が1月17日、多摩市の関戸公民館和室で開かれた。月に1回の句会、立ち上げてから12年目に入った。当日は兼題が「寒紅」と「新年一切」、つまり新年の季語であれば何でもよいというわけだ。メンバーの一人が欠席したもの投句はしたので9人が5句ずつ、45句が揃い、8人が5句ずつ選句した。
まだ松の内の気分が残っているせいか、寿ぐ句が多い。その最たる句が〈今ここに昭和百年千代の春〉であろう。昭和から数えて今年が100年、今でしか作ることができない句だ。
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選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者、特選は◎で表記した。
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寒紅濃く心鎧いて出づるかな――川俣あけみ(松井◎、宮地◎、川面)
大小の靴並びたる松の内――長張紘一(又木◎、白井、松井、宮地)
肩越しに拝める幸や初日の出―――又木淳一(川面◎、長張)
二十四時零時と呼べば日の始―――又木淳一(川俣◎)
指先に負けん気満つる歌留多会―――川俣あけみ(富山◎)
手毬うた軒端に母を待ちし日の―――川俣あけみ(川面、白井、又木、宮地)
寒紅や母の遺品の一つとて―――又木淳一(川俣、白井、宮地)
凍雲は獣めきたり夕茜 ―――辻野多都子(川面、富山、松井)
出来る事の減りてゆくなり寒満月―――宮治麗子(川俣、富山、長張)
三叉路の寒紅させる六地蔵―――長張紘一(川面、白井)
寒紅をほどきてよりの京言葉―――松井秋尚(又木、宮地)
伸びつづく飛行機雲に淑気満つ―――長張紘一(松井)
寒星や丹田に浸む髪の冷え―――川俣あけみ(富山)
今ここに昭和百年千代の春―――又木淳一(川俣)
日が当たり山茶花の咲く垣根かな―――白井昭男(長張)
正月の凧持つ父やわれ走る―――宮地麗子(白井)
天声人語書写音読の五日かな―――又木淳一(川俣)
寒紅の才女の明かす密か事―――川面忠男(又木)
裸木や鳥の群れ来る風無き日―――宮地麗子(松井)
少しづつ買置き足して年用意―――長張紘一(富山)
寒紅をさして気分は大人なり―――白井昭男(長張)
(文責・川面)