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第143回俳句同好会

2025年11月23日

多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の第143回目の句会が11月21日午後、多摩市関戸の公民館和室で開かれた。メンバー10人のうち当日は3人が欠席したものの投句には参加、50句が揃った。そして出席した7人が特選1句を含む5句の選句を行った。

投句は兼題の「小春」と「山茶花」、残りは当季雑詠句で合わせて5句。熊の出没を詠んだ時事俳句から玉響(たまゆら)、つまり短い恋のはかなさを詠んで万葉集を想起するような句まで多彩で50句のうち半分が選句された。

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選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選は◎で表記)。

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我が細き影と連れ立つ小春かな―松井秋尚(富山◎、辻野、宮地)

急行の揺れに凭れて小六月―――松井秋尚(又木◎)

落葉鳴るリズムゆつくり我が足音―――川面忠男(長張◎)

帰り花ひとつ拾ひて今日よき日―――富山珠恵(宮地◎)

山茶花の紅玉響の恋にゆれ―――辻野多都子(川面◎)

小春日や新しい靴履いてみる―――白井昭男(辻野、富山)

再会期す同窓会や冬紅葉―――川俣あけみ(白井、長張)

今日またも熊撃ちの報木守柿―――川俣あけみ(辻野、又木)

短日やペーパーレスてふ難しき世―――川俣あけみ(富山、又木)

咲き始む山茶花の早散る構え―――松井秋尚(長張、又木)

山茶花の垣に添ひ来て能舞台    ―――川俣あけみ(富山、宮地)

小春日や些細な事は目をつむり―――宮地麗子(白井、長張)

山茶花の咲いて散ること知らぬ気に―――川面忠男(長張)

吊橋の真中の嬌声冬日和―――宮地麗子(富山)

片道の切符を買ひて小春旅―――澤本登代子(宮地)

婚約は遠き日のこと小春の日    ―――富山珠恵(又木)

並ぶ部屋迷路に漏るる秋の歌詞―――長張紘一(辻野)

山茶花の生垣めぐる一日かな―――又木淳一(宮地)

江の島の鳶と目の合ふ冬日影―――宮地麗子(川面)

小春日やもう戦争はやめませう―――又木淳一(白井)

孫に似た店主に頼む温め酒―――長張紘一(辻野)

鬼女となる気力も失せぬ夕紅葉―――辻野多都子(川面)

山茶花や児が駆けてゆく帰り道―――富山珠恵(白井)

庭いぢり背なの心地の小春かな―――長張紘一(川面)

冬蝶に招かれ友は終の居へ―――辻野多都子(白井)

寂聴に杏子も泉下石蕗の花―――又木淳一(川面)

(文責・川面)

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