早慶ラグビー:ロスタイムのサヨナラ逆転ペナルティーゴール
2015年11月29日
11月23日の伝統の早慶ラグビー戦は例年好天に恵まれるのですが今回は肌寒い雨模様だった。しかしこの試合からW杯で活躍した藤田選手が登場することから関心が高く観客の入りも多いと予測されたので我々は試合開始1時間30分前にラグビー場前に集合した。メンバーは吉川さん、松戸の校友でオッカケたい常連の杉川さん、湯浅の3人で、雨を避ける為に屋根のある南側のゴール裏一般席の中央辺りに座ることが出来た。この席は両軍の陣形がはっきり分る上にゴールライン間際の攻防が手にとるように見える絶好の位置なので1時過ぎから雨が本格的になった為に満席になった。お陰でノーサイド直前の早稲田の逆転劇を手に取るように堪能できて大満足した。
試合は慶應のキックオフボールを早稲田がキャッチミスしたのを慶應がつないで開始2分後にノーホイッスルトライした。慶應主将SO矢川のゴール直前右隅への正確なキックとそれに呼応した右ウイングの連携は見事で、しかも難しい位置からのコンバージョンキックも決まり開始早々0対7なった。
しかしながら早稲田としては絶対やってはいけない試合入りでの凡ミスとあっさりしたディフェンスはチームの未熟を露呈したものでこれからの早明戦、大学選手権に向けて絶対に修正しなければならない。試合は早稲田がFWの優位を生かして攻め入りトライ直前になりながらつまらないパスミス、落球、反則を繰り返してトライできない。イライラが募ったやっと25分に敵陣ゴール前スクラムを押し込んでのスクラムトライはチームに勢いを与えることに繋がるので率直にほめたい。トライ後のコンバージョンキックは入れ頃外し頃の位置であったが外してスコアは5対7となった。
ゴール失敗を見た慶應応援席から一斉に拍手が起こったのには正直「慶應!お前もか!!」と思った。早慶戦ではあってはならないシーンであり、ガッカリした。明治は早稲田がゴールを狙う場面で「外せコール」をよくするので程度の低さを私は馬鹿にしていた。早稲田はこのような事は絶対にして欲しくない。
前半終了直前に早稲田の横山が45Mの長いPGを決めて15対14と逆転したのは素晴らしかった。大試合になるほどキックの巧拙は試合結果を左右する。
後半は慶應に淡白なディフェンスを突かれて3トライを立て続けに許して残り9分で22対31とリードされてもう駄目かと覚悟した。しかし早稲田はここから反撃して1トライ1ゴールで2点差にして、更に自陣からのアタックによりロスタイムに相手のオフサイドの反則を誘ってのPGを決めて32対31と劇的な逆転勝利となった。この場面はW杯の南アフリカ戦で見せた逆転場面を彷彿させるノーミスの見事な連続10回に亘るモール・ラック支配とパス攻撃が実ったもので早稲田ラグビーの真髄を見せてくれた。
この試合で横山は6本中5本のキックを決めたのに対して慶應は4本中2本を外した。もし慶應があと1本キックを成功させていれば試合は1点差で慶應の勝ちだったので私的にはマンオブザマッチには横山を推す。
藤田は流石に学生の中では抜群の強さと突破力を見せたもののチームに合流してから日の浅いこともあってか周りのプレーヤ-との連携がイマイチで直接にはトライに結びつかなかった。しかし今後の戦いでは間違いなく得点力アップが期待出来るので早明戦と大学選手権が楽しみだ。
勝ったから良いようなものの素人目に見ても攻めてはトライ寸前でのミスと反則で決めきれない場面が多いのと守備面ではファーストタックルミス、マークのずれ、ポジショニングのまずさなど課題山積なので是非改善して欲しい。
試合後は体調を考慮してノンアルコールでとラグビー場近くの喫茶店で試合の総括と今後の戦い方に止まらずに来年の有力新入生情報やストップ帝京大の抜本対策等々2時間近く甲論乙駁の意見交換を楽しんで「勝って良かった」と 勝利の余韻に満足して帰路に着いた。