「荒ぶる・早大ラグビー部OB 炎の必殺タックラー 有田幸平氏講演会」
新企画による多摩稲門会主催の特別企画・スポーツトークが、10月22日(土)多摩・聖蹟桜ヶ丘駅近くの“京王クラブ”で開催され、多摩稲門会24人、杉並稲門会4人、ラグビーに縁のある方及びラグビー愛好家など合計37人の参加を得て盛大に行われた。
多摩稲門会の「早稲スポ・オッカケたい」と密に交流を重ねている杉並稲門会の「スポーツ観戦の会」の会員の方々が駆けつけてこの会を大いに盛り上げていただいた事に感謝の意を表明申しあげ、また寺沢多摩市ラグビー協会々長(寺沢会員の令弟)やS35年度早大ラグビー部の監督を務められた故日置寧二氏令嬢の川音宣子様などにご参加いただき意義を深めた。
午後2時吉川司会役の笛で“キックオフ”となり、佐藤会長の代行で湯浅副会長 (早稲スポ・オッカケたい世話人)が、大変的確に有田氏の現役時代の早稲田ラグビー部の輝かしい成績と同氏の横顔、活躍を紹介しながら開会の辞を述べた。引き続き藤井会員より有田氏の経歴や人間性、魅力など、講演内容を充分補完できるよう紹介を行った。
現在三井住友銀行勤務の行員でもある有田氏は、巨漢の相手フォワードを強烈なタックルで一発で仕留めた。重厚で強靭な体格を全くイメージできないほどスマートで知性と清潔感漂う正にエリートバンカーに変身した姿で演壇から、ラグビーにかけた強い情熱と厳しい練習を熱く語り、参加者に大きな感動を与えて呉れた。
幼少から中・高そして早大時代、両親・恩師・監督・先輩や同期の戦友たちから交流を通して多くの薫陶を得たことが、早大ラグビー選手として最強の背番号6のブラインドフランカーとなり、“炎の必殺タックラー”の異名を得たことを力強く語っていた。
特に記虎監督(啓光学園時代)と早大時代の清宮・中竹両監督から厳しい指導と練習をうけたこと、強い意志と賢明な発想をもって戦うことの重要性を学び、三監督の指導方針である合理的考察と大局的判断の大切さを学び吸収したことなど、全て社会人としても役立っていることが強調され、大変印象的であった。
有田氏が今も座右の銘として大切にしている「戮(りく)力一心」は記虎監督からの教えによるもので、文武両道での成長を目指す同氏の指針となると確信した。
約45分間質疑応答が行われ、多摩稲門会、杉並稲門会そして一般のラグビー愛好者から各種の数字や過去の名勝負での試合振り、活躍選手の特徴など、鋭く厳しい然し愛情溢れた質問や激励が行われ、有田氏も時にはタジタジとなりながらも適切な説明や解説をしてくれた。
45分間はアッと言う間に終了し、多くの未発言の参加者には4時からの懇親パーティーで大いに発言戴く事とし、依田副会長より有田氏への講演に対する謝辞と今後の更なる活躍を期待する旨の閉会の辞が述べられ、“ノーサイド”の笛が再び吹かれ講演会の部を一端終了し、懇親会場に席を移した。
平松副幹事長の司会により、懇親会が始められた。冒頭に按田会員の音頭による乾杯が行われた後、賑やかに献杯が交わされ、和やかな会話で賑わった。
司会者のスムースな進行により、有田氏への質問、アドバイスや檄などの声が続出し、懇親会は最高に盛り上がった。会の終盤では、早大ラグビーの未来に向けての問題指摘や改善・強化策の提言など相次ぎ更に最高潮となった。又、早大ラグビー部の傑出した名スクラムハーフで、日本代表チームの中心選手としては勿論、日本代表監督として卓抜な指導力で日本ラグビーの名を世界に広めた故宿沢氏が話題となり、彼の部下として仕えた藤井三井住友銀行副部長(筆者の愚息で現在有田氏の上司)から業務を通してのエピソードや裏話が紹介されるとともにメガバンクでも優秀な経営者として最高幹部の地位に登りつめられた稀有な逸材の方であったことが紹介され、後年入行した桑江選手や仲山選手そして有田氏などの後輩に対し、よき励みとなっていることが語られた。
佳境に達したところで、吉川会員より、突如、早大ラグビー部が日本一になった勝利の時にのみ歌うことが許される「荒ぶる」を歌って欲しいと有田氏にスペシャルリクエストがされ、同氏は快諾、威風堂々と歌い上げ、満場やんやの喝采をもらった。
何時終了するとも思えない宴、久しく浸ることの出来なかった青春のムードと有田氏の爽やかながらも逞しい若者に将来を託せることの期待感に満たされた参加者は、非情なる?進行係の“STOP”の声に、些か惜別の念を抱きつつ、恒例の“都の西北・・・”の大合唱を有田氏を中心にシッカリと肩を組み、何時もより遥かに大きな声で3番まで見事歌いきり、“フレー!フレー!フレー!早稲田、早稲田&稲門会、稲門会!”の三拍子で締めくくられた。
今回の企画は、これまでの文化フォーラムと異なり、スポーツを題材にした“静”に対し“動”的色彩が強く、それなりに趣きのある内容とすることが出来た様に思える。
今、多摩稲門会が直面している活性化対策の一つに会員増強活動の強化があり、その一環として、このようなイベントを活用できると確信した。
因みに今回講師の有田氏に多摩稲門会々員に加入してもらったのは、本当に意義ある事と受け止め、今後その波及的効果につなげることが期待され、第二弾、三弾の企画の実現に向けて各位と注力してゆきたい。
藤井 記