2016.6(第158回)御岳奥の院
2016年06月19日
前日は一日中雨が降り、東北・北陸地方も梅雨に入った。6月14日の「山歩きの会」は、天気を心配したが梅雨の合間の晴日となった。参加者は櫻井和子さん、中西摩可比さん、長張を含め3名の少数である。
11時15分発のケーブルカーは空いていたが、欧米系の外国人観光客が散見される。
武蔵御嶽神社の社殿は家康が改築し、江戸の西の護りとして、またその後綱吉が再改築し、狼信仰の社で「おいぬ様」と崇められているため、飼い犬のケーブルの同乗は許可されている。道中もしばしば飼い犬を連れたハイカーと出会った。
標高差400mを一気に登り、下界とは違う800mの涼しい空気が広がる。展望台から靄の中にスカイツリーを確認した後11時半徒歩開始。
天空の町の石垣には、ユキノシタの花が一面に咲いている。ここは草取りをしている住民や、宅配便の車が行き交う田舎の町である。参道の両側にある商店街を過ぎると鳥居前広場に出る。神社に上る階段を避けて女坂を登る。中頃から階段の反対側に渡り神社から離れ、天狗の腰掛杉を目指す。前日の雨で洗われ、緑の茂った清々しい幅広い道を進んで行く。
天狗の腰掛杉から道が分岐し、鳥居をくぐり奥の院に向かう。天狗の腰掛杉は高尾山にも同じ名前の大樹が存在しているが、道は大樹の裏側に回り間近に見ることができる。近くからは高さは実感できないが、多摩市の里山からも双眼鏡で確認することができる。
12時を少し過ぎ、昼食の時間となってきたが先に進む。登り始めは緩やかな道が続くが次第に急坂となり、杉のむき出しになった根を跨ぎながらひたすら登って行く。奥の院は、御岳山と大岳山の間のつんと尖った1077mの山頂の直下にある。奥の院の男具那社の裏手に回り、険しい登りの先が山頂である。
山頂は険しかった登りに比べて比較的に広く平らな場所であった。1時を少し過ぎて昼食をとる。僕ら以外の登山者のない静かな山頂は、樹木に覆われ視界はきかない。山頂の隅に二級基準点の標識が埋められていた。また、一方の隅には小さな祠があった。昼食の後同じ道を下山開始。
今回のルートに一か所だけ鎖場があった。濡れた岩場をわたるには安心できる。
途中、ほら貝を吹かしながら3人の修験僧に出会った。ほら貝はそれぞれに首から吊るされているが、大変高価なものであるらしい。1人は山伏姿ではあるが、あと2人は強靭とは云えない体躯の普通の若者であった。長尾平で一休みしていると、下の七代の滝方面から汗を流しながら登ってくる若い男女等が行き交い、いくつかのベンチで小休憩をとっていた。
櫻井さんは風邪が治ったばかりの病み上がり。ここからケーブルカーを利用して下山することになっている。途中の御岳神社の町場通りで土産を買うため、参道の店の前で僕らと行動を別にした。
ケーブルの駅前の御岳平を足早に過ぎ、園地の北側を回り、大塚山の巻き道に入り古里駅を目指す。