2019.3(第183回)カタクリの花観察
2019年03月31日
3月25日例会は、通常の第2火曜日から第4月曜日となった。これは、カタクリの開花に合わせたためである。多摩丘陵にはカタクリの群生地が幾つか残っている。都立長沼公園内には何か所かに見られる。京王線長沼駅に12時30分集合。高架駅より南の長沼公園に真っすぐ徒歩。
今日のメンバーは辻野さん、川俣さん、宮地さん、小林さん、鈴木さん、川面さん、青木さん、林さん、又木さん、浅井さん、長張の11名となった。宮地さんは初参加となる。長沼駅はローカルの駅にしては立派な駅である。真っすぐ公園を目指し、入口の手前で左折し、裾に沿った路を暫く進み公園の駐車場に出た。
駐車場の上に墓があり、その上部にカタクリの群生地がある。群生地は一昨日都の観察会が開催され、一週間は開放されることで僕ら以外にも何人かの人が訪れていた。この日のためにボランティア団体は、斜面の保全活動を行っている。
落葉樹の林下の斜面は、今の時期には陽射しが入り込む。半月もしないうちに樹木の若葉が茂り陽射しは無くなる。同時にカタクリの葉も無くなり、他の野草に変わっていく。カタクリはこの一瞬の時期に、葉や花そして受粉して種を作り、後は静かに地中で暑さを凌ぎ来年の春を待つ。このサイクルで氷河期以前から永遠と、この場所で生息していた。ナガバノスミレサイシンも所々に、僕らはカタクリの花や葉を十分に観察した後、別の群生地に寄って見た。
公園の際の境界に路があるが、入り難く人数も多い事で大回りする。ここは、民地から都に地権者が移り、公園に取り込んだ場所であるが、車道から直接カタクリの群生が見られる場所である。
僕らは、長沼公園から次のカタクリ群生地に向かうため、長沼駅に向かう。長沼駅から2つ目の駅の京王片倉駅で下車し、国道16号線に沿って片倉城跡公園に入る。
この公園は良く管理された公園で、数々の草花が間近に見る事ができる。カタクリは今が最盛期で園内のいたる所に見られる。群生地である場所はすり鉢状の地形で斜面をカタクリが覆っている。今年は圧倒されるほどの開花ではないが、見渡せる斜面の広がる景に、しばらくの間鑑賞していた。この斜面のカタクリの後は、1ヶ月もすれば、ヤマブキソウの黄色の花で覆われ、その後、キツネノカミソリと次々に主役が入れ代わり、季節の移り替わりを体感できる場所でもある。
園内の高台の休憩広場でくつろいだ。風もない午後居心地の良い休憩所で、梢をとおして八王子駅方面の街並みが広がる所である。園内にはカタクリの花以外にもシュンラン、ミスミソウ、セントウソウ、ヒトリシズカ、ニリンソウ、タチツボスミレなど。早春の花に感動していた。
下向きの花のカタクリは地表すれすれから撮ると花びらの奥まで写すことができるが、石垣の上の斜面にあるカタクリは難なく撮ることができる。4月に入れば花は散り、種が膨らみ葉は解けてなくなり、地面は他の野草に覆われ、跡形もなく視界からなくなり、別の野草に譲り渡すことになる。