2011.12(第127回) 八王子城山
先月の山歩きは天候不良のため中止された。12月は例年高尾山近辺のシモバシラの花を見る会となっているが、今年のコースは何時もとは少し変えて八王子城跡を選んだ。高尾山があまりにも有名となっているものの、八王子城跡は訪れる人は少ない。交通の便が悪いことも起因している
JR高尾駅北口に10時集合して徒歩開始した。多摩森林科学園と武蔵稜墓地の間の道を暫く上る。更に進み中央高速道路の下を過ぎると左折して真っ直ぐ城山に向かう。大きな車両が通る道から離れ、真っ青な空の下でのハイキング気分となってきた。今日のコースは軽いハイキングコースで時間の余裕がある。途中コースを外れ右折し丘陵を上り北条氏照と家臣の墓に寄ってみた。取り立てる程の場所ではないが、都教育委員会の案内板が立っていた。記述の一部「氏照は小田原で自殺した」との記述を切腹と落書きのように書かれていた。
今年の夏は震災後の節電のせいか、例年より暑く感じられた。その反動か冬の寒さは応える。今日のコースのメンバーは、櫻井和子さん・川面忠雄さん・平松和巳さん・金子宏二さん・長張紘一の5名である。
目の前には八王子城山が雲一つない青空に構えている。八王子城跡は日本100名城のひとつであり、東京には江戸城と合わせて2つ認定されている名城である。この城は小田原城を本拠とした北条氏最大の支城で、1582年頃北条氏康の次男氏照を城主として築城したが、豊臣秀吉方の前田利家・上杉景虎軍に攻められ一日で落城した。
八王子城跡管理事務所には数人のボランティアのガイドが接していた。僕らは御主殿跡の見学をやめ、城山山頂を目指した。
尾根には敵からの侵入を防ぐための、ひな壇状に平らに造成した場所が続いている。そこには梅や椿の樹木の中に紅葉も覆い茂っている。
急な石段を上り金子曲輪で一休みしていると男女の団体が過ぎていった。人の少ない山道ではあるが、降りてくる人達もちらほら見受けられる。
小宮曲輪を過ぎると樹木がなくなったビューポイントに出る。冬の乾燥した空気は澄み武蔵の国が見渡せる。中央に八王子駅南の高層ビルを見下ろし、その左上に新宿副都心その左にスカイツリーの眺望が広がっている。また、筑波山・横浜のビル群等、それぞれ眺望を楽しんでいる。
八王子神社に着き、更に城山の山頂に達した。城の中心である本丸跡は標高445mで平らな狭い場所であったが、周りには樹木が大きく茂り見通しはきかない。風はないが気温は低く食事場所には適しなかったので、神社まで下り見晴らしの良いベンチがある広場で食事をとり、紅葉の大木の前で全員の記念写真を撮った。僕ら以外には2人程の静かな広場であった。神社には根回り5m以上の杉の大木が数本立っているが、この杉木立は高尾駅からも良く見える。広場での眺めを堪能した後元の道を下る。分岐点まで下り旧道に入り、真っ直ぐ北に下る。勾配は徐々に緩やかになり杉林の薄暗い中を下って行く。色々なシダ類が繁茂し、またフユイチゴが群生し、所々に赤い実を付けている。熟した実は甘酸っぱく野性の味がする。
松竹バス停留所は日当たりの良い陣馬街道沿いにある。1時間一本の本数で運行され、予定した前の1時58分のバスに乗り、一同京王クラブに向かった。
京王クラブでの懇親会は4時から開催された。佐藤達雄会長・湯浅芳衛さん・宇田川登さん・福田宏・かほる御夫妻・金子暎子夫人・浅井隆夫さんが参加され今年最後の懇親忘年会となった。湯浅さんが持参した10年前の忘年会の様子をA4紙にまとめた写真を回覧されていた。今日の会も10年後のためにそれぞれの参加者のスナップを撮り記録して残した。
歓談は尽きる事がなかったが、半時間程超過してお開きとなり今年の山歩きも終わった。 長張 記