2010.12(第118回) 陣馬山
今年も10日余となった。今年を表す漢字は「暑」と決まった。夏の長い暑さは熱帯の国の暑さであった。しかし、数ヶ月経つと寒さが戻り、過っての猛暑も忘れ去ってしまう。
年の最後の「山歩きの会」はシモバシラの華を見る会となっている。シモバシラはシソ科の山野草の名前である。毎年秋には、茎の先に小さな花の群れが一方に向いて咲く。冬になると枯れた茎の根元から、余った水分が氷の結晶としてのびて芸術的な形となる。風などの気象条件が良ければ鑑賞できるはずである。
年末のA・Bコースは同じ日に開催される。Aコースのメンバーは中川さん・宇田川さん・白井さん・上杉さん・浅井さん・長張の6名となった。
また、Bコースの「山歩き」は、小仏登山口から小仏峠経由城山から一丁平、高尾山のコースで金子さんが引率され、櫻井さん・川面さん3名となった。両コースとも山歩き後は一同集まり忘年会となるが、忘年会のみ参加のCコースも合わせ懇親の場を持つことも恒例となっている。
霊峰富士は両コースからも展望できたのだが、宇田川さんに云わせれば両手に広がるほどの富士の眺望以外は魅力を感じないとのこと。
Aコースは高尾駅を9時少し過ぎに発車し、まもなく藤野駅に着く。ここで山中湖畔に住居を移した宇田川さんと、先着の中川さんと合流し全員揃うことになった。30分ほどで陣馬山登山口。ここからの登山ルートは幾つかあり、今日は栃谷尾根から登る。車道をそれ南斜面の長閑な小春の山歩きとなる。このルートは以前、影信山から城山・高尾山の縦走コースの初っ端で、陣馬山からこのルートに入ってしまった。大分下ってから気がつき引き返した経験があり、メンバーに大変ご迷惑を懸けてしまったルートである。このルートの陣馬山直下の最後の上りは苦しかった。
この急峻を無理すると足腰を壊すほどで慎重を要するところでもある。このルートの他のハイカーは少なかったが、陣馬山頂は大勢のハイカーで賑わっていた。日の当たる山頂のベンチを借りて昼食をとった。
1時からの下山となり忘年会へ急ぐため計画していた底沢峠からの下山から、最短で陣馬高原下バス停に行くコースに変更し、しかも山道コースと車道を下るコース2班に分けての下山となった。
南斜面の暖かい登りと比較して、北斜面の下りは寒かったが、気温は10°前後でこの時期では温かく、ここでもシモバシラの華は見られなかった。初めての浅井さんには残念であったが、次の機会に見てもらおう。
白井さんと私2人は和田峠まで下りた。峠の茶店の甘酒で冷えた体を温めた。峠のベンチに数人の外人が会話していた。彼らは自転車に乗り醍醐林道に消えていった。大きく迂回して夕焼け小焼けに行ける。車止めがあり車が入ることはできないが、始めて知った道である。峠の駐車場には複数台の車がとまっている。高校生と見られる生徒も大勢見られた。将来の我々の仲間になる人材である。
陣馬高原下への整備された林道をお喋りしながら気楽に下って行く。中川さんから云われたように前から後から狭い車道を車が通り、その都度脇に寄ってやり過ごす。
別ルートで下った宇田川さんから携帯に連絡が入った。陣馬高原下で予定のバスの前の臨時バスに乗り込んだとのことで、あわてて走り出し予定していた時刻前の直行臨時バスで再び合流することができた。バスに揺られ全員心地良い居眠りに入ってしまった。Cコースには、甲野さん・佐藤会長・新井さん・辻野さん・湯浅さん・青木さん・依田さん・石井さん・稲垣さんを合わせて、4時から京王クラブで17名の忘年懇親会が始まった。また、近所でクリスマスパーティーを開催している遠藤さんも顔を出し、甲野大先輩から、早稲田大学はケンブリッジ・オックスホードに並ぶレベルを確立すべく大学の教授陣の一層の研鑽努力を願いたいとのお話があった。山の会も16年を越え、118回目となった。メンバーの顔ぶれも徐々に変わってきている。 長張 記