2009.07(第105回) 三頭山
三頭山の東南側の裾は、都民の森として親しまれ、シーズンには大勢の観光客で賑わう所である。武蔵五日市から奥多摩湖にぬける道路ができ、一昔前では東京のチベットと云われた秘境の地も気軽に行ける場所となった。
今週の火曜日に関東地方の梅雨は明けた。三日ほど厳しい猛暑日が続き、いよいよ真夏の季節に突入したが、今日は曇天で視界は悪そうである。その分少し涼しい気がする。
今日のメンバーは、中川会長・櫻井さん・藤田さん・川面さん・橋本さん・金子さん・長張であり、AとBコース合同で行われた。藤田さんは会員ではないが、Bコースに時々参加される女性である。
今回の、コースはハイキング気分で気楽に登ることができるポピュラーなコースと云われている。昨年、実施された奥多摩湖からのルートは、若い頃一般的であったが、今では一部のもの好きな人たちのコースとして廃れてしまっているようだ。交通の便が良くなった今は、逆らうこともないようである。
都民の森入り口から赤く塗装された遊歩道が続いている。最初に迎えてくれた花は、ギンバイソウ・ホタルブクロ・クサアジサイ・コアジサイなど、花真っ盛りである。これらの花たちを目で追いながら、直に鞘口峠に着く。ブナの路と呼ばれる登山道も良く整備されており、千メートルを超える自然林の中の空気は清々しい。
風もない静かな山であるが、ハルゼミの鳴き声が聞こえてくる。10cm程の大きな蛙が路を横切った。これらの鳴き声も至る所から聞こえてくる。小雨が降ってきたが、樹木の葉で覆われて地面までは達してこない。
山頂近くなると登り傾斜が一段と険しくなってくる。
山頂には丁度12時に到着した。山頂は平坦で広く、多くのハイカーで賑わい食事をとっている。雨もあがったようで、雲が少し薄れた間から富士山が顔を出している。どの山頂からも富士の姿を確認すると、何故か落ち着く気分に浸れる。
右側には先月登った三つ峠の山並みが映っている。昼食を終え10分ほど下山するとムシカリ峠に着く。ムシカリ(オオカメノキ)の木は、葉が虫に食われるということからの名で、赤い実がつき紅葉が早いのが特徴。季節には辺りは見事な紅葉が見られると思う。先月の三つ峠では既に赤い実をつけていた。
ここで、Bコースをとられる中川さん・櫻井さん・藤田さん達と別れる。大滝を経由して都民の森入口まで1時間ほどの下山である。
以前も紹介したが、三頭山から陣馬山まで直線距離で17kmほどのなだらかな尾根道が続いている。金子さんご推奨の尾根道で、笹尾根と呼ばれているが、当会でも何度も実施されている。起伏の少ない尾根道は、人口林ではない自然林で覆われているせいか趣がある。
ムシカリ峠から大沢山・槙寄山を越し西原峠まで1時間少々の笹尾根の散策ができた。西原峠からは右に降りると上野原町郷原に、一昨年の10月このコースで登ってきた。今回は、Bコースの方々と落ち合うために、左側の数馬方面に下る。
AコースもBコースも山頂まで登ってしまえば、どちらのコースで下っても大差はないと思う。
Bコースの方々は都民の森始発で、Aコースは2つ先の仲の平から乗車して合流した。帰りのバスは行きとは違い空いていた。立川駅で下車し、居酒屋「味工房」でご苦労さん会を行った。山歩き後に生ビールで乾いた喉を潤す、この楽しみのために、一汗かくことができるのは自分だけではなく、皆さんも同じ気持ちだと思う。 長張 記