2008.12(第 98回) 高尾山・城山
年末に開催される「山歩きの会」は、「シモバシラの花を見る会」と定例化されたのは会発足近くからのことであるらしい。山は高尾山と決まっている。十数年間のこのコースのメンバーの顔ぶれは変わってきており歴史を感じさせる。高尾山は近年のミッシュランの星を得てから、何号路と呼ばれるコースは土日の週末は、街並み程の賑わいとなる。今日の参加者は櫻井さん・鈴木さん・川面さん・依田さん・山岸さん・金子さん・長張の7名である。一週間程前に縮みあがるほど寒い日があったが、今年は全体に平年より温かい日が続き、今回も氷の華に出会うことはなさそうである。
高尾山口駅を8時40分に降り、冷気に満ちた稲荷山コースを登る。急な階段を登ると直ぐにお稲荷さんがある 。
休憩の度に一枚づつ上着を脱いでゆく。時間が過ぎるに従って、ハイカーも増え、次々に我々を追い越して行く。尾根道の途中にある展望園地には大勢の中高年の人たちが休んでいた。すっかり葉の落ちた落葉樹が多い尾根路から遠くの景色が見渡せる。
今日は風も無く穏やかな天候に恵まれ遠くの富士山が間近に見渡せる。富士隠しと云われる大室山は高尾山まで来ると左側にそれている。(下写真)左側遠方には10月に登頂した滝子山の先の尖った頂が望め、その左側更に遠方に南アルプスの白い連山が見えていた。
城山山頂のベンチは皆座れる適当な場所がなく、一段下がった芝生の上で早やめの昼食となった。風の無い暖かい場所であったが、少し込み入っていた。帰路は、同じ尾根道のコースをとらず、大平林道を辿るコースとなった。城山から南へ大垂水方面への急勾配を下り、途中にある一丁平の尾根道と並行した林道に入る。他のハイカーにも出会うことが無い静かな中腹の山道で、起伏の緩やかな車も通れる車道を散歩気分で進むことができた。
春になるとこのコースは、野草の宝庫であるが、今の季節では花は望めない。その中で、木や草の実を捜す楽しみがある。特に真っ赤に色づいた実は、冬の緑の少なくなった場所で引き立っていた。ミヤマシキミは稲荷山コースでも見られ、イイギリの赤い実は、高い樹木一杯になっている。サルトリイバラの真っ赤な実は、棘のある太めの蔓の至る所に、放射状につけており、ツルリンドウの実は一株だけ見つけることができた。ミヤマフユイチゴの実の甘酸っぱさは食後に活力を与えてくれる。その他マルバノホロシ・サネカズラ・ノイバラなど皆で赤い実探しを楽しむことができた。
白い長毛を髪の毛を振り乱した鬼女に見立てたキジョランは、ガガイモ科のつる性のものであり欄ではない。上写真の出会いに恵まれるのは希である。種の集合体が、まさに風に乗って外界に飛び出す寸前の姿である。多くの中高年のひと達が、足場の悪い斜面で眺め感動していた。大平林道から尾根筋に出て、琵琶滝のコースを下る。時間の余裕もあるので琵琶滝によってみた。
3年前は氷の華が同じコースの至る所で見られた。シモバシラというシソ科の野草で群生している。
4時から「悠々の会」と合流し、京王クラブで甲野さんの乾杯音頭により忘年懇親会が催しされた。 長張記