2008.02(第 92回) 高水三山
高水三山は、奥多摩の入口に位置する高水山・岩茸石山・惣岳山の総称を云い、古くから由緒ある信仰の山々である。どれも800m弱の高さであり、日帰りで気楽に歩けるハイキングコースとして人気が高く、奥多摩の入門コースとして紹介されている。このコースは多摩稲門会では2度目のコースとなる。今日のメンバーはリーダーの金子さんが急用で参加できず、山岸さんがリーダーに替わり、川面さん・橋本さん・川俣さん・長張の5人となった。奥多摩の入口である青梅駅から4つ先の軍畑駅前。既に車内で各人スパッツをまとい準備万端で10時少し過ぎにスタートする。
軍畑駅から平溝橋・慶徳寺・高源寺と舗装道路が続くが、堰堤の右端を上る山道に入ると、辺りは雪の積もった景色に変わってくる 。
暖冬と云われていたこの冬は、都心でも一月末から2年ぶりに幾度も降雪があった。今年の冬は寒い日のあるメリハリのある冬であるようだ。久しぶりの雪の積もる山歩きを密に楽しみにしていた。高度が上がるにしたがって、雪も多く硬くなりアイスバーンとなりアイゼンを装着することになった。2年前から揃えていた軽アイゼンを始めて使用する機会に出会った。土踏まずの部分に圧力を感じるが直ぐに慣れると、傾斜のある氷の面も気軽に軽快に進むことができた。本格的な6本爪アイゼンを装着し終えた川俣さん。
雪を踏みしめながらしばらく上り常福院の境内に入る。高水山不動尊である。境内の背後は高水山頂となり、そこで昼食をとることになった。その場所は南に面し雪は残っていない。山頂から眼下間近に、多摩川が青梅方面に流れていく様子が眺めされ、更に遠くに狭山丘陵や、都心の高層ビルなども見渡せる。風がない山頂の陽だまりは思いのほか温かく、快適な食事をとることができた。
高水山頂から岩岳石山は30分ほどの距離であるが、途中の道の雪は深かった。
尾根筋の北側に開けた場所があり、関東平野の遥か彼方に筑波の山並みが霞んでいた。
岩岳石山頂は三山の最高峰である 。
写真中央にある標識の柱に貫かれた覗き穴があった。その穴から見える山が棒の折山である。昨年7月に上った棒の折山の山容が目前に見渡せる。棒の折山登山からの帰りのコースは、この直ぐ下から川井方面に下ったのを思い出す。
休むこともなく雪や氷の急坂を慎重に下り、三つ目の山惣岳山を目指す。橋本さんは、前の会社の若い時のスキークラブの赤い帽子をかぶっているが大変お似合である。
惣岳山の山頂は、スギの樹木で覆われ暗く落ち着いていた。遠くの景色は見渡すことができず、中央にある青渭神社奥の院は四隅を金網で覆われていた。中の木彫りの龍は立派なものである。
しめ縄で結ばれたスギの大木のご神木や、真名井天神の水場を後にして16時に御嶽駅に着いた。冬の季節のハイカーの少ない静かなコースであった。5℃前後と気温は低かったが風がなく、雪の積もった山道をメンバー怪我もなく楽しむことができた。
恒例のお疲れさん会は、山岸さんの顔なじみの店となっている立川駅の居酒屋に移動する。喉の渇いた山歩きの後のビールは格別であり、金子リーダーのお薦めである武蔵五日市の地酒「喜正」の冷酒は、何時ものことながら更に格別の味わいである。 長張紘一記