2008.01(第 91回) 北高尾山稜〜影信山
北高尾山稜は「山歩きの会」で4年前に関場峠まで歩いたコースであると聞かされた。高尾駅からタクシー利用で八王子城址登山口まで、そこは城跡の管理事務所前である。朝早のせいか、僅かのハイカーの姿しか見られない。金子リーダー・中川さん・川面さん・山岸さん・柴田さん・長張の6名のメンバーでスタートした。
写真は、「八王子」の名称の起源とされる八王子神社の境内である。
すぐ近くの見晴台からの眺めでは、遥か遠く相模湾が光って見通すことができる。相模から武蔵と見渡せる重要な要所であったことがわかる。
八王子城は、日本の100名城の一つで、東京都では江戸城と共に認定されている。戦国時代、関東地方に勢力を張っていた北条氏最大の支城で北条氏照が築城した。氏照は北条早雲のひ孫になる。城と云っても名残しかない城跡であったが、静かな佇まいを漂わせている。われわれはそれらの史跡、本丸跡・松木曲輪等に立ち寄るが、足早にそこを離れ関場峠を目指す。
しばらく急坂を登り体が温かくなると、喉元から首筋にかけて通る冷気が心地よくなってくる。中川さんは、所用のため富士見台から蛇滝口に降りメンバーと別れた。
カンアオイの花は、降り積もった落ち葉を掻き分けないと見る事ができない。葉柄のもとの地際に地味な花をつけている。多摩丘陵に自生するタマノカンアオイとは花の時期が違う。今日のコースでの花の出会いは、城跡付近に多かったヤブツバキの花の2種類だけであった。花が一番少ない季節であろう。
何回か飽きる程のアップダウンを繰り返しながら、高度を徐々に上げていく。昼に近づき滝ノ沢林道と並行したところの陽だまりを探し、昼食をとることになった。食事が済むと体が冷えきり、早々に出発し、関場峠から影信山を目指すことになった。
三本松山の赤松の猛々しい一本は倒壊していた。高度が上がるにしたがって、一昨日降った思われる雪が薄っすらと残り、雪のため樹木の下も明るく見通すことができ、少し寒いが気分爽快である。
年間250万人が訪れると云われる高尾山には、昨年ミシュランの最高ランク三ツ星の観光地に選出された。それにより、さらに何割かのハイカーが増えているそうである。しかし、一つ隣の尾根筋の北高尾山稜には、人に出会う機会はほとんどなく、静かな山歩きを楽しむことができた。
今日のハイキングの最高地点である堂所山(733mドウドコロヤマ)、そこから影信山へは、われわれ何回も経験しているコースである。
巻き道の最短コースで影信山へ、そこから一気に下り小仏バス停に到る。16時過ぎだった。バスはわれわれを待っていたかのように直ぐに発車した。高尾駅前でお疲れさん会。厳しいアップダウンの連続する北高尾山稜コースを走破して気分がよい。このルートはアルプス登山の足慣らしのコースでもあるらしい。この後のアルプス登山の方が楽だったとの話も聞く。今日のコースは健脚向きだったのではないか?・・・ 長張紘一記