2012.02(第128回) 南高尾山稜
1月の定例会は荒天のため中止され、今回が今年初の山歩きとなった。昨日夜半からの降雪で駅前の広場は珍しく雪化粧となっていた。高尾駅を過ぎた車窓から急に雪が目立ってきた。
京王線高尾山口改札前広場に10時集合した。この時間の集合は何時もよりはゆっくりした時刻である。14分にバスが出る。
今日のメンバーは櫻井和子さん・白井昭男さん・金子宏二さん・長張紘一の4名となった。
今日のルートの登山口は大垂水バス停である。大垂水峠は東京都と神奈川県の境の国道20号線(甲州街道)のルートにある。八王子駅から相模湖駅まで神奈中バスが運行され、京王線高尾山口駅を経由するが、本数は限られ1日3本でこの時間しか無いのである。
大垂水バス停は、上りのバス停より手前にある。乗客の僕ら以外の数人も全て降車した。空になったバスは相模湖へ去ってゆく。その後をゆっくり進んで徒歩開始となった。
上りバス停から20号線に架かる歩道橋に上がる。城山経由で高尾山への登山口であるが、僕らは歩道橋を渡り南方面に進む。
20号線を戻る方向で暫く高度を上げて行く。下の方で車の音が聞こえていたが直に静かな山道になった。新雪を山靴が踏みしめるサクサクという音が小気味良い。晴天下の白銀の山歩きの醍醐味だ。
高尾山を大きく取り巻く南高尾山陵は閑静な尾根道が続く気軽なハイキングコースと云われている。一方、北側を取り巻く北高尾山稜は、アルプス登山などの事前の足馴しのコースとして利用され健脚コースであり、2008年1月に歩いたコースである。
バス停を出発して、40分で大洞山山頂に着いた。標高536mで今日のコースの最高峰だ。
大洞山には2人の年配の男性ハイカーが食事をとっていた。彼らに全員の写真を撮ってもらい、また、彼らのスナップを撮り合った。城山湖に車を置いてここで食事をしてまた同じルートで戻るそうである。その後彼らとは追いつ追われつであったが、僕らは食事には少し早いので足を先に延ばす事にした。
一晩で積もった雪はこの時間には既に何人かの人達の靴あとが続いている。ここからは下りが多くなるので櫻井さんは軽アイゼンを装着し、白井さんは靴に縄を巻く簡易の滑り止めを試みていた。奥方からのアドバイスだそうだ。
こんぴら山や中沢山のピークは巻道を選び食事場所を探し、中沢山麓の平らな場所のベンチやテーブルを選んだ。積もった雪を取り除き休憩となった。
関東ふれあいの道は雪が積もっていても比較的快適である。尾根道の枯木の間から富士山やその左裾の大室山、その左に丹沢山塊が迫り大山まで間近に見える。道標も完備されており迷うことはない。
訪れたことのある三沢峠も雪で覆われていた。左に下れば梅ノ木平に出られ、高尾山口に至る。
尾根道から外れ南に下るが、雪は徐々に少なくなり早春の山歩きとなってきた。峰の薬師からの眺望は素晴らしかった。津久井湖は蛇行する川がそのまま水位を上げた入り組んだ大河のようになっている。湖の対岸に津久井城跡城山が、遠くに横浜のビル群が霞んでいる。
山道から車道にでた。そのまま更に下り三井大橋を渡り対岸にある停留所を目指す。
津久井湖を跨ぐ三井大橋に並行した歩道橋が新たに建設されている。立派な吊り橋で歩行者と自転車専用の道路である。
クラブ前バス停に、3時22分発橋本駅行きバスは直ぐに来た。橋本駅から京王線に乗り途中南大沢駅で下車し、ファミレスのバーミヤンに入りビールで乾杯する。気温の低い山歩きではあったが、喉はそれなりに乾いておりいつもの至福の一刻を過ごした。寒さの続く日々の中で、晴れ間の日溜は最早春の気配を感じた半日だった。新雪を踏みしめながら、雲のない晴れ間の下でゆったりとした気分で山の散策を楽しんだ。 長張 記