2006.07(第 78回) 岩殿山
8時50分聖蹟桜ヶ丘ホーム集合はいつもより遅い集合である。前日の晩、退職前の職場の連中との飲み会で深酔いを注意していたが、この位の集合時間で助かった。今日の目的の岩殿山が中央線大月駅に近くに位置し、移動時間が短いためであろう。駅ホームに急いで駆け上り皆に合流し高尾山口行準特急に乗り込んだ。
高幡不動駅で合流し今日のメンバー7人全員が揃った。梅雨明けは後一週間ぐらいかかるだろうが、今日は朝から天気が良く湿度もかなりある。九州方面は台風の影響で大雨の予報である。高尾駅で9時27分中央線の大月行きに乗り換え、10時2分に終点大月駅に着いた。
大月駅の北側には岩殿山が聳えていた。駅から線路に沿ってしばらく登山口通りを過ぎ、右折して中央線と笹子川を渡ったところに登山口がある。
車窓から見渡せるこの特異な岩壁は何回も見ていたが、岩壁が近づくにしたがって大きく
登山口から一気に急勾配を上る。コンクリートで固められた階段や手摺も完備され初心者向きではある。蒸し風呂の中のような暑さである。途中、民族資料が展示されているふれあいの館、また大月市の富嶽十二景の一つで富士の見える展望台があり小休止する。
あいにく今日の富士は雲の向こうであった。額から吹き出る汗をタオルで拭いながら、やっと頂の展望台に辿り着いた。
展望台は鏡岩と呼ばれる突き出た親父の太鼓腹の様な岩の真上に位置する。下側から見える覆いかぶさるような岸壁は、上からは全体の形を見ることはできない。真下に横切る道路や川や鉄道が模型の様に眼下に広がっている。しばらく遠くの山並みの幾重にも重なる景色に見とれる。展望台の直ぐ脇にある東屋の下で早めの昼食をとる。
午前中に上った急坂を分岐点まで下り、そこから西に続く尾根筋に入る。辺りは草いきれでむっとしている。草を分けながら築坂峠まで下り、その下った分天神山まで上ることになる。途中2ヶ所の岩場がありスリルを味わうことができる。鎖をしっかり掴みながら恐る恐る慎重に上って行く。
兜岩から少し下り岩場を巻いて天神山にたどり着く。天神山からは午前中登った岩殿山が直ぐ目の前に眺望できた。稚児落しの大岸壁でその頂を経由して後は下りだけである。
この辺りの岩壁は丹沢山塊に圧され海であった部分が隆起してできた凝灰岩である。岩の中に混入している玉砂利は平べったく、川でなく海が隆起した証拠だと伊藤大先輩からの説明で一同納得した。
東の方の雲行きが怪しくなってきた。浅利の集落の車道に出て後は大月駅まで車道を歩く。中央高速道の下をくぐるころ橋脚の向こうに稲妻が真っ直ぐ地上に下り、数秒後に雷鳴がとどろく。運良く今日は雨に一度もあわなかった。八王子付近の落雷と雨で電車が不通になりその影響が出ていた。大月で1時間ほどビールを飲んだ後、臨時急行列車で高尾までスムーズに帰ることができた。今日は暑かったが、雨に降られずラッキーな一日であった。
長張 記