2011.07(第124回) 本社ヶ丸
2011年7月16日
本社ヶ丸は、清八山と合わせて大月市の秀麗富嶽十二景の一つで富士の絶景が楽しめる。山並みは三つ峠山に続き、都留市とも接していて都留市では二十一秀峰に定められている。
関東地方は九州地方と同時に先週一気に梅雨明けとなった。今週になり東北南部・北部地方も勢いに乗って明けた。平年より1.2週間早いそうである。以来これでもかと猛暑が続いている。世の中、家庭内でも節電の必要性が騒がれており、気合を入れ暑さと奮闘中であるが、暑さを逃れた山登りも一つの対策である。
大月駅を8時45分下車。ここで山中湖在住の宇田川さんと合流した。今日のコースのメンバーは、川俣あけみさん・宇田川登さん・金子宏二さん・長張紘一の4名である。
以前、この駅から滝子山に向かった時は、運転手が場所を知らず登山口を通過し、降りた所から30分も掛けて登山口に戻ったことがある。今日は執拗に清八山登山口を確かめた。
運転手は愛想が良かった。国道20号線を折れ山道に入って行く。リニア線の工事のダンプの後をゆっくり進むが直に別れ、東電の発電所が終点であると降ろされた。今回は間違いなく目的の出発点場所に着くことができたようである。9時20分登山開始となる。
発電設備は見えなかったが、やたら鉄塔が乱立している。道路はしばらく続いているが、突然清八山登山口に出合う。辺は禿山で日陰が無く植林された膝位の檜の幼樹が一面に広がっていた。暑さで少々くたびれた頃、やっと樹林の中に入る。後ろを振り帰ると不粋な高圧線が張られ、遠くの景色に滝子山のトンガリ帽子が見えていた。嫌になる程の暑い長い登り一辺倒の山道である。金子さんのリードでそれでも時間通り清八峠に着きホッとした気分になった。
近くの清八山にも寄って見たが、頂上と思われる場所は標識もなく引き換えした。
岩山を上り滴る汗を流しながらホウホウの体で本社ヶ丸山頂に、正午少し前に辿り着いた。全身に汗が滲んでいた。
狭い本社ヶ丸山頂には一人の先客がいたが直に下山して行った。発電所付近に車を止めて登ってきて引き返すようである。山頂の隅の小さな日陰を探し食事を始めた。
僕らだけで食事をしていると、2人の若者が上がって来た。彼らに頼んで集合写真を撮った後、宇田川さんは清八峠まで戻り、三つ峠方面の車の迎えのある天下茶屋へとここで別れた。
今日の秀麗富嶽十二景の一つは、三つ峠のバックに生憎雲に覆われた富士であった。三つ峠の鉄塔が間近に見られる。
12時半過ぎ下山する。狭い岩だらけではあるが頂上の平の所から、直ぐに急峻な下りが始まる。慎重に下り暫くするとなだらかな尾根道に入る。豊富な山野草をやり過ごしながら、ここだけであったが快適な山歩きが続く。川俣さんがレンゲショウマを見つけた。まだ丸い小さな蕾みの状態で、開いている花は見当たらなかった。多くの盛り前のクガイソウの群落をやり過ごす。
集合写真を頼んだ若者は新宿にある高校1年生で僕らを追い越していった。その外の登山客には出合わなかった。なだらかな尾根道は快適であったが長く続かなかった。高い送電線の鉄塔を過ぎ下り路を只管進んで行く。先程の若者が縦走路の先の鶴ヶ鳥屋山を目指しているが、ルートを失っているようである。鶴ヶ鳥屋山分岐点で別れることになっているが、そこから20分も下った林道で再会してしまった。僕らも分岐点を意識しないでここまで来てしまっている。ここのルートは道標の整備が粗く間違いやすい。彼らにこのまま下山するよう勧め、少し下った林道から再び山道を下っていった。
引き続き急斜面の下りは滑りやすく膝がわらいだしてきた。痛くなった足を引き摺りながら炎天下の笹子駅にたどり着いた。笹子駅3時35分発電車に乗り八王子駅で下車。居酒屋北海道で生ビールを飲み干し、暑い暑い山歩きの一日を無事終了することができた。 長張 記