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多摩稲門会「第43回文化フォーラム・新年賀詞交歓会」
平成24年1月28日(土)14時~18時、市内関戸の「京王クラブ」で多摩稲門会の「文化フォーラム(第43回)」と「新年賀詞交歓会」が行われた。
講演会に先立ち佐藤会長より日頃の御礼と「龍の年」の会員の躍進を期待する旨の挨拶があった。また多摩稲門会として、①「11月18日(日)に早稲田大学鎌田総長をお迎えして開く「三多摩支部総会」の稲城稲門会との開催、その時の講演者、藤島昭東京理科大学長のご紹介とアトラクションで「早稲田稲門(OB)グリークラブ」の招待を発表。②「組織強化委員会」(委員長湯浅芳衛副会長)が新たに発足。今後の具体的会員増強活動への協力依頼があった。
文化フォーラムは第43回となり、「助け合いのコミュニティ」のタイトルで、井上茂氏(常磐大学コミュニティ振興学部長・教授)をお迎えした。氏は司会・川面副会長のご紹介で、早稲田大学政治学部を1964年に卒業、日本経済新聞社に同期入社の間柄である。社会部の記者から自治・地域・都市問題のエキスパートであり、編集委員、解説委員を歴任され、現在に至っている。
講演の内容は、身近な街づくりの中で如何に価値のあるコミュニティ作りをして行くかが、現役世代のタテ社会からシニア世代のヨコ社会に移行する中で、考え方、行動の仕方を理路整然、また具体的事例、貨幣的物品を示されながらユーモアを交え語られた。特に多摩においても高齢化が一段と進み、新たな「助け合い」のコミュニテイ作りが必要、喫緊な課題となっていることは自明となっている。会員の寺沢史さん(稲城市元教育長)から懇親会で、現在の学校教育の小学校の学区制で自由に選択するところが増えているが、長い目で見ると地域コミュニティでの弊害が多く出ており、見直す必要性を強調された。今後の議論の推移を注目して行きたい。講演全般に亘って会員にとって肯くことが多く、これからのコミュニティ作りに大きなヒントとなったと思われる。
引き続き「新年賀詞交歓会」。会長の開会挨拶、若杉先輩の乾杯。多摩稲門会では参加者全員のスピーチを行うことが慣例となっており、浅井隆夫さんの時事解説「野田内閣の正念場」、由井濱洋一さんの「早稲田女子サッカーの」動向、按田弘さんから「歴史に遊ぶ会」での活動、有田幸平さんから「ラグビー」への思い、吉川啓次郎さんから「ネパール訪問」の話、田辺繁友さんから「アイパッド」実演、など、また「8サークル活動」の現況など次から次へと続き、あっという間に時間となってしまった。さすがに話し好きな集まりで、盛り上がった。終わりに恒例の「都の西北」とエールの交換を行い、和やかな内にお開きとなった。 (文責―平松和己)
参加者; 浅井隆夫、有田幸平、按田 弘、石井卓治、稲垣友三、井上一良、稲積滋、尾ノ井光昭、加来健一郎、金子宏二、上条喜義、川面忠男、佐藤達雄、田辺繁友、寺沢史、中神尚男、長張紘一、橋本 孜、半田正久、平松和己、藤井國男、前田光治、叉木淳一、松本弘之、湯浅芳衛、湯川俊、吉川啓次郎、吉田 浩、若杉公明、 以上29名。
コミュニティー写真展のご案内です。
昨年10月に六本木・富士フイルムフォトサロンで開催し、お陰さまで好評を
博しました写真展を、地元コミュニティーの皆様にご覧いただきたいとの想いが
実現いたしました。以下により開催いたしますので、ご案内申し上げます。
・「蒸気機関車讃歌 白い息遣い」(コミュニティー プレミアム)
・会場:町田市フォトサロン2階展示室(薬師池公園内)入場無料
・会期:2012年5月30日(水)~6月11日(月)(6月5日(火)は休館)
(開館時間等詳細は添付案内葉書をご覧ください。)
なお6月は日本写真協会が主催する「東京写真月間」(6月1日は写真の日)です。
今回の展覧会は協会員が協賛して行う催物として、葉書にロゴマークの使用が
認められました。(葉書写真:「光とやみ」鹿児島県指宿枕崎線にて)
ご興味がございましたら、是非ご来観ください。
薬師池公園の紫陽花が開き始める時季です。
山岸起一郎
Dear all,
I would like to inform you that the personal photo exhibition “Steam Locomotives Forever
(Community Premium)” will be held from May 30 till June 11, 2012 at Machida City
Museum of Photography, Tokyo, which is planned specially for my local community.
Month of June is “the Month of Photography, Tokyo 2012” organized by Photographic
Society of Japan (PSJ) and I was permitted printing its logo on my invitation card to
the exhibition as a PSJ member.
I am very happy if you come to see the exhibition.
Warmest regards,
Duke Yamagishi
囲碁サークルでは1月26日(木)、第2回南大沢碁会を行いました。
囲碁サークルでは1月26日(木)、南大沢市民センターにて第2回南大沢碁会を行った。
参加者は多摩稲門会7名、稲城稲門会ゲスト2名、八王子稲門ゲスト3名、特別ゲスト1名の計13名。
今回特別ゲストとして多摩の多くの稲門碁打ちと古くから交流のある吉田京さん(女性)に参加してもらった。
優勝は城所七段(多摩)4勝0敗、準優勝:柿内六段(稲城)3勝1敗+296点、3位は白石四段(多摩)と西村四段がともに3勝1敗+281点で分け合った。
5時過ぎ、前回と同じお蕎麦屋さんで打ち上げ懇親会、12名が参加、今回は2度目となり、前回初めて同士だった参加者もすっかり馴染んで和やかに交流した。中でも紅一点の吉田さんの参加が華を添えていた。
話は大いに盛り上がり、春秋の3稲門会(調布、稲城、多摩)碁会、諸事情によりここ2年ばかり主催を見送っていた稲城稲門会としても何とかホストをやりたいとの前向きの発言が柿内さんからあった。
また、今春は多摩が主催となる上記碁会、4月第3土曜日の21日に京王クラブで開催することに合意、近々、予定通り開催される運びとなった。
6月2日(土)日本棋院で開催されるオール早稲田囲碁祭も八王子メンバーから助っ人を得て2チーム編成で行きたい旨話し合われた。昨年は 城所七段、上杉六段、西村四段、白石四段、金子初段、平松三段(補欠)、平松さんが2チーム目に回り、稲城の柿内さん、豊島さん、多摩の中神さん、あと1名・・・文責:西村
テニスコート、連休中の1日と5日も取れています。ご利用ください。
5月の予約状況は次の通りです。
連休中も取れていますので、お見逃しなく・・。奮ってご参加ください。
すべて朝8:00―10:00です。
05月01日(火) Dコート
05月05日(土) Cコート
05月08日(火) Cコート Dコート
05月15日(火) Cコート Dコート
05月22日(火) Cコート Dコート
05月29日(火) Cコート Dコート
会場:一本杉公園内テニスコート
お問合せ:依田敬一 yodak1jp@yahoo.co.jp
34回グルメの会
34回目のグルメの会例会は3月28日(水)、聖蹟桜ケ丘駅から歩いて10分ほどのイタリア料理店「ピッツア サルヴァトーレ クオモ 聖蹟桜ケ丘店」で開いた。同店は、ピザとスパゲッティーがとくに好評で、OLや主婦のファンが多い。女性2人を含む12人が参加の予定だったが、途中から、2月23日に多摩稲門会に入会した女性弁護士鈴木芳乃さんが初参加した。
野菜のトマト煮込みやソフトシェルシュリンプの揚げ物といった5種類のコース料理や4種のチーズのピザ、大粒アサリのスパゲッティーなどが次々と運ばれた。飲み物も、乾杯用のスパークリングワインがつき、生ビールやウイスキー、各種ワイン、カンパリソーダ、リキュールカシスなどが飲み放題で、ひとり4千5百円だった。
今回は参加者が多めだったため、世話役が進行係を務めて順に短いスピーチを披露してもらうことにした。妙齢の鈴木弁護士のさわやかな自己紹介が会の雰囲気を一段と盛り上げて、入会を歓迎するショートスピーチにとどまらず、自己PRに余念のない能弁家が相次いだ。
料理は、どちらかというとこってり風で若者向き、酒も、日ごろたしなむ人の少ないものにまで結構注文が出て、概して大好評。いつもは辛口の論客でさえ、「おいしいですね」とあっさり合格点をつけた。
グルメの会会員のバイタリティーに、改めて舌を巻かされた一夜だった。
文化フォーラム要旨「助け合いのコミュニティ」 井上繁 常磐大学教授
去る1月28日に行われた文化フォーラムについて、その要旨をまとめました。
講演:井上 繁 常磐大学コミュニティ振興学部教授
コミュニティの種類と役割
コミュニティとは何だろうか。三種類に分けられる。一つは地縁型コミュニティ。自治会、町内会、集合住宅の管理組合などがそれで、各コミュニティに世帯単位で加盟しているのが特徴だ。もう一つはテーマ型コミュニティで、福祉や環境など特定の課題の解決を目指した組織。NPO(非営利の民間組織)が代表的で、儲け仕事ではなく地域のために活動している組織はテーマ型コミュニティだ。 ある時期までコミュニティはこの二種類だったが、電子型コミュニティが加わった。インターネットを媒介とした一種のコミュニティが成立している。ネットを通じ情報を伝え、意見を交換する。地縁型やテーマ型のコミュニティを下支えしている。 今、コミュニティが見直されてきている。東日本大震災、阪神淡路大震災では警察や消防が思うように動けなかった。電信柱が倒れ、家屋が倒壊し、道がふさがれて消防車が現場に到達できないという状態になった。いざという時に早い行動がとれるのは、被災者の周辺にいる人たちだ。あの家には高齢者が一人暮らしであるとか、生後一ヶ月の赤ちゃんが2階に寝ているとか、ふだん触れ合っている周辺の人たちは知っているので助けることができる。市役所、町村役場は物理的距離が遠いので、災害時には地縁型コミュニティの役割が大事になる。
地域教育
教育は三つある。学校教育、生涯教育、家庭教育だが、私はもう一つあると考える。それは地域教育だ。地域の方々が、地域のことを思い、地域のために、あるときは先生になり、あるときは聴講者になるといったことがもっとあっていい。これまでの経験を小学校、中学校の課外授業で活かし、地域教育の一端を担う。子供たちは地域で育てるという考えを強める必要がある。 街づくりは子供の視点で見ることが忘れられている。緑が多いことは自然景観にはよいが、潅木に遮られて子供の視界は狭くなる。公園に緑が多いと、犯罪の温床にもなる。
高齢者の地域デビュー
元気な高齢者が増えている。ビジネスの第一線、役所、あるいは自営業で活躍した人は後進に道を譲った後、それまでに培ったノウハウ、経験を活かすべきで、それを眠らしてはもったいない。しかし、それは全国的にみると、十分には行なわれていない。 多摩地区には学歴の高い人が住んでいる。所得も概して高かった傾向にある。社会で活躍された方々が地域でデビューすることになるわけだが、具体的にやるとなると気をつけなければいけないことがある。 地域社会と会社では運営方法が正反対ということがある。会社で培った経験を活かそうとしても、下手をすると、つまはじきされる。会社、役所はタテ型社会だ。考えが違っても、上司に従う。警察はその典型だ。 自治会、町内会、市民活動団体はヨコ型社会だ。タテ型社会は処遇され、給料をもらっているが、ヨコ型社会はボランティアで仕事をしても手当てはもらっていない。首長は選挙で市民に信任されており、職員は命令を遂行しなければならない。タテ型社会であり、トップダウンは当然ありえる。 一方、NPO法人、自治会長は基本的に手当てがない。ヨコ型社会であり、問題の処理には合意形成が重要だ。話し合いを重ねていくと、何かを決めるにも時間がかかるが、タテ型社会ではないことをわきまえておく必要がある。 地域デビューに際しては、自分から汗をかくことが大事で、例えば会議場でイスを並べることもやらねばならない。
補完性の原理原則
一人では生きられない社会であり、いろんな人の世話になっている。一次的には家族で補うが、家族でできないことはコミュニティが補完する。行政まかせにせず自分たちでできることは自分たちでやる。長野県では草刈、道普請は自分たちでやり、必要な資材は行政からもらうといった事例がある。 これからの地域社会は、ひとつは役所、社会福祉法人といった公益セクターが担う。ふたつめは個別企業、経済団体といった企業セクター、三つ目が個々の市民と市民団体という住民セクター、合わせて六つの主体が共同して地域をよくすることに責任を持つ。それぞれに特徴があり、無理のない範囲で、特技・強みを活かしながら地域づくりを進める。 コミュニティ・ビジネスと地域通貨 地域に必要なビジネスは、地域の人々が起業する。コミュニティ・レストランでは地域の人々が交流を深める。NPO、個人グループで経営したり、食事の配達、介護用品の貸し出しを行なったりしている。利益は地域に還元している。 誰かが誰かをサポートするのは結構だが、される側には気兼ねも生じる。そこで地域通貨が生まれる。高田馬場辺りで使われているのはアトム通貨で、裏書する小切手型だ。地域通貨のやりとりには相場がなく、2人で話し合う。そこにコミュニケーションも生じる。各地に地域通貨がつくられ、地域では流通し、ちょっとした頼みごとがしやすくなっている。これも助け合いのコミュニティづくりに役立っている。 まとめ 欧米ではコミュニティ活動が盛んになっている。地域で尊敬される人は、ウイークデイには自分の家でもないのに家の人に代わってペンキをぬるような人だ。会社の社長とか部長とかいったことは職業上のことで、個人として地域にどれほど役立っているかという考え方だ。こうした人たちには感謝の言葉を言う。それが、やりがいにもなる。地域活動をうまくやっているところは、そういうところだ。 (文責・川面)
3月22日、多摩カントリークラブでコンペを開催しました。
ゴルフ会は永年、青木さんが万年幹事をされていたが、2年前からコンペの優勝者、ブービーが次回の幹事となるように改めた。その「新生多摩稲門会ゴルフ会」の第5回コンペは3月22日、稲城市の多摩カントリークラブで実施された。幹事は前回優勝の上條さん、同ブービーの藤井さんで、3組11人が参加した。
今年は春になっても寒い日が多かったが、当日は穏かな日となり、ゴルフ場のあちこちに咲いている梅を見ながらのプレーとなった。
競技方法は新ぺリアで、18ホールのうち12ホールを隠しホールとしてハンディを決める。従って順位は実力と運の神様次第ということになるが、結果は上條さんがグロス93、これはベスグロでもあるが、ハンディ18となり、ネット75で優勝された。準優勝はグロス107、ハンディ30でネット77の稲積さん、前回85のべスグロを出した吉田さんは今回100と不調だったが、それでも3位になった。またブービーはグロス109の尾ノ井さんだった。
上條さんには今回に引き続き、次回も尾ノ井さんと一緒に幹事を務めていただくことになる。次回の会場も多摩カントリークラブが有力候補になった。時期は7月頃という案が出ている。
所在地は稲城市になっているが、多摩市の隣街。連光寺に住む藤井さんは、家から5分の散歩コースという近さ。ゴルフ場までの所要時間が短いのが魅力である。
当日の二アピンは尾ノ井さんと川面。100切りを目ざしている橋本さんは104といまひとつ及ばなかったが、悲願達成に手応えを感じたようだ。
おもしろいデータも出た。由井濱さんと川面は同じ1組で回り、アウトが57、インが54と全く同スコア。それだけなら珍しくないかもしれないが、ハンディも同じ32.4、従ってネットも同じく78.6で4位に並んだ。こういう偶然はゴルフ歴30年で初めての経験だった。
当日は一人欠席者が出たが、上條さんの友人で多摩カントリーのメンバーである篠田さんが後半から加わった。プレー後の懇親会は談論風発となったが、篠田さんも盛り上げ、稲門会ゴルフ会の友人になった。(文責・川面)
「テニスクラブの紙上PRです。」
なかなか練習風景を公開できないのでいつもながらの紙上PRです。
現在、多摩稲門会のテニスクラブは毎週火曜日を練習日としており、テニスコートは市営のコートで恵泉女学園近く尾根幹線沿いの一本杉公園内にあります。
コートはオムニコート(カーペット状のグラウンドに砂がまかれています。)で足に優しく、雨が降っても数時間のうちに乾いてしまう最先端のコートです。
火曜日朝8時から10時までの2時間確保しています。早朝なので一般の申込者が少ないせいかほぼ100%コート2面が確保できています。
毎回、平均的に7~8名ほどの人数で技術練習と練習試合を行っています。
最盛期は10~12名の方がお越しでしたが、ここ数年は漸減傾向にあります。
加齢と共に、あそこが痛い、ここが痛いと少しづつ支障が出てきているようです。少しでも早い復帰が望まれると共に、新たな方においでいただくために多摩稲門会の会員増強が期待されます。
練習日が平日なので参加する方は自ずと限定されてしまいますが、リタイアされてからの地域生活のひとつにテニスを是非取り入れてほしいものです。
昨年から、多摩稲門会会員である稲垣さんが専任コーチとして指導してくれていますので初心者でも安心してテニスを楽しめます。
稲垣さんは、学生時代からテニスをたしなんでおり、分かりやすい指導には定評があります。
皆様、健康維持のため是非お出かけになってみませんか。(文責・依田敬一)
連絡先:依田敬一 yodak1jp@yahoo.co.jp
文化フォーラムの報告:「多摩市政この1年とこれからの課題」
去る3月31日(土)、京王クラブにおいて、第44回の文化フォーラムが行われました。
講師は遠藤ちひろ多摩市議会議員、要旨は次のとおりです。
議員になって驚いたこと
議員は一般質問を事前に通告し、それを議会で読み上げないと発言は議事録に反映されない。持ち時間30分の中で10分ほど読み上げ、答弁が30分として1分当たりの運営コストは2万円、1時間で120万円になる計算。一般質問の読み上げというセレモニーをみても、コスト意識がない。
パソコンの使用が本会議、委員会では禁止されている。神聖な議場になじまないといったことが理由だが、よく聞けばパソコンを使えない議員が使用を認めないと言っている。これは委員会では認めようと少しずつ変っている。政治にはおかしなことを変えていく力がある。
全会一致で決まらないと継続審議になる。再び審議されるのは3ヶ月後。この時間の流れは、民間経営では考えられない。
多摩市が一年間に使う紙の量は、積み上げれば700mになり、スカイツリーを上回る。何事も文書主義だ。
言葉に鈍感な議会
「傍聴人入り口」と大きな紙に書いてあることに違和感をおぼえた。市の職員は「説明員」、あるいは「補助員」、お招きする人は「参考人」、「資料請求」は、「資料要求」と言う。
行政の困った傾向
何事も他市と比較する。多摩の26都市ではこうなっていると説明し、前例のないことはやらない。他市がやっていないことを初めてやるのは嫌がる。
多摩市の予算500億円のうち300億円は市の税収で、残り200億円は国や都から出るお金。多摩市の税収300億円の使い道は厳しく査定するが、国や都から入るお金の使い方には甘い。
職員は情報を出さず、聞かれなければ答えない。ピンポイントで聞けば資料を出す。性質別経費の「変遷」と言って訊ねると、「そういうものはない」と応えるが、性質別経費の「推移」と言えば、「あります」と資料を出してくる。自分たちに都合のわるい資料については特にその傾向が強い。
給食センターを民営化しようというのは渡辺前市長の方針だった。市教育委員会は、民営化すれば、おいしくなるとか、コストが安くなるとか、もっともらしい理屈を並べる。阿部市長に代わって支持基盤の事情があり給食センターを民営化しないことになった。こんどはコストが高くなるなどと反対の理屈を並べる。どちらも、ちゃんと数字で説明されるが、どちらを信用してよいかわからない。行政は数字を何とでもできる力を持っている。
多摩市は正規職員が800名、非常勤800名で予算が500億円だが、経営感覚はない。収入を増やす発想がない。お金は毎年徴税で300億円、国や都から、200億円入ってくるから、分配する発想しかない。
市政と議会のこれから
財政は現在はよいが、このままでは4年後に74億円の赤字になる。公共施設の改修、ニューータウンの橋のメンテナンスなどに莫大なお金がかかる。パルテノン多摩には毎年5億円、総合福祉センター2億円、ヴィータは7,8階を買ってしまい、毎年何億円と支払い、払い終る頃には改修しなければならない。平成24年度から改革に乗り出そうと市議会、多摩市とも共通している。これら施設とベルブ永山、各地にあるコミュニティーセンター、集会所の再配置に取り組む。多摩市を美しくしている緑にも年間3億円から5億円かかっている。
退路を絶った財政改革を進めなければならないが、これからヒアリングいていけば、各論で反対の嵐が起きるのは必至だ。人件費をはじめ支出に占める固定費の比率が高い。補助金も多く、それは既得権だ。しかし、いったん各論は置いておいてほしい。このままでは多摩市の財政がつぶれる。
財政改革が必要であることは全国の自治体に共通しているが、多摩市が全国の自治体に率先し、厳しい痛みを伴った改革に乗り出す。
マニュフエストの進捗と見直し
人件費の軽減策は、議員が5%、職員が3%、市長が20%、副市長が12%カットすることになり議会で可決した。
多摩市の人件費が高かったのは、職員の年齢構成の平均が40歳代と年収が高い層が多かったためだが、毎年20名程度退職し、代わりに若い人が入ってくるので、総額は抑制されてゆく。従来でたらめな給与体系もつくってきた。お手盛りだが、これは改めてゆく。
待機児童対策は1歳児を入れる施設がないのが問題だ。1歳、2歳に特化した施設の整備や保育ママを活用することも考えていい。
給食費無料化を主張したが、これは撤回する。給食費は応益負担であり、税金は投入されていない。
ニュータウンの再生は諏訪二丁目の立て替えを成功させなければならない。多摩は東京でもいちばん地盤が固いという調査結果が出て、追い風になっている。液状化の心配がない多摩にスポットがあたっている。二丁目の再生が成功するかしないかは今後の試金石となっており、多摩市としても応援しなければならない。(文責・川面)
若返りハプニング会 (グルメの会に参加して:川面記)
いつもは70歳前後のメンバーだけの集まりが、3月28日は思いがけないことに妙齢の女性が新に加わり、華やいだ会になった。多摩稲門会のサークル「グルメの会」が、である。稲門会の高齢化が進んでおり、若返りを図る会員増強策を推進しようとしている矢先のハプニングであった。
「グルメの会」の世話役は朝日新聞の政治経済記者をされた浅井さんであり、参加者名を事前にメール連絡してくれる。それで当日は12名が参加し、2年先輩の鈴木さんが参加者リストに入っていることは承知していた。当日は午後5時に京王線聖蹟桜ヶ丘駅の改札口に集合することになっていた。私は一番乗り、続いて稲門会の会員名簿を管理している稲垣さんが現れた。
「今日は鈴木さんが参加されますが、お顔を見てもわからないんですよ」。そう言う稲垣さんの言葉に私はちょっと戸惑った。鈴木さんは稲門会のサークル「テニスの会」でも活動しており、稲垣さんはテニスの指導者である。お互い知らない筈がないからだ。
「鈴木忠男さんを知らないはずがないでしょう」。「その鈴木さんではなくて、新しく会員になった平成7年卒の鈴木さん、女性弁護士です」。平成7年卒業と聞いて、40歳代前半の女性だとわかった。稲垣さんに「グルメの会」に参加する旨をメール連絡してきたという。そう聞いても、子供世代の女性が老人クラブ化している「グルメの会」に参加するということが半信半疑であった。
定刻になっても、40歳代の女性弁護士は現れなかった。参加を伝えてきた女性の一人が遅れている。世話役の浅井さんが彼女を待つことになり、残りの者は先に当日の会場になっているイタリア料理店「サルヴァトーレ」に向った。駅前のバス通りを左に折れ、また右に曲がった路地を通り、ニュータウン通りに出る。その角に店がある。
店に入ると、12人分の席が用意されていた。やがて浅井さんが店に来た。遅れていた女性と電話連絡がとれ、5時10分過ぎに乾杯しようということになった。飲み放題コースだが、2時間制限なので、あまり会の開始を先延ばしするわけにはゆかない。さあ乾杯、という声がかかったところに遅れていた女性が現れた。仕事で遅れるとあらかじめ連絡があった男性もやがて来て12人全員が揃い、つつがなく会は進行した。
午後6時を過ぎると、若いお客が続々と店に来た。若い女性グループが二組、それに「グルメの会」の老人グループで店は賑やかになった。私は再び稲垣さんに確かめた。「女性弁護士の鈴木さんが参加されるという情報の出所はどこですか」。「稲門会に入会されると連絡がありましてね。31日に文化フォーラムがあるから出ませんか、とメール連絡したら、その日は都合がわるいと言うので、それではグルメの会がありますと伝えたら、参加されるとなったんです」。鈴木さんは、店の所在がわからないだろうと思った。「それじゃ、来ないだろうね」。ちょっと落胆した。
それから時間が経ち、コートの女性が店に現れた。私たちのグループを見て、こちらかしら?という表情になった。すぐに鈴木さんだとわかった。女優の島田陽子に似た顔立ちの素敵な女性だ。歓声があがり、グルメの会の雰囲気ががらりと変わった。「ここはわかりにくかったでしょう」。「ええ、少し」。彼女中心の会話になった。
司法試験に合格した才媛、てっきり早稲田の法学部卒と思っていたら文学部卒だ。一度は就職したが、祖父が弁護士で、自分も弁護士になろうと思い立ち、法律の勉強をしたという。弁護士3人で事務所を持っているが、弁護士活動をしていくうえで稲門会のような集まりに入っていたほうがよいと他人に勧められ、多摩稲門会のブログを見て入会を申し込んだのだった。
「高校1年の息子がいます」。その母親とは思えない若さ。高校は国立、なかなかの名門校だ。昔は立川高校が地域ナンバーワンだったが、現在は国立高校に変っているとか、ひとしきり高校談義になった。
息子には早稲田に進むように勧めているという。実現すれば、鈴木さんの祖父、父も早稲田なので、4代続きの早稲田になる。鈴木さんの前に座っていたサークル「(早稲田スポーツの)オッカケたい長」も、親戚に早稲田4代がいて大学式典で表彰された。4代はそれだけの価値がある。
会話の流れが放縦にならないようにと、浅井さんが参加者各自に一言しゃべるようにと言った。私の番になり、鈴木さんが弁護士であることを考えて、かつて司法記者会にいた話をした。
「私は日本経済新聞の社会部記者をしていたことがありましてね。東京オリンピックが終わった後、2年半ぐらい、司法記者会にいました。東京地検特捜部の事件の内偵、家宅捜索と被疑者の逮捕、それから起訴して初公判、検事の論告求刑、弁護側の最終弁論、そして判決、その流れを追いました。まあ、生きた法律を勉強したわけです。政経学部の新聞学科卒ですが、あまり勉強はしませんでしたね。しかし、仕事は真剣ですから法律は勉強しました。日本経済新聞社法学部を卒業したようなもんです」。
当日はマスコミのOBが3人参加していた。朝日OBの浅井さん、私、それにNHKのアナウンサーをしていた西村さんだが、西村さんはまだラジオ深夜便のニュース放送をしている。見かけは老人だが、声は若々しい。
やはり多摩稲門会には若さが必要だと痛感した。当日の参加者に共通した思いだろう。私は現在、副会長の一人だが、6月総会時の役員改選では退く旨を内々伝えてある。翌月末には72歳になる。活動からまったく手を引くというのではなく、できることはやろうと思っている。それで会報「杜の響き」の編集を手伝う心積もりがあることも表明した。すでに臨時担当として次号の編集を任された。
稲門会はこれから藤井先輩が先頭に立って会員増強運動を行なう。現在は160人余だが、ゆくゆく300人を超える会にするのが目標だ。そういう時機であり、鈴木さんの入会は従来と違った意味で歓迎された。
先日、早大法学部を昭和54年に卒業した日経の後輩、茂木良之君からメールが入り、「新宿か調布で飲みませんか」という内容だった。茂木君は私が横浜支社長をしていた頃、支社の広告課長だった。現在は公益財団法人・広告審査協会の調査部長を務めている。飲み会は結局、支社で総務を担当していた本社勤務の女性らも誘い、有楽町の中華料理店で行なった。その際、私は茂木君に多摩稲門会に入会するように頼み、快く了承してもらった。
茂木君が利用する最寄り駅は京王線仙川駅であり、聖蹟桜ヶ丘駅まで時間距離は10数分に過ぎない。現在57歳であり、稲門会の会員として望ましい年代である。茂木君に「山歩きの会」の活動に参加するようにと勧めたところ、「高山を一人で歩くのが好きですから」と言われた。「6月23日に総会があり、その後の文化フォーラムでは吉野光久君に講師を引き受けてもらう。吉野君は『異土』という小説を書いてね、今年度の木山捷平短編小説賞を受賞したんだ。それで小説談義をしようと話している」。詳しくは次号の会報で案内する。
鈴木さん、茂木君のような新入会員が多摩稲門会に入った後、会の活動に興味を持ったり、参加したりするようにしなければ、参加してもらった意味がなくなる。せっかく会員の若返りを図っても、新入会員に失望されるようでは、稲門会は再び高齢化し、やがては衰退を免れない。そうならないようにするためには稲門会を「おもしろい、楽しい、役に立つ」会にしなければならない。
(2012・3・29)