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第15回俳句同好会
2015-03-22
第15回俳句同好会は3月20日、多摩市の関戸公民館・和室で行われた。メンバー9人のうち5人が出席、残り4人も欠席ながら投句した。投句は1人3句で合計27句。これらの中から出席者が各人5句ずつ選句し、それら互選句の中で最も佳いと思う句に◎を付けて特選句とした。
選句の結果を発表する披講の際に作者はしばらく名乗らない。まず◎となった4句について1句ずつ選句者が選句した理由を述べ、選句しなかった者も含めて合評、その後で作者が名乗り上げる。
当日の◎で得点が多かったのは、「途切れたる話の接ぎ穂春の雹」で、選句者は自身の経験に照らして場面を想像したが、作者は夫婦の会話の間であると説明された。
選句者は5人と少なく、本人は自分の句を選ばないことを考えると得点率はきわめて高い。春の雹が降ったのは3月10日午後、俳句同好会の10日前のことであり、選句した者たちもそれぞれの感想があったのだろう。
次に◎は得られなかったが、2点を得た句、続いて1点句のそれぞれについて合評し、「こうしたほうがよいのではないか」といった直しもした。
さらに選句外の句についても作者を明らかにし、なぜ選句されなかったということについても話し合った。例えば「青饅の一品ありて酒二合」は「青饅」と「酒」がつけすぎであると評された。それだけ読み手にとっては想像の余地が乏しくなるというわけである。
同好会の後は、場所を近くの「鳥はな」という店に移して懇親した。そこでも報告句とそうでない句の違いなど俳句談義が続いた。「報告でない句は、読者がいろいろと想像できる句」といった話になった。
賞賛されて句意が伝わったと満足した者もいれば、批判されて勉強になったと思った者もいる。自由な俳句談義は半日を充実し、また楽しいものにする。
当日の互選句は以下の通り。カッコ内は選句者名。
途切れたる話の接ぎ穂春の雹 川俣あけみ(中川◎長張◎川面)
かたかごや万葉乙女蘇り 中川邦雄 (萩尾◎川面)
極上の目刺し買ひ来て誕生日 萩尾昇平 (川俣◎川面)
春眠や妻には言へぬ夢なりき 萩尾昇平 (川面◎中川)
料峭やヨイトマケの唄口に出づ 又木淳一 (川俣、萩尾)
春一番病談義を吹き飛ばし 平松和己 (中川、長張)
水温む我が指を吸ふ池の鯉 川面忠男 (川俣、長張)
ふらここや女時の中のきのふけふ 川俣あけみ(川面)
啓蟄やまだ老人になりきれず 萩尾昇平 (川俣)
弱法師(よろぼし)の眼に映る梅白し 辻野多都子(川俣)
刻はめぐり光おりきてミモザ咲く 辻野多都子(萩尾)
三歳の初孫重しつるし雛 又木淳一 (中川)
モルモットに見詰められたり卒業期 川俣あけみ(萩尾)
堰堤の南面の風黄水仙 長張紘一 (中川)
長引ける病に耐えて二月尽 中川邦雄 (萩尾)
ふと見れば土筆一本お辞儀して 平松和己 (長張)
(文責・川面)
2015.3(第151回)相模湖嵐山
2015-03-22
3月の例会は16日に相模湖嵐山を計画した。1月の例会高尾城山を下山した折に目の前に観て決めた。なだらかな山容と山肌を彩る景観が京都の嵐山に似ているところから北相嵐山と呼ばれている。一同JR中央本線相模湖駅にそれぞれ集合した。今日のメンバーは中西摩可比さん。中川邦雄さんは常連だが、浅井隆夫さんは久しぶりに参加、私を含め4名となった。
天気は曇りがちであり、午後からは多少雨の心配のある予報である。風はないので花粉の量は和らぐ事を期待したい。しかし、全員花粉対策マスクで防備して集合し、11時前にスタートした。
駅から相模湖ダムに向かい湖岸に下る。ダムの少し手前にある相模湖大橋は40年ほど前の西ドイツ製と表示されている。橋の上部の遠くの山が目指す嵐山の頂である。橋の向うの右側には嵐山洞門が続いている。僕らは洞門方面の反対側の左に折れダム堤防に向かう。
相模湖の街並みには所々石のオブジェが見られるが、「アフリカの果実」という石のオブジェがある湖畔の休憩所の向かいが嵐山の登山口となる。
登山口から急登が始まる。スギやヒノキの山道で良く整備されているが、登山者は他には見当たらない。山頂付近にはモミやカヤの大木が目立つようになってくる。小一時間で頂上についた。僕らの食事中に一人の中年の男性が現れた。今日のコースで出会った2人の1人であり、いつの間にか姿が消えていた。ゆったりとした山頂からの眺めは、相模湖を眼下に見下ろし、相模川の上流の山並みが春霞のなかにある。
山頂には携帯用の送信用のアンテナ設備が3基敷設されていた。また、広場の一隅に簡素な産霊宮水上神社のお宮があり、その祭主の作として、これも簡素な掲示板に「不二四十七音」「あさぼらけふじのかむやまいろはえてくもひとつなきみねうへにわれおりたちぬゐせゆよをすめるこゑそ」元木素風と掲示されていた。「色は匂えど散りぬるを」が一般的であるが、他の四十七音は初めて知ることができた。
落ち葉の積もった山道を下る。スギやヒノキ林を過ぎ、美しいモウソウチクの竹林を過ぎて行く。
鼠(ねん)坂の向かう下りは短調ではなく、アップダウンが続く。深い沢を跨ぐ木橋は狭く慎重にわたる。花のない季節であるが、湿った場所にはヤマルリソウやヨゴレネコノメソウの花が咲いていた。
留まることもなく進んでゆく。山道と並行して右側の下の国道412号線を走る音が聞こえ、リゾート施設のスピーカーから時々音が聞こえてくるがそれ以外は静な山道である。鼠(ねん)坂にあるプレジャーフォレスト(旧ピクニックランド)の正門バス停までの道のりは思ったほどスムーズではなかった。
やがて、リゾ-ト施設の柵が現れ見晴らしが良くなってきた。リゾート施設の大きな駐車場にも車は少なかった。駅までのバスは発車したばかりで、40分ほどの車道に沿って歩いた。嵐山からの下りの山道を平らな車道を戻る事になる。
駅の再び嵐山洞門に出た。右側は車道で左側の側面に広い歩道が続き湖面の際の景色が堪能できる。洞門の上部は山の斜面が乗っている。歩道の上は庇が伸びて土砂を被る事もなく、また雨の心配もなく湖面の景色を楽しむことができるが、これも裕福な時代の建造物の一つであろう。手前の車道沿いのファミレス「ガスト」により一休みする。生ビール・赤ワインを飲んでいるうちに、すっかり長居してしまいここで解散することになった。相模湖駅までの残りの道は、傘をさしての山歩きであった。
長張 記
4月のコートのご案内です。奮って ご参加ください!
2015-03-22
4月のコートが確定しました。
●場所:一本杉公園内テニスコート
▼開催日時等:
・4月07日(火) 8:00~10:00 Cコート・Dコート
・4月14日(火) 8:00~10:00 Cコート・Dコート
・4月21日(火) 8:00~10:00 Cコート・Dコート
・4月28日(火) 8:00~10:00 Cコート・Dコート
稲垣コーチによるレッスンもあります。 是非、コートへお出でください。
お問い合せは:中里 保司/Mail to ⇒ nkzto@live.jp
”マッサン”を知る歴史的な展示会を紹介します
2015-03-15
NHK朝ドラ”マッサン”が今月末で終わります。
”マッサン”を知る歴史的な展示会を紹介します。
1.日時:平成26年9月24日~平成27年5月8日(金)
2.場所:外務省外交史料館別館2F(大江戸線駅から外苑外堀東を東京タワー方面に徒歩10分。(飯倉片町の交差点、高速通り)を過ぎて直ぐの左手です)
3.内容
*日本版”スコッチウイスキー”の生い立ち(夢を追い続ける技術)。
①スコットランド民謡”蛍の光”の違いです。
②技術立国の先生はスコットランドはじめ欧州なのです。
③ジャンプ、ラクビーのルーツ。
④青いバラ咲かせ技術者の’やれば出来る”思い。
cf:「大日本果汁株式会社」(日果:ニッカ)昭和27年
橋本 孜
第56回多摩稲門会文化フォーラム・春季懇親会のご案内
2015-03-08
会員、校友の皆様にはご清祥にお過ごしのこととお喜び申し上げます。
文化フォーラム・春季懇親会を下記の通りの内容で開催いたします。ご家族、お知り合いの方々ともお誘いあわせの上ご出席賜りますようご案内申し上げます。
記
<文化フォーラム> 堀口昌信氏 講演会『拳闘こそ我が命』―ピストン戦法
(1)日時:3月28日(土) 14:00~15:40(13:30開場)
(2)場所:ココリア多摩センター(三越)5F 「キャリア・マムホール」tel 042-389-0220
(3)演題:『拳闘こそ我が命』―ピストン戦法
(4)講師:堀口昌信氏(東日本ボクシング協会理事・健康管理委員会委員長)
昭和初期、日本ボクシング界の象徴的存在で「拳聖」と呼ばれたプロボクサー「ピストン堀口」、昨年平成26年はラッシュの王者堀口恒男氏の誕生から100年を迎えました。昭和8年のデビューから昭和25年に引退するまでの17年間、前人未到の47連勝82KO を記録し、日本ボクシング史上不世出の怪物でありました。 今回はご長男で、早大ボクシングOBの堀口昌信氏を講師にお迎えし、「拳闘こそ我が命」を座右の銘に、ボクシングに生涯を捧げた「ピストン堀口恒男」の闘いの跡を振り返り、興味の尽きないお話をして頂きます。茅ヶ崎市内にピストン堀口道場を経営、3代早大ボクシング部OBで、現会長はお孫さんの堀口昌彰氏が受け継いでおられます
<春季懇親会>
講演会後に同所にて懇親会を行います。ご出席下さいますようお願い申し上げます。
時 間: 16:00~18:00 会費: 懇親飲食代4000円
まだ席に余裕がありますのでご連絡下さい。
<お問い合わせ及びお申し込み先> (3月22日迄にお願いします)
幹事長 長張紘一 〒206-0001 多摩市和田1719-12
TEL:042-337-1792 メール:nagahari@ttv.ne.jp
尚、懇親会参加の方は3月22日迄に同封の郵便振込み用紙でお振込み下さい。
振込みされた方の別途申し込みは不要です。
多摩稲門会山歩きの会 3月例会
2015-03-01
A・Bコースは相模湖東側に位置する嵐山です。山頂からの相模湖の眺望はすばらしく、かながわの景勝50選の「嵐山からの相模湖」にも選ばれています。眼下に広がる相模湖や天候が良ければ富士山も見ることができ、気軽なハイキングが楽しめます。通常の第3土曜日から第3月曜日に変更しています。
ご検討の上、体調に合わせご参加下さいますようお願いいたします。
1.日時 A・Bコース 3月16日(月)
2.予定コース
A・B コース 相模湖嵐山 (歩行2時間半程)
○ 集合 (10:00) 京王線聖蹟桜ヶ丘駅ホーム
京王線特急・京王八王子行(10:04)発→北野駅乗換→(10:16)京王高尾山口行発→(10:26)高尾駅乗換→(10:31)JR中央本線小渕沢行→(10:40)相模湖駅着
徒歩開始 中央本線相模湖駅(:20)→嵐山登山口(:35)→嵐山山頂(昼食) (1:00)→ピクニックランド前(:40)→相模湖駅
○ 持ち物・装備
・昼食、水、間食等 服装長袖シャツ(寒さ対策-ウインドヤッケ・ジャンパー等)、帽子、軍手、タオル等、雨具(折り畳み傘)。
○ 雨天の場合は中止します。迷うような場合は、電話でお尋ね下さい。
参加ご希望の方は、長張(tel 042-337-1792)(e-mail nagahari@ttv.ne.jp)にお知らせください。
稲門会の予定 3月28日(土)第56回文化フォーラム・春季懇親会
2015.2(第150回)東高尾草戸山
2015-03-01
2月の例会は27日、東高尾の草戸山を目指す。前日の雨のため晴れ渡った朝は少し湿っぽかった。10時京王線高尾山口集合。
駅舎はリニュウアル工事中で改札前の広場は半分程になっていたが、何時もの混雑はなかった。そう言えば今日は金曜日、土日の賑わいは明日明後日となる。
今日のメンバーは櫻井和子さん、中西摩可比さん、中川邦雄さん、日野稲門会の髙田俊雄さん、長張紘一の5人となった。
甲州街道沿いの割烹橋本屋の角から登山口に入る。登山口は民家脇の小路を入った所。住宅地の路地裏のような解りにくい場所である。2軒程やり過ごすと登山道らしくなる。20分程の急登を辿り尾根筋に出た場所が四辻である。最初の休憩場所で厚着した上着を一枚ザックに仕舞い込み直ぐに再出発。
ゆっくりと高度は増して行くが、アップダウンを繰り返す。木々の隙間から甲州街道の向こう側の高尾山の山並みが見えている。山頂に向かうリフトやケーブルの軌道、上方のビアマウントの展望台も見えている。
昨日の雨で地面は所々湿り、少し泥濘んでいるところもあるが、滑ることはない。
アップダウンを繰り返し、廃鉄塔を潜りそして現役の鉄塔を過ぎると直ぐに数本の樅の木のある梅ノ木平分岐に着く。更に進むと見晴らしの良い草戸峠に着く。
草戸峠は高尾山の山並みが目の前に見渡せる絶景ポイントであり、幾つかのベンチが並んでいる。
お昼を少し過ぎた頃、草戸山頂上に着いた。そこは松見平休憩所と呼ばれ幾つかのベンチがあり、数人のハイカーが食事をしていた。
城山湖を眼下に見渡せる展望台が空いていたので皆で食事をとる。
休憩所の広場には小さな山之神の祠がある。頂きの三角点から数歩離れた所に、南側から相模原市、町田市、八王子市の色の違う三色のコンクリートの杭が埋められていた。町田市が相模原市と八王子市の間を草戸山の頂点まで細長く伸びていることである。
草戸山から往路を戻り、拓大分岐点まで下り一休み。同年代の女性が一人で後ろから通り過ぎ、僕らの予定コースに向かっていった。四辻に向かうコースの方が右折し、拓大西尾根コースは直線に近い。
尾根筋の右側は拓殖大学のキャンパスが広がり、長い有刺鉄線の柵が続いている。尾根筋は長く広いキャンパスは続く。午前鉄塔の脇を過ぎたが、その続きの鉄塔の場所で先程の女性は休んでいた。
落葉した梢を通し尾根道まで柔らかい日射しがとどいている。風は強くはないが空気は冷たい。尾根道は住宅地の西公園内登山口で終わる。暫く住宅地の中を通り過ぎ、住宅団地から再び初沢城跡のある丘陵を目指す。初沢城は別名椚田城・高乗寺城ともいう山城の一つ。樹木に覆われた高台に城跡がある。眼下にはかなり高度差のある高尾駅がジオラマの様に見え、武藏御陵、森林科学園、八王子城址が一望できる。
高尾天神社に入り、菅原道眞像から急な階段を下ると、高尾駅ホームから見える特徴的なみころも霊堂の脇に下り、高尾駅に着いた。
恒例の生ビールで乾杯は高尾駅の居酒屋「多摩の里」で行なった。以前、京王クラブのマスターであった店長を、桜井さんは当時を知っている。暫く話しているうちに、中西さんとは30年振りの出合いとの事、和気藹々と昔の職場の人達の話に盛り上がっていた。
今日一日、混雑する高尾山を避け外縁の東高尾山稜を草戸山まで、拓大のキャンパスといっても大部分は自然の雑木林を歩くハイキングコースであっが、予報通り花粉は非常に多く、花粉症の中川さんや櫻井さん私を含め、くしゃみや鼻を咬みながらのハイキングでもあった。
長張 記
多摩稲門会グルメの会の皆様
2015-03-01
52回目のグルメの会は花見を兼ねて、4月1日(水曜日)に京王永山駅徒歩約10分のスペイン料理店「ウン・ベシート」で開きます。昨年大変好評だったため、リクエストにお応えします。ただ昨年は少々窮屈でしたので、今回の募集は15人メドとします。
おそらく桜が満開だろうと思いますので、京王多摩センター駅に集まっていただき、45分ほど乞田川沿いを歩いて花見を楽しむ予定です。雨天の場合や万一、開花時期が大幅にずれた場合は下記のように変更します。
花見をしないで、初めからお店に直行されても結構です。
料理のメニューの中で、パエリア(スペイン風炊き込みごはん)は「魚介のサフラン」と 「アサリ」の2種類にしました。飲み放題では生ビールとワイン、サングリア(オレンジやレモンを漬けこんだワイン)、ウーロン茶、オレンジジュースが楽しめます。
記
日時 4月1日(水)午後4時半、京王多摩センター駅中央改札口集合。
万一開花時期が大幅にずれて花見ができない場合や雨天時は、午後5時に京王永山駅改札口集合。
天候が不安定で判断に困る場合は当日正午ごろ、集合場所や時刻をメールでお知らせしま
す。
浅井の携帯に電話されても結構です。
お店に直行される場合には午後5時15分集合とし、必ず事前に浅井にご連絡ください。
会場 「ウン・ベシート」(042ー355-8055、多摩市永山1-1-7 ルリエール永山1階)
会費 6千円(飲み放題込み)
参加 参加される方は3月30日(月)午後6時までに浅井にご連絡ください。
携帯電話 090-8877-8865
メールアドレス fwkp7426@nifty.com
「14回俳句同好会」燃ゆ
2015-02-22
現在はメンバーが9人という俳句同好会だが、2月18日に行われた句会の参加者は5人、いささか寂しかったが、欠席者4人も含めて9人が各3句を投句した。互選の披講後、遠慮のない合評で充実、「句会燃ゆ」、となった。
選句の途中で耳慣れない言葉、意味がわからない言葉について説明したが、これも同好会ならではのことであろう。
むしやしない寒ラーメンの細さかな、のむしやしないは漢字では「虫養い」の京ことば。鮟鱇のフンドシは漁師用語で鮟鱇の卵のことだ。
ひもすがら神話繙く建国日、という投句を預かった際、神話は日本史あるいは古代史のほうがよくはないか迷ったと言われた。合評で伝えると、神話と建国日はつきすぎ、立ち読みの古事記の漫画建国日ぐらいにしたほうがよいという意見も出された。
冬ざれて無人の鞦韆揺るるまま、という欠席投句は冬ざれが冬の季語、鞦韆がブランコで春の季語。これは季またがりといって禁じ手だという意見が出たが、そういう名句はいくらもあるという反論も。ちなみに、菜の花や月は東に日は西に、は蕪村の有名な句だが、菜の花が春、月が秋の句だ。季またがりは名のある俳人には許されるが、作者がどう思って作ったか、欠席したため聞けなかった。
報告俳句はよくないとされる。当日の投句の中では、症状の日々和らぎて日脚延ぶ、も報告句だが、「和らぎて」と続けず「和らぎけり」と切れば、報告句から脱却できるという。
寒柝の響きや一町鎮まりぬ、は2人が選句したが、どちらもベテランで「これは句のすがたがいい」などとほめた。
一方、手厳しく指摘された選外の句もある。赤帽の児らは知らずや落ち椿、の赤帽は赤帽子の園児ではなく駅のポーターと受け止められる。また園児が落ち椿の感慨をわからないのは当たり前だ、といった調子だ。これに限らず選に入らなかった残りの句についても一通り合評、それぞれ指摘された句の作者にはいい勉強になっただろう。
互選句の披講内容は以下の通り。カッコ内は選句者名。出席者各人が5句を選句、その中から特選句を1句選び、◎で表記した。
春の菜に苦味さまざま酒選ぶ 萩尾昇平 (長張◎、川面、川俣)
荒びたる松の亀甲冴返る 川俣あけみ(平松◎、川面)
着古せしセーターひとつ恋女房 中川邦雄 (萩尾◎、川面)
むしやしない寒ラーメンの細さかな 辻野多都子(川俣◎)
ひもすがら神話繙く建国日 又木淳一 (川面◎)
鮟鱇は吊されフンドシはずされて 辻野多都子(萩尾、平松)
冬ざれて無人の鞦韆揺るるまま 辻野多都子(長張、平松)
寒柝の響きや一町鎮まりぬ 又木淳一 (川俣、萩尾)
熱燗と頼みし客の怒気は何 萩尾昇平 (長張)
蝋梅の花に透け見る陽のひかり 平松和己 (長張)
健気なり春告げられて蕾咲く 平松和己 (川面)
惣菜の野草持ち寄る春隣 長張紘一 (萩尾)
春光や鳥影よぎる「みだれ髪」 川俣あけみ(平松)
症状の日々和らぎて日脚延ぶ 又木淳一 (萩尾)
責了校投じて戻り梅見かな 金子宏二 (平松)
追懐の紅梅の径雨霽(は)れる 金子宏二 (川俣)
摘むや惜しうぶ毛うっすらよもぎ萌ゆ 萩尾昇平 (長張)
盤上の戦さ終へたり梅香る 平松和己 (川俣)
(文責・川面)
第18回ジャズプラッツライブのご案内です
2015-02-22
今回は第18回ジャズプラッツライブのご案内です。会場はAWKitchen FARM (http://eat-walk.com/awfarm/)に変わりました。 実力ある4人のジャズ管楽器奏者が集まって、どんな音がつくり出されるのでしょうか。 私は大変楽しみにしています。