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第80回俳句同好会
2020-08-23
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の月例会が8月21日午後、多摩市関戸の公民館和室で開かれた。第80回目で8人が参加した。その中の1人、近沢市子さんは見学だが、句会が終わると9月以降の月例会に参加されると話された。稲門会の活動を次世代に移すことができるかもしれないと思う。
当日は〈梅雨晴れ間睦奥の草はむ寒立馬(かんだちめ)〉が5人に選ばれ、最高得点句になった。独立句として成立しているが、「本州最北東尻矢崎に足の短い冬丈夫な馬が生息しております」という注が付いている。実際に見て詠んだ句であることが惹かれる理由だ。
特選にはならなかったものの掲句と同じく5人に選ばれた高得点句が〈黙祷の影の被さる鶏頭花〉。鶏頭花に被さるほど影が長いことから朝の景であり、長崎ではなく広島忌であることがわかる。
当日の選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選は◎で表記)。
梅雨晴れ間睦奥の草はむ寒立馬 辻野多都子(川面◎、長張◎、川俣、松井、宮地)
施設の門蜘蛛囲に髪を引かれけり 川俣あけみ(辻野◎、宮地◎、川面)
新盆や軒に寄せある車椅子 川俣あけみ(又木◎、川面、辻野)
蜘蛛の囲や水琴窟の音に張り 松井秋尚(川俣◎、辻野、宮地)
目覚ましの音を飲みこむ蝉時雨 宮地麗子(松井◎)
黙祷の影の被さる鶏頭花 川俣あけみ(川面、辻野、松井、又木、宮地)
つなぎたき遠き日の手や星月夜 宮地麗子(川面、川俣、辻野)
かなかなや空のいつしか白みをり 川面忠男(松井、又木)
黙祷終へマスカット食む広島忌 川面忠男(川俣)
棚にもどす父の日記や敗戦日 川俣あけみ(松井)
しがみ付き空を見詰むる蟬の殻 松井秋尚(又木)
緑陰のベンチに赤きXの席 又木淳一(長張)
託けて出不精となる残暑かな 松井秋尚(長張)
客足の遠退きしまま秋隣 宮地麗子(長張)
炎天や一戦なるも甲子園 又木淳一(川俣)
ひと頻り法師蟬鳴き風起る 松井秋尚(長張)
初蝉や傘寿の君もフェイスシールド 辻野多都子(又木)
還り来よ遥けき屍敗戦忌 又木淳一(宮地)
(川面)
一期一会となった「いねの会」
2020-08-23
多摩稲門会のカラオケサークル「いねの会」は3月から4カ月の中止を経て7月から再開したが、8月も18日に実施した。会場はいつもの通り多摩市・関戸のビルの5階にあるスナック「麗」で正午から5時まで貸し切りにしてもらい、8人が参加した。参加者は事前に10名以下と連絡したが、8人にとどまったのはコロナに感染することを恐れて不参加になったメンバーがいたからだ。
3密回避策として店の入り口のドアは半開きにし、参加者は向かい合って座らず各人がフェイスシールドを被った。マイクは歌い終わるたびにアルコール消毒をした。
選曲では尾ノ井さん(多摩稲門会会長)が、先日亡くなった俳優の渡哲也さんを偲んで渡さんのヒット曲「くちなしの花」を歌った。その後で「吉永小百合の恋人は渡哲也だったのか」と筆者に訊ねられた。「渡哲也かどうかは知らないが、昭和40年頃の吉永小百合に恋人がいたのは確かなようだった」と応えた。当時、吉永小百合さんが撮影所に通う際に利用していたハイヤーの運転手から聞いた話だ。そのハイヤーは夜、筆者が日本経済新聞の社会部記者として東京地地検特捜部が捜査している事件取材で利用していた。毎晩の夜回りで運転手とも親しくなり、車中の雑談で目撃談を聞いたものだった。
稲積さんはアロハ姿でハワイアンの「カイマナヒラ」などを歌った。以前、8月は納涼「いねの会」として行い、参加者は浴衣かアロハ姿だった。今年は通常通りとしたが、稲積さんは遊び心の豊かな人でアロハを着てきたものだ。
午後4時を過ぎて2人が店を後にした。残り6人が歌い終わると、時計の針は午後5時を少し回っていた。その日は9曲も歌ってしまった。参加者が少なくなったからだ。
先に引き上げた一人が「縁があったらまた会いましょう」と言った。その言葉を聞いて「いねの会」はもう一期一会の集まりだと思った。コロナ禍で廃業する店が少なくないが、「麗」も10月末で店を閉じる。かつて世話役たちが数店を下見して「麗」を定例会場に決めたが、その世話役も高齢化し、3密回避の店を探すエネルギーが残っていない。このままでは「いねの会」は休会にせざるを得ない。
残りは9月、10月の2回。参加者たちはその後に会う機会があるとは言い切れない。稲門会の活動の多くはコロナ禍のため自粛中であり、コロナが終息する日は見えていない。一期一会の時代である。
(川面記)
中央大学(多摩白門会)の「第10回作品展」
2020-08-16
第10回ということで、多摩稲門会に出品を要請され、3氏が「協賛出品」の予定です。
期日: 9月22日(火)~27日(日) AM10時~午後5時まで、 最終日は午後4時まで
場所:ベルブ永山ギャラリー3階 TEL 042-337-6661
「稲門会」出品者
荒井 孝之 油絵 15号 「黄色いタセーター」
由井濱 洋一 油絵 12号 「輝く富士」 油絵 8号 「セザンヌ模写」
澤村 祥 アクリル画 30号 「2019ガーデン」
会員各位に、少し時間がありましたら覗いてください。
会費納入のお願い
2020-08-09
今年度はコロナ禍により、通常総会も寺島氏の講演会も中止となり開くことができませんでした。このためと思われますが、本年度の年会費の入金は7月31日現在79名、229,000円(昨年度は同日で99名、287,000円)となっております。これは本年度予算362,000円に対し63.25%です。当会の維持・活動は会員皆様の会費に支えられております。本年度は予期せぬコロナ禍の元ではございますが、例年通りのご支援、ご協力をお願いいたします。
来年1月30日の賀詞交歓会は早稲田大学文学部出身の落語家「柳亭こみち氏(真打、女性)」に落語と踊りをお願いし、ご本人からも快諾をいただいております。
サークル活動も満足に開けない現況で、大変心苦しく存じますが、会費のお支払いがまだお済みでない方は、何卒ご理解賜り、お支払いいただきたくよろしくお願いいたします。
尚、振込用紙は先にお送りいたしました今年度の「第41回総会議案書」「杜の響き62号」とともに同封させていただいております。
3密を避けて「いねの会」再開
2020-07-26
多摩稲門会のサークル、カラオケの「いねの会」は3月以来、月例会を中止していたが、7月から活動を再開した。月例会は第3火曜日で21日正午から午後多摩市の京王線聖蹟桜ヶ丘駅近くのスナック「麗」を会場にして午後5時まで続いた。参加者は7人と従来の半数以下だが、店のママが「3密にならなくてよい」と言ってくれた。
早大校友会本部は各稲門会に対して活動自粛を要請したが、その後に自治体などの指針に従えば活動は可能であると補足説明した。これを受けての活動再開である。店には20人まで着席できるが、参加者は10人までとして密集をさけた。参加の希望者はいったん10人となったが、東京都の新型コロナ感染者が急増したことなどから7人に減ったものだ。
店の入り口のドアと奥の窓を開けて密閉を避け、着席もお互い向かい合わずおしゃべりも控えて密接しないようにした。それで十分だと考えたが、多摩稲門会の会長である尾ノ井さんが自費でフェイスシールドを調達、参加者全員に提供した。念には念を入れよという措置だ。
定刻の正午に全員が揃ったところで「いねの会」の幹事長である筆者の音頭で乾杯した。参加者が多い時は瓶ビールだったが、当日は少ないことからママが生ビールを用意してくれた。30分ほど食事をし、右回りで歌い始めた。女性の菊澤さん、柴田さんは新しい持ち歌を仕込み披露した。
やがてデュエットもして歌に興じた。柴田さんが歌い、稲積さんがマラカスを持ってデュエット、上條さんがタンバリンで盛り上げた。いつもは1人が5曲を歌って時間切れの午後5時となるが、この日は7曲で歌い終わった。コロナ禍の憂鬱な世相を忘れた4時間となった。
会が終わる直前、川畑さんが現れて1曲を歌った。別の会に参加していたが、切り上げて来たという。結局、参加者は8人となったわけだ。
川畑さんが店に来た理由は筆者が立て替えていたお金を手渡すのが目的だった。立て替えたお金は、お店が休業を要請されていた際の見舞金である。しかし、お店はコロナ禍で客足が遠のき、閉店せざるを得ないようだ。
(文責・川面)
第79回俳句同好会
2020-07-19
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」が7月17日午後、多摩市のベルブ永山・和室で開かれた。投句は一週間前に世話役がまとめていたが、当日はメンバーのうち6人が出席して選句、欠席した1人もメールで選句を伝えた。句座を開き投句を合評したことにより原句を直したものもあり、より佳句に近づけることができた。
一例が〈濁流を飲みて色無き梅雨の海〉。〈色無き〉は〈色なき風〉という秋の季語を連想するとして〈伊豆の海梅雨の濁流飲み込める〉と推敲された。〈田に落ちて光り続ける蛍の死〉も〈光り〉が名詞なのか動詞なのか判然としないが、〈光り放てる〉と直したことにより名詞であることがはっきりした。
作者自身が句評を聞き直した句もある。原句が〈蜥蜴走るジュラ紀の夢を糧として〉は、〈ジュラ紀の夢〉がいまひとつ漠然としているが、〈ジュラ紀の栄え〉と直したことで爬虫類繁栄の時代があったことを明確にした。
選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選は◎で表示)。
紫陽花の奥の水音に惹かれゆく 川俣あけみ(長張◎、又木◎)
黒揚羽森の闇よりはみ出せる 松井秋尚(宮地◎、川俣、長張)
蜥蜴走るジュラ紀の栄え糧として 川俣あけみ(川面◎、辻野)
紫陽花の傍らの句碑雨にぬれ 長張紘一(松井◎)
久しかる友は柩に夏真昼 川面忠男(川俣、辻野、宮地)
電線の雫膨らむ緑雨かな 宮地麗子(川面、川俣、又木)
天道虫翅の収まる不思議かな 松井秋尚(川俣、宮地)
古家(ふるへ)にて守宮と暮らす月日かな 辻野多都子(川面、松井)
小糠雨色失くしゆく手毬花 宮地麗子(川面、又木)
草取の最中忘るる憂世かな 川面忠男(辻野、長張)
月下美人家居に倦める束の間の 川俣あけみ(川面、宮地)
伊豆の海梅雨の濁流飲み込める 宮地麗子(又木、松井)
夜濯ぎも一人分なり部屋に干し 宮地麗子(辻野、松井)
校庭の小さき青田や雨の中 川面忠男(松井)
田に落ちて光り放てる蛍の死 長張紘一(川俣)
海の日の志布志市志布志字志布志 又木淳一(長張)
鷺草に翔べ翔べと風夕あかり 川俣あけみ(宮地)
身ほとりに止まぬ谺やほととぎす 辻野多都子(長張)
聖火いまいづこに点るアカンサス 川俣あけみ(又木)
七夕もひとりで籠もる酒の味 長張紘一(辻野)
(文責・川面)
寺島実郎氏 TV講演 第4弾のお知らせ
2020-07-19
多摩稲門会会員の皆様
東京MXテレビで4月から3回放映された寺島実郎多摩大学長のコロナ禍と日本再生問題についての講演第4弾が、きょう19日(日)午後8時から1時間、「コロナ問題の中間総括」をテーマに放映されます。
東京MXテレビは地上波の9チャンネルでご覧いただけます。
9月26日(土)にも午後8時から1時間、同テレビで講演第5弾が放映されますが、テーマは未定です。
寺島氏は、6月21日に多摩稲門会創立40周年記念講演会の講師を務めていただく予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で来年6月に延期となりました。
多摩稲門会副会長 浅井隆夫
高幡不動駅から程久保川、浅川、多摩川、大栗川各合流点散策
2020-06-28
新型コロナウイルス感染が今後どうなるか不明な時期をいかがお過ごしでしょうか。不要不急な外出を控えて家にこもって、足腰の筋力はかなり弱って来ているのではないでしょうか。7月は、近場の川の土手歩きを計画しました。近場には幾つかの川が流れていますが、散歩の延長みたいにお気軽にご参加下さい。
アップダウンの少ない散策で自然に親しみながら、体力回復に心掛けましょう。ご検討の上、体調に合わせご参加下さいますようお願いいたします。
新コロナ対策のなか電車、バス内等ご心配の方は、またのチャンスもありますのでその時にご参加下さい。
1.日時 7月14日(火)
2.予定 高幡不動駅から程久保川、浅川、多摩川、大栗川各合流点散策 (歩行3時間程)
○ 集合(13:00) 京王線高幡不動駅改札口
徒歩開始 高幡不動駅→新井橋手前浅川右岸→程久保川合流点→程久保川上流へ→百草橋から対岸を折り返し→浅川多摩川合流点→府中四谷橋→大栗川合流点(交通公園)→折り返し大河原公園→聖蹟桜が丘駅
○ 持ち物・装備
ハイキングスタイルでご参加下さい。飲料水、間食等 各自お好みで、帽子、タオル等、手袋等、雨具(折り畳み傘)、熱中症対策は十分に。
○ 雨天の場合は中止します。迷うような場合は、電話でお尋ね下さい。
参加ご希望の方は、長張(tel 042-337-1792 携帯080-5544-6915
e-mail nagahari@ttv.ne.jp)にお知らせください。
第78回俳句同好会
2020-06-21
多摩稲門会の第78回俳句同好会は6月19日午後、多摩市のベルブ永山・和室で開かれた。コロナ感染防止策として公民館は3月以来、閉館していたが、6月は解除になり4カ月ぶりに同館で句会を開くことができた。窓を開けたり、机をアルコールで消毒したり、新型コロナ感染防止策を徹底しての句会であった。
当日はメンバーの7人全員が出席して選句と合評を行なった。第1席となった〈罅(ひび)暗き三和土(たたき)の月日梅雨に入る〉は、作者の自解によると、多摩市・多摩センターの中央公園に移築されている旧富沢家の景である。〈罅深き〉が実景だが、それでは単なる写生句になってしまう。戦国時代以来、何代も続いた旧家には明るい時代もあれば暗い時代もあっただろうと作者は思い、上5を〈罅暗き〉とした。
今回もコロナ禍ならではの句が投句された。その最たるものは〈散髪の予約は5番六月来〉であろうが、時事俳句に止まらない新味が感じられた。
選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選句は◎で表記)。
罅暗き三和土の月日梅雨に入る 川俣あけみ(辻野◎、長張◎)
栢槙の切株にほふ夏の蝶 川俣あけみ(川面◎、又木、松井、宮地)
青しぐれ見慣れたる街透きとほり 宮地麗子(又木◎、川俣、松井)
訪るる人なく暮るる夏座敷 辻野多都子(宮地◎、長張)
時の日や転校の日の八時半 又木淳一(川俣◎、川面)
庭先に昨日と同じ雨蛙 長張紘一(松井◎)
万緑やほろとこぼるる塩むすび 川俣あけみ(川面、辻野、宮地)
闇迫る路地のあじさい白ひといろ 宮地麗子(辻野、長張、又木)
夏鶯くさくさの日は野を歩き 川俣あけみ(辻野、宮地)
お祓ひの済みし風待つ江戸風鈴 川俣あけみ(又木、松井)
世を隔て我を覆ひぬ花樗 辻野多都子(川面、宮地)
散髪の予約は5番六月来 又木淳一(川俣)
黄菖蒲や水木霊して鳥の笛 辻野多都子(川俣)
仕留めたる後も次々来る藪蚊 松井秋尚(長張)
捩花や非常階段見上げたる 又木淳一(川俣)
高枝に白蝶乱れ梅雨間近 辻野多都子(松井)
先見えぬほどの雨なり梅雨間近 宮地麗子(川面)
実桜の下枝にジャンプまたジャンプ 又木淳一(長張)
ほうたるや最後の恋を身にひそめ 宮地麗子(辻野)
サングラス掛けなりきれぬ裕次郎 松井秋尚(又木)
(文責・川面)
第77回俳句同好会
2020-05-17
多摩稲門会の「俳句同好会」は5月15日午後、メンバー宅で開かれ、4人が出席、メンバーの残り3人はメールで投句と選句を行なった。出席者も3密を避ける形で句会を進めた。早稲田大学校友会本部は9月末まで稲門会の活動中止を呼びかけているが、それを承知で実行した集いである。俳句同好会は早稲田大学校友会の末端であろうが、一律の規制に従わず自由にして闊達、かつ社会に対して責任をもって行動すればよいと考える。
そんな雰囲気の中で5月の投句はコロナ禍を背景にした句が全投句の3割になった。時事俳句でありながら時事俳句を超えた俳句もあったのが俳句同好会らしいと言えるだろう。一例を挙げれば〈世を捨つる人の如くに四月尽〉は「願わくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃」と詠んだ世捨て人の西行法師の歌を踏まえ句である。
選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選句は◎で表記)。



















