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第31回俳句同好会
2016-07-17
サークル「俳句同好会」の7月例会は15日(金)午後で、7人が多摩市永山の公民館・和室に集まった。あらかじめメールで10人が3句ずつ投句、選句は当日の欠席者3人もメールで世話役に伝え、全員が5句ずつ行った。
当日の最高得点句は、 風が風誘ひて来るや冷やし酒、で2人が特選句とし、4人が選句した。「風が伝わってお酒のおいしさに誘い込まれる。リズム感がある」、「涼風の入る和室で冷やし酒を楽しんでいる」、「作者の幸せ感が伝わってくる」などと選句理由が述べられた。
萍(うきくさ)や難民の子ら捕虜ごっこ、は評価が分かれた。作者はどこにいて景を見ているのか、という疑問だが、テレビを見て俳句を作っても句がよければ構わないという考えの相違で、句会後の懇親会でも話題になった。
懇親会では、よく31回も続いた、と感慨深い言葉が聞かれた。
選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者、◎が特選句。
風が風誘うて来るや冷やし酒 萩尾昇平(中川◎、平松◎、川俣、辻野、宮地、山本)
喪服脱ぎ梅雨の片割れ月見ゐる 川俣あけみ(宮地◎、又木◎、川面、 辻野)
修行者の列足早に梅雨の坂 長張紘一(辻野◎、川面、川俣、中川、山本)
冷奴すぐ角崩す処世術 萩尾昇平(山本◎、中川、長張、平松)
走り根の力ともがな夏旺ん 又木淳一(長張◎、辻野、萩尾)
萍や難民の子ら捕虜ごっこ 中川邦雄(萩尾◎、又木)
夏帽子海山ぐっと近づけり 中川邦雄(川俣◎、又木)
紫陽花にこの先迄も重ねをり 宮地麗子(川面◎、中川)
背泳ぎや空と左右の景遠く 中川邦雄(川俣、長張、平松、又木)
舞台では強き男やサングラス 辻野多都子(川面、中川、萩尾)
梅雨晴れに老いを晒して腰伸ばす 山本達人(辻野、長張、宮地)
初蛍黄泉のさかいの水の上 辻野多都子(川俣、平松、宮地)
ただ暑き誕生日なり父母もなく 宮地麗子(萩尾、山本)
かなしみの荷を運びゐる蝸牛 川俣あけみ(萩尾、山本)
魂のあくがれたるか蛍の夜 川俣あけみ(長張、又木)
梅雨寒に仔猫抱いての昼寝かな 山本達人(川面)
肌焦がす太陽捕らえバット振る 平松和己(宮地)
蛍袋秘めたる恋を宿すごと 又木淳一(平松)
(文責・川面)
2016.7(第159回)城山
2016-07-17
蒸し熱い梅雨はなかなか明けない。梅雨の晴れ間の7月12日の「山歩きの会」の参加者は、櫻井和子さん、中川邦雄さん、依田敬一さん、林譲さん、長張、そして城山山頂で落ち合うことになっている橋本孜さんを含め6名となり、小仏峠から城山そして裏高尾を下る馴染みのコースである。
9時12分発の高尾駅北口発のバスは超満員で、乗客を多数残し出発する。僕らは中川さんに先行してもらい、多数の乗り遅れた人達とともに見送った。無理に乗らなかったわけは、参加者1名が集合時間を間違えていたためでもある。いつもは先に行ってしまうのであるが、タクシーを利用して追いつけば良いと思った。
後発組はタクシーで小仏バス停まで、大勢の乗客は先に進み広場は閑散としていた。その中で中川さんと落ち合い、登山開始する。
車道をそのまま登り、傍らの高速道路はトンネルに入って行く。車道は終わり登山道となる。数台の車が駐車していた。
峠までの一時間ひたすら登る。高度が増してくると、涼しさも感じられる。峠直下に広がる杉林を抜けると小仏峠に着いた。向こう側は神奈川県となる。
峠のベンチで暫く休む。峠を抜ける涼しい風が心地良かった。峠から20分程で城山山頂に着く。山頂売店前は賑わっていた。高尾山方面から向かった橋本さんと落ち合い一緒に昼食をとる。
橋本さんはリハビリ中で急な運動を避けるためケーブルを利用しているが、どちらのコースもあまり変わらないように思えた。
売店は平日にもかかわらず賑やかでメニューも豊富であった。中川さんはかき氷をオーダーし、山盛りの氷を皆にもふるまっている。私も懐かしいイチゴシロップを味わうことができた。
城山から日影バス停までの幾つかのルートがあるが、車も通る道幅の広い林道を下ることにした。
日影沢林道は、山裾を大きく巻きながら下ってゆき、そのガードレールが山頂付近から見渡せる。車道用の道であり緩やかに下るだけで、上がることはない。山頂の通信施設に機材を運ぶための道を利用して、売店の物資を簡単に運び上げることが可能なのであろう。
最高齢の中西さんは前日、日野稲門会の富士山の1合目から5合目までの山歩きで右大腿骨に異変が生じ、今回は不参加となった。
林さんは暫くギックリ腰に悩まされ、参加は久しぶりであるが腰の状況は順調の様子であった。
メンバーもそれぞれ歳を重ねてくると色々と障害がでてくる。継続できるサークル活動にするためには、もう少し軽いBコースに重点を置く企画が必要と感じられた。
バスの時間を調整するため日影沢園地で緑の景色に囲まれた広場で休憩をとる。
暫く休んだ後、2時43分まだ日差しの強い日影バス停からバスに乗り込んだ。
バスを降りた高尾駅の北口から南口まで駅舎に入らずに大きく回り込み、南口の居酒屋「多摩の里」を久しぶりに訪れた。京王クラブのマスターであった店長は、今日も店内あちこち切り盛りをしていた。校友との山歩きのあとのビールや歓談は、格別のものである。
長張 記
多摩稲門会 第3回 ボウリング大会のご案内
2016-07-10
5月21日に行った第2回ボウリング大会は、第1回と同じくわきあいあいとアットホームな雰囲気の楽しいボウリング大会でした。引き続き、第3回ボウリング大会を企画しました。初めて参加する人も大歓迎です。やってみると思いのほか楽しく、おもしろい。参加を始めるなら“今です”。下記の通りの内容で第3回ボウリング大会を開催いたしますのでお誘いあわせの上、ご参加賜りますようご案内申し上げます。
記
開催日 2016年8月27日(土)午後3時から6時15分
(集合は午後2時30分)
場 所 永山コパボウル(京王/小田急 永山駅より徒歩約1分)
(多摩市永山1-3-4 ヒューマックスパビリオン6F TEL:042-339-9966)
<ボウリング大会> 3時~5時
A、B、C 3チームのチーム対抗戦形式で行います。(参加人数が多ければチーム数を増やします。) 女性参加者にはハンデ20ピンつけます。試合方法は当日変更することがあります。
<懇親会(成績発表会)> 5時15分~6時15分(1時間)
近くの飲食店で懇親会(成績発表会)を行います。
参加費は男性5,000円、女性4,000円。プレー費、貸靴料、懇親会費用を含んでいます。
参加費は当日支払いですが、お申し込みの方で当日キャンセルの方は後日集金いたします。
<お問い合わせ及びお申込先>(8月20日までにお願いします。)
幹事 稲垣友三 〒206-0041 多摩市愛宕2-4-1-102
TEL:090-2498-0689 メール:yinagaki@e-emotion.jp
(参加お申し込みはメールでお願いします。)
「歴史に遊ぶ会」鎌倉五山巡りを楽しむ
2016-07-03
サークル「歴史に遊ぶ会」の第33回例会は6月28日、11人が参加して「鎌倉五山巡り」を楽しんだ。午後1時に北鎌倉駅に集合、3時間の史跡散策という企画だった。時間的に五山のうち円覚寺、浄智寺、建長寺の三山、それに昔は鎌倉尼五山だった東慶寺を間に入れるというコース、距離的に無理がある寿福寺、浄妙寺はまたの機会とした。
当日は朝から雨だったが、昼過ぎから曇という天気予報だったので予定通りとした。円覚寺で30分ほど傘を差したが、以後は不要になった。梅雨晴れよりも歩きやすい気温で、紫陽花が咲き残っているか、危ぶまれたが、雨に洗われて色を増していた。
鎌倉ガイド協会元会長の高橋健治さんがガイドとなったが、A4大で3枚の資料と地図を用意。参加者は高橋ガイドの説明を聞きつつ歩き、「やはりガイドがいると見逃しがなく効率的でいい」と納得していた。
知っているようで実はよく知らないということがある。まさに当日の散策も同じで、それぞれの古刹の由緒や現状について生半可な知識しかないことがわかった。少なくとも筆者はそうであった。
例えば円覚寺の舎利殿は室町初期に建てられ、建造物としては鎌倉で唯一の国宝であるが、もともとは太平寺という鎌倉尼五山第一位の仏殿であったと聞いた。太平寺が廃寺になったことから円覚寺に移築されたという。
また円覚寺の次に訪れた東慶寺。ここは尼寺で駆け込み寺として知られたが、明治以降は尼寺ではない。禅を海外に広めた釈宗演が住職だったが、通訳したのが鈴木大拙。墓苑には釈宗演、鈴木大拙ら有名人の墓が多いが、文芸評論家の小林秀雄はともかくバレー監督の大松博文の墓を見た時には驚いた。
浄智寺から建長寺、そしてバスで鎌倉駅前へ。現地解散だが、9人が駅前の鮨店で懇親した。生ビールで乾杯、肴の生しらすが新鮮だった。鎌倉稲門会の稲田明子さんも後から加わった。高橋ガイドは鎌倉稲門会の幹事で稲田さんに紹介していただいた。多摩稲門会と鎌倉稲門会が交流した半日ともなった。
(文責・川面)
いねの会の11人 地元のカラオケ発表会に参加
2016-07-03
多摩ドリーム同好会が6月26日の日曜日、多摩市関戸公民館のヴィータ・コミューネ8階ホールでカラオケ発表会を行い、100人の地域住民が参加した。この中に多摩稲門会のカラオケサークル「いねの会」のメンバーも11人が加わった。「いねの会」の月例会場は「スナック麗」だが、同好会の事務局は麗のママが中心であり、また共催者にもなっていることから「いねの会」メンバーの参加が昨年から年中行事化している。
当日は4人が午前の部に歌った。尾ノ井さんの「川」に続いて西村さんが「恋心」、小林さんが「昭和流れうた」、そして宮嵜さんが「花街の母」、いずれも十八番。午後の部では浪久さんが女性とデュエットして「北上夜曲」、筆者の川面が「安芸灘の風」、田中さんが「流れの船唄」、白石さんが「面影の郷」、また稲積さんが「アメリカ橋」、青木さんが「長良川艶歌」、各人の日頃の持ち味を舞台の上でも出していた。盛り上がったのは白石さんが3人の女性とデュエットした「二輪草」の場面(写真)であった。
そして96番目に再び浪久さんが「柳ケ瀬ブルース」をしびれるような声で歌った。「いねの会」のトリは97番目に歌った辻野さんの「悲しい酒」、台詞も聞かせた。
麗のママの宮地さんは多摩稲門会の準会員。当日は法被を着て「まつり」を歌う人を応援したり、100番目の歌でも舞台に上がって「黄昏のルンバ」を盛り上げたり大忙しだった。参加者たちは舞台用の衣装など趣向をこらし、発表会を楽しんでいた。
以上が第一部で、クラウンレコード専属歌手の小町雪乃さんらの歌謡ショーが第二部。最後に景品が当たる抽選会を行い、午前9時半ごろ始まった発表会は午後4時半ごろに終わった。
多摩稲門会の「いねの会」は第三部として懇親会を催した。公民館から桜ヶ丘方向に歩き、大栗川の橋の袂にある鮨店に会場を移した。参加者10人が生ビールで乾杯した後、宮城県塩釜の酒・浦霞「禅」など美酒を飲みつつ歓談した。老いても気分は若々しい夕べとなった。
(文責・川面)
7月27日(水)に新宿駅西口でグルメの会
2016-07-03
7月のグルメの会(第60回)は27日(水)午後5時半から京王線新宿駅から徒歩5分の日本料理店「香家(こうや)」で開きます。京王デパート新宿店の筋向いにある110ビルの地下1階にあります。以前グルメの会を開いた「がんこ」と同じビルです。
暑さ厳しい折だけに、歩行距離が短い会場を選び、開会時刻もいつもより30分遅らせました。
同店は山形県の銘酒「楯野川」の純米大吟醸や芋焼酎の「黒霧島」などが飲み放題。酒好きが心置きなく痛飲できるのが売りで、料理も味に定評があります。
奮ってご参加ください。 飲み放題付きで会費6千円です。
記
日時 7月27日(水)午後5時半に会場の「香家(こうや)」に集合。
会場 「香家」新宿西口駅前店。
(新宿区西新宿1ー10-2 110ビル B1F 03-5381-2020)
会費 6千円(飲み放題付き)。
申込先 参加される方は7月25日(月)午後6時までに浅井にご連絡ください。
問合先 携帯電話 090-8877-8865(浅井)
メールアドレス fwkp7426@nifty.com
平成28年度定例総会・文化フォーラム・懇親会の報告
2016-07-03
多摩稲門会の平成28年度定例総会・文化フォーラム・懇親会は6月25日(土)午後0時45分から多摩市関戸の「京王クラブ」で行われた。
第37回定例総会
午後0時45分、多摩稲門会第37回定例総会が長張紘一幹事長の開会の辞で始まった。依田敬一会長の挨拶、ご来賓の紹介のあと、来賓の鈴木嘉久・早稲田大学地域担当部長のご挨拶を頂戴した。
総会は加来健一郎幹事が議長に選出され、議事が進行した。長張幹事長が平成27年度多摩稲門会活動報告を、尾ノ井副会長兼会計幹事が同決算報告、白井昭男監事が監査報告を行い、いずれも異議なく了承された。引き続き、平成28年度多摩稲門会活動方針案・予算案が審議され、賛成多数で承認された。
第61回文化フォーラム
尾ノ井光昭副会長の開会アナウンスで始まり、講演が始まった。
演題は「早稲田野球の神髄」。講師は早稲田大学野球部第19代監督髙橋広氏。
昨年の春季リーグ戦完全優勝の話から始まり、大学選手権を制して日本一になったことなど、偉業達成に至るたぐいまれなる監督手腕の秘話を聴衆に惜しみなく披露した。
また、早稲田大学野球部監督に就任前は、鳴門工高(現鳴門渦潮高)の監督として春夏通じて8度の甲子園出場を果たし、平成14年春には準優勝に導いた。その「高校野球の神髄」も披露され、長い高校野球の経験に裏打ちされた講演の中味の濃さに、出席した聴衆からも感嘆の声が聞かれた。
講演後に行われた湯浅芳衞会員の進行による髙橋監督との対談形式の一問一答では、監督の真面目な人柄が聴衆に伝わり、身を乗り出して聴いていた。
懇親会
午後3時45分から会場を移して懇親会を催した。平松和己昭副会長の開会の挨拶、依田敬一会長の挨拶に続き、多摩三田会会長大西喜次郎氏、日野稲門会会長小笠原豊氏にご挨拶を頂いた。野球部OB亀田健氏が早大野球部の歴史について語ったあと、藤井國男副会長の乾杯発声でグラスを片手に歓談の輪が広がった。平松和己副会長の司会・進行で会は進められ、恒例の会員ひと言スピーチ、近隣稲門会来賓のスピーチなど、時間の経過とともに会場は一段と盛り上がりを見せた。髙橋広監督も懇親会に参加し、会員と気さくに話していた。稲垣友三副幹事長の閉会の挨拶のあと、参加者が全員で校歌「都の西北」を斉唱、平松副会長がエールを交換して閉宴した。
会員―浅井隆夫 新井正子 有福典夫 石川良一 稲垣友三 井上一良 遠藤千尋 尾ノ井光昭 加来健一郎 川面忠男 菊沢光江 小林 勲 白井昭男 白石徹郎 白鳥金丸 竹内二郎 田中亮介 田辺繁友 土谷靖雄 中神尚男 中西摩可比 長張紘一 中村昭夫 野宇 進 野田豊實 橋本 孜 平松和己 福田かほる 福田 宏 藤井國男 藤井良夫 星野英仁 又木淳一 松本弘之 湯浅芳衞 吉川啓次郎 依田敬一 (以上37名)
来賓―大学1名、多摩三田会1名、稲城稲門会1名、狛江稲門会2名、調布稲門会2名、八王子早稲田会1名、日野稲門会1名、府中校友会2名、町田稲門会1名、 (計 12名)
(稲垣友三 記)
山歩きの会 7月例会のご案内
2016-06-26
A・Bコース 城山(670m)
混雑した高尾山を避けて、小仏峠から城山を目指します。猛暑の中比較的日陰の多い山道となります。多摩市からは近場の裏高尾のハイキングコースをゆっくり楽しみながら歩きます。ご検討の上、体調にあわせてご参加をお待ちします。
1.日時 7月12日(火)
2.予定コース
A・Bコース 城山(歩行2時間20分)
○集合 (8:25)京王線聖蹟桜ヶ丘下りホーム後寄り
(8:36)京王線急行高尾山口行→高尾駅(9:54)着
(9:12)乗車小仏行きバス→(9:53)着
徒歩開始 小仏バス停→(:50)小仏峠→(:20)城山(昼食)→(:50)日影沢園地→(:20)日影バス停 (:18)→高尾駅
*日影バス発 14:13or43 15:13or43 16:43
○持ち物・装備
・昼食、水、間食等 服装(長袖シャツ等)、帽子、軍手、タオル等、雨具(折り畳み傘)、ストック
○雨天の場合は中止します。迷うような場合は、メールか電話でお尋ね下さい。
参加ご希望の方は、長張(tel 042-337-1792、e-mail nagahari@ttv.ne.jp)にまでにお知らせください。
第30回俳句同好会
2016-06-19
「俳句同好会」は6月17日午後1時30分から永山公民館・4階和室で行われたが、これが第30回目となった。メンバー10人が投句、選句して全30投句のうち20句が互選句となった。
とりわけ2席の「泰山木開きて烏兎(うと)へ捧げけり」が話題に。「烏兎」は太陽と月を意味する。ここでは天にいる大切な故人であり、泰山木の花が献杯用の器の形に似ている、というイメージが句作の動機になったという。
3席は原句が「あぢさゐの寺の虚空の遠祖かな」だったが、格助詞の「の」が三つあるとして「虚空や」と切り、下5は「かな」切れではなく「遠つ祖(おや)」と。川俣さんはそう直したうえで「句が大きくなる」と述べた。
選句は以下の通り。カッコ内は選句者名、特選は◎で表記した。(文責・川面)
青柿や秘めたる夢の今もなほ 川俣あけみ(平松◎、宮地◎、又木◎、山本)
泰山木開きて烏兎へ捧げけり 川俣あけみ(萩尾◎、川面◎、又木)
あぢさゐの寺の虚空や遠つ祖 川面忠男(辻野◎、川俣◎、中川)
野良着脱ぎ焼酎一合やをら昼 萩尾昇平(山本◎、中川◎)
江戸伊勢とくれば肥後なり花菖蒲 又木淳一(長張◎、萩尾)
風吹いて畑泡立つ麦の秋 山本達人(平松、辻野、長張、宮地)
朝日射す更地に一本立葵 宮地麗子(山本、又木、川俣)
ほたる舞ふ廃校跡の同窓会 萩尾昇平(長張、宮地、川面)
夏の蝶分水嶺をさ迷へる 川俣あけみ(辻野、長張、川面)
黒南風や宵の銀座の崩れ雲 辻野多都子(平松、川俣、川面)
刑務所の野球大会夏初め 中川邦雄(萩尾、川俣、川面)
どこまでも向日葵畑セビーリア 辻野多都子(平松、又木、中川)
苗打ちを列に整へ泥の中 長張紘一(辻野、萩尾、中川)
老木の小枝に残る青き梅 長張紘一(平松、宮地)
母の日や喜びごっこで疲れたり 中川邦雄(山本、萩尾)
駿河路の訛り懐かし走馬燈 川面忠男(辻野、又木)
青嵐空に色紙貼り付けて 宮地麗子(山本)
父の日や子犬の傾く蓄音機 又木淳一(川俣)
雨乞いの蛙がのそりやぶにらみ 平松和己(中川)
琵琶滝で小休止なり莎莪の花 宮地麗子(長張)
今年また「悲しき雨音」梅雨に入る 又木淳一(宮地)
2016.6(第158回)御岳奥の院
2016-06-19
前日は一日中雨が降り、東北・北陸地方も梅雨に入った。6月14日の「山歩きの会」は、天気を心配したが梅雨の合間の晴日となった。参加者は櫻井和子さん、中西摩可比さん、長張を含め3名の少数である。
11時15分発のケーブルカーは空いていたが、欧米系の外国人観光客が散見される。
武蔵御嶽神社の社殿は家康が改築し、江戸の西の護りとして、またその後綱吉が再改築し、狼信仰の社で「おいぬ様」と崇められているため、飼い犬のケーブルの同乗は許可されている。道中もしばしば飼い犬を連れたハイカーと出会った。
標高差400mを一気に登り、下界とは違う800mの涼しい空気が広がる。展望台から靄の中にスカイツリーを確認した後11時半徒歩開始。
天空の町の石垣には、ユキノシタの花が一面に咲いている。ここは草取りをしている住民や、宅配便の車が行き交う田舎の町である。参道の両側にある商店街を過ぎると鳥居前広場に出る。神社に上る階段を避けて女坂を登る。中頃から階段の反対側に渡り神社から離れ、天狗の腰掛杉を目指す。前日の雨で洗われ、緑の茂った清々しい幅広い道を進んで行く。
天狗の腰掛杉から道が分岐し、鳥居をくぐり奥の院に向かう。天狗の腰掛杉は高尾山にも同じ名前の大樹が存在しているが、道は大樹の裏側に回り間近に見ることができる。近くからは高さは実感できないが、多摩市の里山からも双眼鏡で確認することができる。
12時を少し過ぎ、昼食の時間となってきたが先に進む。登り始めは緩やかな道が続くが次第に急坂となり、杉のむき出しになった根を跨ぎながらひたすら登って行く。奥の院は、御岳山と大岳山の間のつんと尖った1077mの山頂の直下にある。奥の院の男具那社の裏手に回り、険しい登りの先が山頂である。
山頂は険しかった登りに比べて比較的に広く平らな場所であった。1時を少し過ぎて昼食をとる。僕ら以外の登山者のない静かな山頂は、樹木に覆われ視界はきかない。山頂の隅に二級基準点の標識が埋められていた。また、一方の隅には小さな祠があった。昼食の後同じ道を下山開始。
今回のルートに一か所だけ鎖場があった。濡れた岩場をわたるには安心できる。
途中、ほら貝を吹かしながら3人の修験僧に出会った。ほら貝はそれぞれに首から吊るされているが、大変高価なものであるらしい。1人は山伏姿ではあるが、あと2人は強靭とは云えない体躯の普通の若者であった。長尾平で一休みしていると、下の七代の滝方面から汗を流しながら登ってくる若い男女等が行き交い、いくつかのベンチで小休憩をとっていた。
櫻井さんは風邪が治ったばかりの病み上がり。ここからケーブルカーを利用して下山することになっている。途中の御岳神社の町場通りで土産を買うため、参道の店の前で僕らと行動を別にした。
ケーブルの駅前の御岳平を足早に過ぎ、園地の北側を回り、大塚山の巻き道に入り古里駅を目指す。