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第114回俳句同好会
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の6月定例句会が16日午後1時から4時まで多摩市関戸の公民館和室で開かれた。メンバーの7人全員が投句と選句に参加。今回が第114回目、10周年も間近い。終了後は紫陽花の寺で知られる高幡不動尊に出かけ、「あじさい祭り」が6月末まで開催中の境内を散策後、門前の鰻の店で懇親を楽しんだ。
当日の最高点句は〈噴水止むカリヨンの音を待つごとく〉で2人が特選とし、残り4人が選句した。つまり同会のメンバー全員が選んだ句だ。東京・調布の神代植物公園の景だ。バラ園の噴水が止まった直後にカリヨンが鳴り1句とした。選んだ人たちは「平明な句。噴水が止まった瞬間の静かさ、その直後に鳴ったカリヨンの音の清らかさが感じられる」などとコメントした。
〈虚子像へなんじやもんじやの青葉風〉は神代植物公園に隣接した深大寺の景だ。実際に目にして詠んだ句にはそれなりの力がある。
当日は句会の閉会時刻の4時まで時間を余したことから選外句についてもメンバーが選ばなかった理由を話し合った。新しい試みで勉強になった。
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選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名、特選は◎で表記。
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噴水止むカリヨンの音を待つごとく―――川俣あけみ(長張◎、又木◎、川面、 辻野、松井、宮地)
羽目外すことなき暮し柿の花―――松井秋尚(宮地◎、川面、辻野、又木)
虚子像へなんぢやもんぢやの青葉風―――川俣あけみ(辻野◎、長張、松井)
夕映えや一羽の通し鴨にまで―――宮地麗子(川俣◎、辻野)
かたつむり投句の締切迫りくる―――宮地麗子(松井◎。川俣) みどり児のまんまるまなこ未央柳―――又木淳一(川面◎)
大皿の関鯵囲む旅の宿―――川面忠男(川俣、長張、又木)
嬌声の高き中州の素足かな―――川面忠男(川俣、長張、宮地)
雨宿り終へて沸き立つ夏の蝶―――宮地麗子(川俣、松井)
朝な朝な目に測る蔓胡瓜畑―――辻野多都子(又木、宮地)
雨上がりの水車の音や苔の花―――川俣あけみ(宮地)
吐き出せぬ螢袋の昨夜の夢―――松井秋尚(長張)
沖縄伊那国馬
バス止むる馬の瞳に梅雨雫―――辻野多都子(川面)
早一年俤偲ぶ額の花―――又木淳一(松井)
高尾駅いまだ親待つ燕の子―――辻野多都子(川面)
ででむしの角に探らる胸の中―――川俣あけみ(辻野)
鈍色を隠しおほせぬ山法師―――松井秋尚(又木)
(文責・川面)
早慶戦 (’23 春)観戦記
「紺碧の空」。 皆さん!久し振りに仲間と共に、母校の野球応援に行きませんか! 長く暗い「コロナ禍」を耐えてきた仲間に呼びかけ、準備を始めたのは既に幾分遅きに失した 感がありました。 今季から「応援の方法」が変更された等々の理由があり、我々の準備が 遅れた事もありました。 それでも、母校を、スポーツを愛する仲間5人が馳せ参じて下さい ました。 その中には、新人のご婦人・馬場さんも早慶戦・初応援に参加頂きました。 また、これ以外にも、既に指定席券を別途入手され、そこで応援頂いた会員もおられます。

今回は指定席券の入手が困難だったため、敢えて外野席のほぼ中央に席を確保しました。 この目的は早慶戦初観戦の馬場さんに「伝統の早慶戦」を理解頂くために、早慶双方の 「応援合戦」を楽しんでもらう事、そして広い神宮球場一杯に躍動する選手の姿を観てもらう ためでした。
今シーズンの早稲田の戦績は、早慶戦の前までは「竜頭蛇尾」の不可解なもの でした;初戦の東大戦から立大戦を経て対法政一回戦までは「何と破竹の5連勝!」で 早大の優勝を誰しも予測していた筈ですが、如何した事か、法政2回戦から突如投打とも 大不振に陥り、法大2・3戦を落とし、次の明大にも連敗し、結局、早慶戦で慶応と3・4位 を争う戦いとなりました。

この「早慶一回戦」は極めて厳しい激闘となりましたが、わが早稲田が、劇的大逆転で激戦を 制しました。 翌日の朝日新聞は “早慶戦、戻った「地鳴り」” の大見出しの下に次の記事が踊っていました;「外野の最後列まで埋まった2万6千人の大観衆の歓声が神宮に入り乱れた “覇者覇者・早稲田” “慶応慶応、陸の王者・慶応”」「6回まで劣勢だった早稲田だが、代打の切り札、島川(済々費・4年)が決勝の3ランを放って大逆転。地鳴りのような大歓声に 包まれた“」。 結局、覇者早稲田はこの試合も5対3で勝利をものにした。わが多摩稲門会「大応援団」も乱舞狂気。昨秋に続いて多摩稲門会が応援する早慶戦では「またまた勝った!」と喜び、さらに「多摩常勝応援団」の不思議な「力」を誇った。

激しかった「早慶戦」を制して、わが応援団は勝利を祝うために何時もの如く新宿の「ライオン」に 向かった。 勝利の乾杯! 冷たいビールが喉に沁みる。 本日の勝利は、多摩のジャンヌダルク・ 馬場さんのお陰でしょう。そうだ、そうだ。 おっかけたい隊長の湯浅さんを始め本日の激戦の解説 意見、希望・・・話は尽きない。 しかし最後には「今シーズンは残念ながら優勝を逃したけど、秋には多摩稲門会で大応援団を結成して絶対に優勝するぞ!!」の誓いの言葉で散会となった。
「覇者、覇者 早稲田」 -以上―
(文責 おっかけたい 吉川)
「2023年5月度ボウリングの会例会」実施
5月になり、さわやかな風、降りそそぐ太陽光、が行きかう人々に感じられる季節になりました。3年続いたコロナによる節制もほぼ解禁になり、各地のお祭りやレジャーもコロナ前の勢いを取り戻しつつあります。永山の「コパボウル」ボウリング場内もマスクをした人としていない人が半々ぐらいになってきました。あいかわらず、土曜日の午後ということもあり、若者や少年で熱気ムンムンのボウリング場内でありました。
5月27日(土)、5月度の「多摩稲門会ボウリングの会」例会が行われました。今回の参加者は3名。午後2時40分集合、3時開始で約2時間プレーを行いました。
参加者は、藤原雅博さんと塚原英俊さんと世話人稲垣の3名です。 塚原さんは、初参加で、藤原さんの大学同期の方です。

ゲームは、1人3ゲームずつ行いました。当日のレーンはオイルが比較的少なく塗られていて、極端に滑るようなこともなく、投げやすさは感じました。
藤原さんは、いつもどおりの正確な投球が続き、ストライクを連発しました。スペアーはボウルにきちんと回転をかけて、ほぼ確実に残ったピンを取っていました。第3ゲームには207点を出し、実力どおりのスコアがでていました。
初参加の塚原さんの投球ボウルはポケットまでスゥ一と一直線で、とても素直な投球でした。スペアーを取るときもピンまで一直線のボウルで、しかも確実に取っていました。変化球のようにグ゙ィっと曲がるボウルもよいですが、こういう、目標ピンに一直線に向かっていくボウリングもよいなと思いました。稲垣はまだ自分のボウルの最適な投球フォームに苦心しており、手探り状態のまま3ゲームを終えました。しかし、第3ゲームはストライクやスペアー獲得も若干できて、160越えも果たしたので、中満足といったところでした。
ゲームは午後4時50分頃に終わり、その後歩いて5分の焼き肉屋『ラッキー』に入りました。
生ビールで乾杯の後、カルビや牛タンなどを注文し、懇親会を行いました。近況報告のあと、3人とも世代が近いので、学生時代の早稲田の思い出や海外旅行の話などで話題は尽きず、店から指定された2時間があっという間に過ぎました。次回は2か月後の7月22日(土)を予定しています。
(世話人 稲垣友三)
第113回俳句同好会
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の5月例会が19日午後、多摩市の関戸公民館和室で開かれた。活動を開始して以来10年目、第113回となる。当日はメンバー7人のうち6人が出席、欠席した1人も事前に投句と選句を世話人に伝えていた。
投句、選句とも5句ずつだが、投句された35句のうち半数以上の19句が選句された。晩春から初夏にかけた季節の変化を詠みこんだ句が多かった。一例が〈初夏や下駄突つかけて供花を剪る〉という句。それまでは靴下を穿いていたが、初夏になって素足で下駄をつっかけたと如実に生活の変化を詠んだ。〈リビングへ庭の気を呼ぶ五月来ぬ〉も同様だ。
薫風、若葉風など五月の風を季語に詠んだ句が選ばれた。〈句集読む野外のカフェや風薫る〉は類句がありそうとか景が平凡などと評された。それでも選句されたのは〈風薫る〉という季語の力が効いているからだ。
当日は投句が選句されたものの合評で添削され、さらに佳くなった句も少なくなかった。句座が開かれなければできないことだ。
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選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選は◎で表記)。
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大輪の薔薇散る重荷降ろすごと―――宮地麗子(川面◎、松井◎、長張、辻野)
妬心てふ我が影法師薄暑光―――川俣あけみ(辻野◎、松井、宮地)
初夏や下駄突つかけて供花を剪る―――川俣あけみ(又木◎、松井、川面)
打ち靡きなびき茅花の蓬けたる―――松井秋尚(長張◎、川俣)
思春期の重たき日記明易し―――川俣あけみ(宮地◎、又木)
リビングへ庭の気を呼ぶ五月来ぬ―――川俣あけみ(川面、辻野、松井)
句集読む野外のカフェや風薫る―――川面忠男(川俣、松井、宮地)
家移りや膝に揺れゐる金魚鉢―――川俣あけみ(辻野、又木、宮地)
新緑や枝の古傷隠しをり―――川面忠男(長張、宮地)
板前の襟足清(すが)し春野菜 ―――辻野多都子(川面)
夏来る空突き上ぐるクレーン車―――宮地麗子(又木)
葉を巻きて離るる期待つ落し文―――長張紘一(辻野)
涼やかに姿正しき花あやめ―――松井秋尚(長張)
踏青や行きつ戻りつ山鴉―――辻野多都子(長張)
やはらかく影をほどきて萩若葉―――松井秋尚(川俣)
エルガーの愛の挨拶五月来ぬ―――又木淳一(川俣)
樟若葉祈祷の雅楽響きけり―――松井秋尚(又木)
雫まだ落ちて来さうな夕立晴―――宮地麗子(川面)
幾重にも盛り上がる樹々若葉風―――長張紘一(川俣)
(文責・川面)
ジャズへの招待vol.64
~ザ スタンダード 魅了する男性ヴォーカルの世界~ What‘S JAZZで初めての男性ヴォーカル登場!牧野竜太郎さんの 歌声をお届けします。ご家族ご友人お誘いあわせの上ご来場お待ち しております。
2023年6月9日(金)
今回から、昼の部、夜の部の呼び名を変更し、開演時間も変更します。
・ランチタイムコンサート 12:00開場 12:30開演
・ティータイムコンサート 15:00開場 15:30開演
・出 演 牧野竜太郎(vo) 貫田重夫(sax) 金山マサ裕(p) 菅井 信行(b) スインギー奥田(ds)
・曲 目 ランチタイム:All of me. Night and Day. That’s all. 他
ティ-タイム:Fly me to the Moon. The Look of Love. 他
・場 所 関戸公民館ヴィータホール(ヴィータコミューネ8F)
・入場料 ランチタイム、ティータイムコンサートそれぞれ1,500円 完全入れ替え制。前売り券はヴィータ7F多摩ボランティア 市民活動支援センターで発売、042-372-6611 5月9日(火)10時から6月8日(木)午後5時まで 当日券(残余ある時)は当日11時30分から会場受付で発売
・定 員 230席
※ 今年度ハガキご希望の方は通信費300円(4回分)のご協力を お願い致します。(すでにお支払いいただいている方は結構です。)
共 催 What’s JAZZ実行委員会・関戸公民館
(042-371-4084) (042-374-9711)
〒206-0023多摩市馬引沢2-3-1 山中康廣 (山中康廣建築設計事務所)
第47回「歴史に遊ぶ会」
多摩稲門会のサークル「歴史に遊ぶ会」は5月5日午後、「千葉市ゆかりの家・いなげ」を訪ねた。ラストエンペラーこと清朝最後の皇帝で満州国の皇帝になった愛新覚羅溥儀の弟、溥傑と嵯峨侯爵家から嫁いだ浩が新婚時代に過ごした寓居だ。「満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和」が副題の本、『転生』(小学館)を読んだ稲門会員の希望もあり企画したもので同会としては第47回目となる。

参加者は荒井孝之さん、尾ノ井光昭さん、辻野多都子さん、川俣あけみさん、世話人の川面の5人。JR稲毛駅で『転生』の著者でジャーナリストの牧久さんと待ち合わせ、溥傑・浩夫妻の旧居に案内してもらった。旧居は海側に向かって徒歩15分、稲毛浅間神社の隣りにある。日本の陸軍士官学校を出た溥傑は旧居から陸軍歩兵学校に通った。その道幅は今よりも狭かったという。

旧居には溥傑・浩夫妻の数々の写真、現代中国の三筆と言われる溥傑の書画、『転生』も含めた関連書籍などが展示されている。新婚の夫妻には室内も庭も広い家だが、別荘を借りていたという。 庭には白雲木という木が1本立っている。夫妻の次女、福永嫮生さんが昭和天皇の母、貞明皇太后から拝領した宮廷木の孫木を寄贈したものだ。例年だと花の見頃だが、今年は暖かくなるのが早かったせいで散ってしまっていた。どんな花か、玄関に続く部屋の写真で見ることができる。

旧居を後にして稲毛浅間神社に参詣し、牧さんと参加者の記念写真を撮った。帰途は再び稲毛駅まで歩き、そのまま1人は駅から帰ったが、残りの4人は稲毛に住む牧さんが時々利用する魚の旨い店に寄り懇談した。そこで『転生』に関する話も著者から直接聞くことができ、第47回目の企画は成功したと思った次第だ。
(文責・川面)
“オッカケたい”早慶戦応援のお誘い
新緑が映え一番良い季節となりました。皆様にはお健やかにお過 ごしの事とお喜び申し上げます。
最初に“オッカケたい”代表者が今般交代しましたのでご報告致します。竹内代表は『一身上の都合で退きたい』とのご意向があり、後任として僭越ですが湯浅がカムバックすることになりまた。 竹内さんには大変お世話になり、深謝の他ありません。
大役を果たせるか心許ありませんが、皆様のご協力を得て誠心誠意努めますので何卒宜しくお願い申し上げます。
六大学リーグ戦は2年半振りに今季から応援団と一般観客が一緒に応援するコロナ禍前のスタイルに戻ることが出来ました。 早稲田は東大、立教に連勝して快調なスタートを切りました。 5月5日現在の勝ち点は明治3,早稲田・法政2、慶応1,立教・東大0(明・法・慶・東各3戦、早・立各2戦を終了)で優勝は早・明・法に絞られました。早稲田は6日~法政、13日~明治、27日~慶応と対戦しますので何が何でも優勝を願っています。
“オッカケたい”は27日(土)の1回戦に行きます。今年は早慶戦120周年で球趣は更に盛り上がるので大勢で応援しましょう。 ご家族、ご友人も大歓迎です。
当日は外野自由席(チケット代1,000円)に入ります。観戦後は希望者で新宿ライオンにて懇親会を行います。(8名以上個室120分飲み放題:会費5,000円、又は7名以下B1Fテーブル席アラカルト注文:会費実費)
参加の方は22日(月曜日)までに湯浅宛てお申し込み下さい。
(メール:yuasa43113@theia.ocn.ne.jp 又は電話:042-374-9140)
午前10時30分神宮球場外野席チケット売り場前に集合し、各自チケットを購入してなるべくまとまって坐ります。
試合開始は13時ですので早慶戦特集号(100円)を読みながら両校の応援や試合前練習を楽しみましょう。特に春は新入生が多く応援席も賑やかになります。俯瞰して試合内容や両軍ベンチの模様と応援風景が一望でき、オペラグラスか双眼鏡が役立ちます。
昼食は各自ご用意下さい。(飲み物もお忘れなく!)日差しが強くなるので熱中症対策を皆様よろしくお願いします。
雨天で中止決定の場合、六大学連盟HPに当日9時頃迄には掲載されるので分かり次第、メール又は電話連絡します。
5月5日 「早稲スポ・オッカケたい」 代表 湯浅芳衛
2023年第2回健康麻雀競技会開催報告
4月23日(日)2023年第2回健康麻雀競技会を聖蹟桜ケ丘駅近くの「麻雀大学」で開催した。前回と同じメンバーの8名(内、女性3名)が参加した。

今回は予選3半荘の順位をもとに、1~4位、5~8位決定戦を行う方式にした。

予選順位は、1位は関谷さん、2位は白井さん、3位は山内さん、4位は平松さんの結果となった。決勝戦では、予選ですべて2位の山内さんが5万点越えの楽勝のトップで総合1位となった。
終了後に、世話人から参加者全員に賞品が手渡された。解散後、参加者中5名が京王百貨店内の「家族亭」へ移動し、本日の反省や近況を語りあって楽しい1日を終えた。
次回開催は6月下旬予定。
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決勝戦成績および参加者は以下のとおり(敬略称)
(決勝戦成績)
1位 山内みか 519点
2位 白井昭男 176点
3位 平松和己 160点
4位 関谷一穂 145点
(参加者) 尾ノ井光昭、平松和己、白井昭男、藤原雅博、関谷一穗、菊池恵子、山内みか、 野宇 進
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健康麻雀競技会は概ね偶数月の第4日曜日(世話人に他の予定あれば変更の可能性あり)に予定しています。
一緒に麻雀を楽しみたい方は下記のメールアドレスまで連絡ください。
メール宛先:noususumu2811@gmail.com 世話人:野宇
第112回俳句同好会
多摩稲門会のサークル「俳句同好会」の月例会が4月21日、多摩市・関戸公民館和室で開かれ、予め5句ずつ投句していたメンバーの全員、7人が出席し選句と合評を行った。投句数は35句、ほぼ半数の18句が選句されたが、そのまた半数はメンバー3人が北海道から九州まで旅をした際に詠んだ句だった。
北海道の旅では牧場を見学した際の嘱目句、〈春の雲名馬を生みし引退馬〉、〈遅き春動かぬままの老牝馬(ろうひんば)〉が話題になった。名馬は数々のレースで優勝したサラブレッドのディープインパクトのことだ。ディープインパクトは亡くなったが、母馬は生きていて人間で言えば90歳に相当するという。もう生きる力が弱まり身動きもしないが、北海道の寒さを乗り越えて何とか春を迎えた。その生命力を詠んだ句だ。
〈北の地の風車の列や風光る〉、〈芽吹嶺の風車が回す未来かな〉も北海道で詠んだ句だが、後句の「未来」は原発に変わるエネルギーという意味だ。作者の自解を聞き句の深さを感じた。これも句座ならではのことだ。
選句結果は以下の通り。カッコ内は選句者名(特選は◎で表記)。
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別府
海地獄さくら吹雪を飲み込める―――川俣あけみ(川面◎、辻野◎、長張◎)
有珠山の力吾に欲し春愁―――川俣あけみ(宮地◎、川面、辻野、又木)
老桜余力を残す八分咲き―――長張紘一(松井◎、宮地)
いつしかに咲く数越ゆる落椿―――松井秋尚(又木◎、宮地)
袴着の卒業生や花筏―――辻野多都子(川俣◎)
春の雲名馬を生みし引退馬―――川俣あけみ(長張、又木、宮地)
芽吹嶺の風車が回す未来かな―――川俣あけみ(辻野、又木、宮地)
追悼文読み書く日々や紫木蓮―――辻野多都子(川俣、又木、松井)
札幌
時計塔に明治の覇気や木の芽晴―――川俣あけみ(辻野、長張、松井)
北の地の風車の列や風光る―――宮地麗子(川面、川俣)
時計台の歯車の音日永し―――宮地麗子(川面、松井)
ゆつくりと進む蝌蚪の尾忙しなく―――松井秋尚(長張)
残雪の遠山映す運河かな―――宮地麗子(川面)
玄関を出でたる一歩風光る―――松井秋尚(川俣)
遅き春動かぬままの老牝馬―――宮地麗子(辻野)
点々と丘に辛夷の翳白き―――長張紘一(松井)
空広げ胸に溢るる辛夷かな―――辻野多都子(長張)
マスク取り万朶の花を浴びゐたり―――又木淳一(川俣)
(文責・川面)
『多摩稲門会第72回文化フォーラム・春季懇親会』
2023年3月18日(土)14時10分から18時、多摩市関戸の京王クラブ2階で『多摩稲門会第72回文化フォーラム・春季懇親会』が開催された。
今回の文化フォーラムは、「我が国を取り巻く安全保障環境~軍事的視点~」というテーマ で、昨年来のロシアによるウクライナ侵攻もあり日本の安全保障にかかわる内容ということで、参加者は31名と当初予想より多くの方に参加いただいた。
14時10分、尾ノ井光昭会長の開会宣言および挨拶により開会となった。続いて川面忠男幹事が講師の新村暢宏氏の紹介を行った。

新村氏は自衛隊の元陸将補で自衛隊武器学校長の要職を経て、現在は一般社団法人・日本防衛装備工業会の常任理事をされているとのプロフィール紹介があった。
14時15分よりプロジェクターを使用して新村氏の講演が始まった。

講演内容は、「日本の範囲とは?」「排他経済水域(EZZ)・大陸棚とは?」「尖閣諸島問題の歴史的推移」、「領海侵犯の定義」、「米国・ロシア・中国の軍事的戦略」、「日本の地政学特性」、「東シナ海の問題」、「南シナ会の西沙諸島・東沙諸島問題」、「知っておきたい中国の国内法」等多岐に渡るものであった。参加者からは内容の濃い分かり易い講演であったとの声が多数あった。
15時40分、若干の質疑応答の後、講演が終了した。
引き続き、第2部の懇親会が尾ノ井会長の挨拶、長張紘一副会長の開会の辞と乾杯の音頭で始まり、尾ノ井会長の司会・進行で進められた。
なごやかな懇談が続き、講演いただいた新村氏も歓談の輪に入り、しばし会員と歓談した。
会員の一口スピーチが始まり、新人会員の湊剛宏氏、谷内正彦氏および入会検討中の校友1名の自己紹介をはじめとして、ほぼ参加者全員が今日の講演の感想、現況などをスピーチした。
宴もたけなわになった頃、又木淳一副会長の閉会の挨拶があり、参加者全員で、校歌「都の西北」を斉唱した。最後に野宇進会計幹事の力強いエール発声で閉宴した。
文化フォーラム及び懇親会参加者31名(内、講演のみ参加者5名)
氏名(敬称略)
尾ノ井光昭、又木淳一、白井昭男、加来健一郎、西村 弘、鈴木忠男、平松和己、 辻野多都子、吉川啓次郎、長張紘一、川面忠男、由井濱洋一、子幡嘉之、田中亮介、 遠藤ちひろ、川俣あけみ、浪久圭司、石井卓治、小林 勲、野宇 進、谷内正彦、湊剛 宏、 宮地麗子、吉田富康、塩沢泰弘、益田幸兒、鷹尾清文(日野稲門会)、石塚あつし、 星野英仁、湯浅芳衞、中西摩可比
野宇 進 記
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